栃木県の高卒求人倍率推移【2021〜2026年】
北関東3県(栃木・群馬・茨城)比較・全国比較分析
栃木県の高卒求人倍率は、コロナ禍の落ち込みを経て急回復し、令和8年3月卒(3月末確定)で3.27倍と、1998年以降の比較可能な統計で過去最高を更新しました。前年(令和7年3月卒)の3.06倍から0.21ポイント上がりました。この急上昇の背景には、日産・Honda・SUBARUなど自動車関連を中心とする製造業の旺盛な求人と、少子化に伴う求職者数の構造的な減少があります。一方で、同じ時点の全国平均(4.12倍)と比較すると栃木県は下回っており、首都圏に近い地理が若年人材の県外流出を招いている一面もあります。
1. 求人倍率推移(2021〜2026年)
栃木県 新規高卒者の求人倍率の推移(各年3月末現在・栃木労働局)
| 年度(3月卒) | 求人数 | 求職者数 | 求人倍率 | 前年差 |
|---|---|---|---|---|
| 2021(R3) | 6,658人 | 3,249人 | 2.05倍 | ▲0.26 |
| 2022(R4) | 6,917人 | 3,087人 | 2.24倍 | +0.19 |
| 2023(R5) | 7,944人 | 2,767人 | 2.87倍 | +0.63 |
| 2024(R6) | 8,616人 | 2,803人 | 3.07倍 | +0.20 |
| 2025(R7) | 8,532人 | 2,787人 | 3.06倍 | ▲0.01 |
| 2026(R8) | 8,686人 | 2,658人 | 3.27倍 | +0.21 |
- •求人数:6,658人 / 求職者数:3,249人
- •前年差:▲0.26(コロナ影響)
- •求人数:6,917人 / 求職者数:3,087人
- •前年差:+0.19
- •求人数:7,944人 / 求職者数:2,767人
- •前年差:+0.63
- •求人数:8,616人 / 求職者数:2,803人
- •前年差:+0.20
- •求人数:8,532人 / 求職者数:2,787人
- •前年差:▲0.01
- •求人数:8,686人 / 求職者数:2,658人
- •前年差:+0.21(過去最高)
出典:下野新聞・栃木労働局発表に基づく
2. 北関東3県・全国平均との比較
北関東3県はいずれも製造業の集積地ですが、高卒採用市場の特徴には差があります。栃木県は自動車・精密機器を中核に、群馬県はSUBARU・食品を中核に、茨城県は日立グループ・化学工業を中核にした産業構造を持っています。
| 都道府県 | 高卒求人倍率 | 主要産業 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 栃木県 | 3.27倍(R8卒・3月末確定) | 輸送用機械(日産・Honda)・情報通信機械・電気機械 | 過去最高を更新。製造業比率全国2位 |
| 群馬県 | 4.24倍(R8卒・3月末確定) | SUBARU・食品・化学 | 自動車産業が牽引。太田市が中核 |
| 茨城県 | 2.77倍(R8卒・3月末確定) | 日立・化学・食品 | つくば・日立の大企業群が強い |
| 全国平均 | 4.12倍(R8卒・3月末確定) | — | 栃木県は全国平均を下回る |
主要産業:輸送用機械(日産・Honda)・情報通信機械・電気機械
過去最高を更新。製造業比率全国2位
主要産業:SUBARU・食品・化学
自動車産業が牽引。太田市が中核
主要産業:日立・化学・食品
つくば・日立の大企業群が強い
主要産業:—
栃木県は全国平均を下回る
注目ポイント:栃木県の3.27倍は、同じ令和8年3月卒・3月末の全国平均4.12倍を下回っています。これは、首都圏に近いため埼玉・東京の企業が栃木県内の高校生を採用対象としており、県外求人が求職者を分散させていることを示しています。逆に言えば、県内企業は「地元で働く魅力」を明確に打ち出す必要があるということです。
3. 求人倍率が過去最高を更新した理由
1. 製造業王国・栃木の旺盛な求人需要
栃木県の製造品出荷額は約8兆2,353億円(全国12位)で、県内総生産に占める製造業比率は41.2%(全国2位)です。日産栃木工場(従業員約6,000名)、Honda栃木製作所、SUBARU航空宇宙カンパニー、キヤノン宇都宮事業所(従業員約4,500名)など、大企業の生産拠点が集中しています。これらの企業を頂点としたサプライチェーンが県内に広がっており、製造業全体で高卒求人3,212件(令和8年3月末・産業別最多)を生み出しています。
2. 求職者数の構造的な減少
令和6年3月卒の求職者数は2,803人で、前年比+1.3%と5年ぶりに増えました。しかしこれは「底打ち」であって回復ではなく、令和7年3月卒は2,787人、令和8年3月卒は2,658人(前年比▲4.6%)と再び減っています。求人数が8,600人台で高止まりする一方で求職者が減る構造が、求人倍率の上昇を生んでいます。
3. LRT開業がもたらす通勤圏の拡大
2023年8月に開業した宇都宮LRT(ライトライン)は、JR宇都宮駅東口から芳賀・高根沢工業団地まで14.6km・19駅を結びます。沿線には清原工業団地(従業員約13,700人)・芳賀・高根沢工業団地(従業員約23,000人)があり、合計3万人以上の雇用圏にアクセスしやすくなりました。高校生にとっても通勤手段の選択肢が広がり、求人への応募範囲が拡大しています。
4. 内定率の推移と全国ポジション
栃木県の高卒内定率は全国平均を上回る水準にあり、令和8年3月卒は10月末時点で81.7%(全国10位・全国平均76.0%)でした。3月末の就職内定率は99.4%(令和8年3月卒)に達します。
| 時期 | 内定率 | 備考 |
|---|---|---|
| 10月末 | 81.7% | 全国10位・全国平均76.0%(1位 三重88.2%、2位 愛知87.1%、3位 佐賀85.2%) |
| 12月末 | 91.6% | 前年同期比▲1.1ポイント |
| 3月末(確定) | 99.4% | ほぼ全員が就職を決定(前年は99.5%) |
全国10位・全国平均76.0%(1位 三重88.2%、2位 愛知87.1%、3位 佐賀85.2%)
前年同期比▲1.1ポイント
ほぼ全員が就職を決定(前年は99.5%)
企業への示唆:10月末時点で81.7%(令和8年3月卒)が内定済みという事実は、7月の求人公開から9月の選考開始までのわずか2ヶ月が勝負であることを意味します。選考開始日に動けるよう、6〜7月の学校訪問で先生との関係を築いておくことが不可欠です。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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