東京都のハローワーク活用ガイド
高卒採用の求人票提出から内定までの完全手順|都内主要拠点の活用法
東京都は求人倍率15.71倍と全国で最も企業間競争が激しい高卒採用市場です。この環境で採用を成功させるためには、ハローワークへの求人票提出を「最初のステップ」として確実に押さえる必要があります。高卒採用では企業が高校生に直接求人を出すことはできず、必ずハローワークを通じた「学校斡旋」ルートを経由しなければなりません。
本記事では、東京都内の主要ハローワーク拠点(東京新卒応援HW・八王子新卒応援HW等)の情報から、求人票作成のコツ、提出スケジュール、合同企業説明会の活用法まで、高卒採用におけるハローワーク活用のすべてを解説します。
目次
1. ハローワークの役割(高卒採用における位置づけ)
高卒採用において、ハローワーク(公共職業安定所)は採用プロセス全体の「基盤」として機能します。大卒採用や中途採用とは異なり、高卒採用ではハローワークへの求人票提出が法律上の義務であり、この手順を経なければ求人票を高校に届けることができません。
高卒採用におけるハローワークの3つの機能
求人票の受理・審査
企業が提出した高卒求人票の記載内容を審査します。労働基準法・最低賃金法・職業安定法への適合を確認し、不備があれば補正指導を行います。東京都は求人数が膨大なため、審査に数日〜1週間かかることがあります。
求人情報の高校への提供
受理された求人票は「高卒就職情報WEB提供サービス」を通じて、7月1日以降に全国の高校から閲覧可能になります。東京都の高校だけでなく、近隣の神奈川・千葉・埼玉の高校からも閲覧されます。
採用活動全体のサポート
合同企業説明会の開催、求人充足状況のデータ提供、採用ルールに関する相談対応など、企業の採用活動を総合的に支援します。東京新卒応援ハローワークでは高卒採用専門の担当者がいます。
重要:高卒採用では企業が高校生に直接求人を出すことはできません。必ずハローワークを通じて求人票を提出し、受理を受けた上で高校に届ける「学校斡旋」ルートを経由する必要があります。
2. 東京都内の主要ハローワーク拠点
東京都内には17のハローワーク(公共職業安定所)があります。高卒求人票は事業所の所在地を管轄するハローワークに提出するのが原則です。加えて、高卒採用に特化したサポートを受けられる「新卒応援ハローワーク」も活用しましょう。
高卒採用に特化した拠点
| 施設名 | 所在地 | 特徴 |
|---|---|---|
| 東京新卒応援ハローワーク | 新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビル21F | 新卒者(大学・高校等)の就職支援に特化。高卒求人の相談・作成支援が受けられる専門窓口。合同企業説明会の情報も集約。 |
| 八王子新卒応援ハローワーク | 八王子市旭町10-2 八王子TCビル6F | 多摩地域の新卒就職支援拠点。西東京エリアの高校との連携に便利。 |
| 東京わかものハローワーク(2026年4月〜渋谷わかものハローワークに改称) | 渋谷区渋谷2-15-1 渋谷クロスタワー8F | 35歳未満の若者向け就職支援。高卒後の既卒者支援に活用可能。 |
| ハローワーク飯田橋U-35(東京しごとセンター内) | 千代田区飯田橋3-10-3 東京しごとセンター内 | 東京都が設置した就職支援施設「東京しごとセンター」内に併設。若年者向けの各種支援サービスと一体的に利用可能。 |
区部の主要ハローワーク(管轄エリア別)
| ハローワーク名 | 管轄エリア(主な区) |
|---|---|
| ハローワーク飯田橋 | 千代田区、中央区、文京区、大島出張所管轄区域以外の新宿区 |
| ハローワーク上野 | 台東区、墨田区 |
| ハローワーク品川 | 品川区、目黒区 |
| ハローワーク大森 | 大田区 |
| ハローワーク渋谷 | 渋谷区、世田谷区 |
| ハローワーク池袋 | 豊島区、板橋区、練馬区 |
| ハローワーク木場 | 江東区、江戸川区 |
| ハローワーク足立 | 足立区、荒川区 |
| ハローワーク墨田 | 葛飾区 |
提出先の確認:求人票は本社ではなく、高校生が実際に勤務する事業所の所在地で管轄が決まります。複数の事業所で採用する場合は各事業所の管轄ハローワークに個別提出が必要です。不明な場合は東京新卒応援ハローワーク(03-5339-8609)に問い合わせましょう。
3. 求人票提出の流れとスケジュール
求人票提出から高校への公開、そして内定までの全体フローを確認しましょう。東京都は求人数が膨大なため、ハローワークの審査にも時間がかかる傾向があります。余裕を持ったスケジュール管理が不可欠です。
事前準備・事業所登録の確認(5月中)
ハローワークに事業所登録がない場合は先に登録手続きを行います。既に登録済みの場合は、所在地・代表者・社会保険等の登録内容に変更がないか確認します。
求人票の原案作成(5月中)
高卒専用の求人申込書(学卒用)に記入します。東京都の高卒初任給相場は他県より高い水準(月額18〜20万円程度)にあるため、競争力のある条件設定が必要です。
ハローワークへ求人票を提出(6月1日〜)
6月1日以降、管轄のハローワークに求人申込書を提出します。ハローワークインターネットサービスからのオンライン仮登録も可能。東京都内は6月初旬の窓口が特に混雑するため、仮登録の活用を推奨します。
内容審査・補正対応(提出後数日〜)
ハローワーク担当者が記載内容を審査します。東京都は求人数が膨大なため、審査完了まで数日〜1週間以上かかることがあります。差し戻しが発生するとさらに遅延するため、事前の窓口相談が重要です。
求人票の受理・求人番号付与(提出後1〜2週間)
審査を通過すると求人票が受理され、求人番号が付与されます。この番号で応募管理が行われます。
高校への求人票公開(7月1日)
7月1日以降、「高卒就職情報WEB提供サービス」を通じて全国の高校に公開されます。同時に企業から高校への直接訪問も解禁されます。
応募・選考・内定(7月〜10月)
7〜8月に応募前職場見学、9月5日に応募受付開始、9月16日に選考開始。東京都では選考スピードが内定を左右します。
東京都のポイント:求人倍率15.71倍の東京都では、7月1日の公開に1日でも遅れることが命取りです。6月第1週中の提出を目標に、5月中に求人票の原案を完成させておきましょう。事前にハローワーク窓口で下書きチェックを受ければ、差し戻しリスクを大幅に軽減できます。
4. 求人票作成のポイント(高校生に選ばれる書き方)
東京都では1人の高校生に約15社の求人票が届きます。先生がすべてを均等に紹介することは不可能なため、求人票自体の「読みやすさ」「魅力度」が選別の第一関門です。
仕事内容は「具体的に・わかりやすく」
高校生は社会人経験がありません。業界用語や専門用語では仕事のイメージが湧かないため、「何を」「どこで」「どのように」行うのかを平易な言葉で記載しましょう。
NG例
「製造業務全般」「営業」「事務作業」
OK例
「精密部品の検品作業。完成した電子部品を顕微鏡で検査し、基準をクリアした製品を出荷用トレイに並べるお仕事です。入社後3ヶ月間は先輩がマンツーマンで指導します。」
東京都の初任給相場を意識した賃金設定
東京都の高卒初任給は全国トップクラスの水準にあります。基本給と手当は明確に分離し、固定残業代は別記載としてください。都内は生活コストが高いため、住宅手当・通勤手当の手厚さが志望度に直結します。
通勤アクセスを明記する
東京都の高校生は電車通勤が前提です。「最寄り駅から徒歩○分」「主要ターミナル駅からの所要時間」を求人票の補足欄に必ず記載しましょう。「JR品川駅から徒歩7分」「渋谷駅から東急線で15分+徒歩3分」のように具体的に書くことで、高校生と保護者が通勤イメージを持てます。
研修制度・資格支援で安心感を訴求
「入社後3ヶ月間の新人研修あり」「先輩社員がマンツーマンで指導(メンター制度)」「資格取得費用は全額会社負担」など、入社後の成長環境を具体的に記載しましょう。先生は「この会社に送り出して生徒が成長できるか」を常に見ています。
先生目線のポイント:進路指導の先生は「過去3年間の離職率」「有給取得実績」「育成体制」が明確に書かれている求人票を信頼します。東京都は選択肢が多い分、「この企業なら安心」と先生に判断されることが応募獲得の鍵です。
5. ハローワーク活用のコツ
ハローワークは求人票の提出先としてだけでなく、高卒採用を総合的にサポートしてくれるパートナーです。東京都ならではの活用術を紹介します。
事前相談窓口を活用する
6月1日の受付開始前でも、5月中から東京新卒応援ハローワークで高卒求人に関する事前相談が受けられます。求人票の下書きチェック、記入方法のアドバイス、東京都の最新動向の情報提供など、初めての高卒採用企業は必ず活用しましょう。
所在地:新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビル21F
合同企業説明会に参加する
東京労働局と各ハローワークが連携して、毎年7〜8月に高校生向けの合同企業説明会を都内各所で開催しています。求人票だけでは伝わらない企業の魅力を、高校生に直接アピールできる貴重な機会です。15.71倍の競争環境では、こうしたリアル接点が差別化の決め手になります。
求人充足状況のデータを活用する
ハローワークでは管轄エリアの高卒求人の充足状況データを提供しています。自社の求人がどの程度の競争環境にあるかを把握し、条件の見直しや訪問先の絞り込みに活用しましょう。東京都全体の傾向だけでなく、エリア別のデータが特に有用です。
高卒就職情報WEB提供サービスで自社求人を確認
厚生労働省が運営する「高卒就職情報WEB提供サービス」では、受理された求人票がオンラインで閲覧できます。自社の求人票が正しく掲載されているか、他社と比較してどのような印象を受けるかを確認し、次年度の改善に役立てましょう。
東京しごとセンターとの連携
東京都が設置した「東京しごとセンター」(千代田区飯田橋)では、若年者の就職支援から企業向けの採用支援まで、ワンストップでサービスを提供しています。ハローワークとは別の切り口で高校生・若者との接点を持てるため、採用チャネルの多角化に有効です。
オンライン仮登録のすすめ:「ハローワークインターネットサービス」で事前にオンライン仮登録を行えば、窓口での手続き時間を大幅に短縮できます。仮登録後14日以内にハローワーク窓口で本手続きが必要ですが、6月初旬の混雑を避けるために非常に有効です。
6. FAQ(よくある質問)
Q. 東京都で高卒求人票を提出するハローワークはどこですか?
A. 事業所(実際に勤務する場所)の所在地を管轄するハローワークに提出します。東京都内には17のハローワークがあります。高卒採用に特化した相談は「東京新卒応援ハローワーク」(新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビル21F)でも受け付けています。提出先が不明な場合は管轄のハローワークまたは東京新卒応援HWにお問い合わせください。
Q. 高卒求人票の提出はいつから可能ですか?
A. 毎年6月1日から受付開始です。受理された求人票は7月1日以降に高校へ公開されます。東京都は求人数が多く審査に時間がかかるため、6月第1週中の提出を目標にし、差し戻しのバッファを見込んで5月中に原案を完成させておきましょう。
Q. 求人票をオンラインで提出できますか?
A. ハローワークインターネットサービスからオンライン「仮登録」が可能です。仮登録後14日以内にハローワーク窓口で本手続き(内容確認・受理)を行う必要があります。完全なオンライン完結ではありませんが、特に6月初旬の窓口混雑を避けるために仮登録は非常に有効です。
Q. 東京新卒応援ハローワークとは何ですか?
A. 新卒者の就職支援に特化したハローワークです。新宿区西新宿と八王子市に拠点があります。高卒採用に関する求人相談・求人票作成支援・合同企業説明会の情報提供など、専門的なサポートが受けられます。初めて高卒採用に取り組む企業は特に利用を推奨します。
Q. 求人票が差し戻された場合どうすればいいですか?
A. ハローワーク担当者から指摘された箇所を修正して再提出します。よくある差し戻し理由は、仕事内容の記載が曖昧、固定残業代が基本給に含まれている、年間休日数が不正確、青少年雇用情報が未記入などです。5月中にハローワーク窓口で下書きチェックを受けることで差し戻しリスクを大幅に軽減できます。
まとめ
東京都でハローワークを活用した高卒採用を成功させるためのポイントは以下の通りです。
- 管轄ハローワークを確認:勤務地の所在地で管轄が決まる。東京都内17拠点から正しい提出先を選ぶ。
- 5月中に準備完了:事業所登録確認・求人票原案作成・東京新卒応援HWでの事前相談を5月中に済ませる。
- 6月第1週に提出:差し戻しバッファを見込み、6月1日の受付開始と同時に提出。オンライン仮登録で混雑回避。
- 東京の相場を意識:初任給・通勤手当・住宅手当は東京都の水準に合わせる。通勤アクセスの明記は必須。
- 合同説明会・学校訪問も併用:求人票提出だけで終わらず、合同企業説明会・学校訪問で積極的にアプローチ。
東京都は求人倍率15.71倍の超売り手市場です。ハローワークを「手続き窓口」としてだけでなく、採用戦略のパートナーとして最大限に活用し、計画的な高卒採用を実現しましょう。
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データ出典:
- 東京労働局「新規高等学校卒業者の求人・求職・就職内定状況」
- 東京労働局「ハローワーク一覧」https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-hellowork/kyushokusha/_120809.html
- 東京新卒応援ハローワーク
- 厚生労働省「高卒就職情報WEB提供サービス」



