大分県の高校生数推移と将来推計人口
少子化時代の高卒採用戦略
大分県は製造品出荷額5兆6,034億円(九州2位)を誇る工業県ですが、人口約106万人(2026年9月1日現在)は減少傾向にあり、少子化の波が高卒採用市場に確実な影響を及ぼしています。内定率99.7%が示すように現状は「動けば採れる」市場ですが、求職者数の減少が続けば「動いても採れない」時代が近づきます。本記事では、最新の人口動態データを分析し、2030年に向けた採用戦略を提案します。
1. 大分県の人口動態と高卒就職市場
大分県の人口は約106万人(2026年9月1日現在・大分県の人口推計)で、全国的な少子高齢化の影響を受けて減少が続いています。特に南部・西部エリアでの人口減少が顕著で、佐伯市や竹田市では若年層の流出が課題となっています。
高卒求職者数と内定状況(R5〜R6年度)
| 年度 | 求人数 | 求職者数 | 内定者数 | 求人倍率 | 内定率 |
|---|---|---|---|---|---|
| R5年度 | 5,069人 | 1,950人 | 1,942人 | 2.60倍 | 99.6% |
| R6年度 | 5,219人 | 1,956人 | 1,951人 | 2.67倍 | 99.7% |
求人数:5,069人
求職者数:1,950人
内定者数:1,942人
求人倍率:2.60倍
内定率:99.6%
求人数:5,219人
求職者数:1,956人
内定者数:1,951人
求人倍率:2.67倍
内定率:99.7%
大分県の特徴
求人数は5,219人(前年比+3.0%)と増加を続ける一方、求職者数は1,956人(+0.3%)とほぼ横ばいです。1人当たり県民所得が九州1位という経済水準を背景に、製造業を中心とした求人は高水準を維持していますが、若年人口の減少に伴い今後は求職者数の減少が本格化する見通しです。
2. 少子化が高卒採用に与える3つの影響
影響1:求人倍率のさらなる上昇
求職者数(分母)が減少する一方、製造業を中心とした求人数(分子)は前年比+3.0%で増加中です。社人研の推計でも若年人口の減少は続く見通しで、求人倍率は今後も上がりやすい構造です。
影響2:工業高校の統廃合リスク
生徒数の減少に伴い、県内の高校の統廃合が議論されるケースが増えています。特に南部・西部エリアの小規模校は影響を受けやすく、企業にとっては「これまで採用していた高校がなくなる」リスクを念頭に置く必要があります。複数校との関係構築をしておくことが、リスク分散になります。
影響3:大手企業の高卒採用枠拡大
大学新卒の採用難が進む中、日本製鉄やダイハツ九州といった大手企業が高卒採用枠を拡大する動きが見られます。ブランド力と待遇で優位に立つ大手との競合がさらに激しくなり、中小企業にとっては「応募すら来ない」リスクが高まります。
大分県の現状
求人倍率2.67倍 — 上昇傾向
人口減少が進行中 — 「選ばれる企業」しか採用できない時代へ
3. 将来推計人口で見る大分県
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」では、大分県の人口は2030年に約103万人、2040年に約94万人まで減少すると推計されています。高校卒業期にあたる15〜19歳人口は、2040年には2020年の約7割まで減る見通しです。
| 項目 | 2020年(国勢調査) | 2030年(推計) | 2040年(推計) |
|---|---|---|---|
| 県人口(総数) | 1,123,852人 | 1,031,171人(▼8.2%) | 936,394人(▼16.7%) |
| 15〜19歳人口 | 49,838人 | 45,075人(▼9.6%) | 34,079人(▼31.6%) |
2020年(国勢調査):1,123,852人
2030年(推計):1,031,171人(▼8.2%)
2040年(推計):936,394人(▼16.7%)
2020年(国勢調査):49,838人
2030年(推計):45,075人(▼9.6%)
2040年(推計):34,079人(▼31.6%)
※ 出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」。2020年は国勢調査の実績値。
4. 2030年に向けて企業が取るべき5つの対策
工業高校との早期パイプライン構築
大分工業・鶴崎工業・中津東など工業高校との関係を、求人票を出す前から構築しましょう。インターンシップ・出前授業・工場見学を通じて高校1・2年生から接点を持つことが、将来の安定採用に直結します。
職場見学・インターンシップの質の向上
「見るだけ」の見学ではなく「手を動かす体験」を提供し、生徒に「ここで働きたい」と感じさせましょう。先輩社員との座談会、食堂・休憩室の紹介など、待遇面だけでなく「日常の働く姿」を見せる工夫が重要です。
SNS・動画を活用した企業ブランディング
Instagram・TikTokでの職場紹介、YouTubeでの社員インタビュー動画など、求人票では伝わらない魅力を発信しましょう。高校生はスマホで情報収集する世代です。大分臨海工業地帯の「カッコいい工場」の映像は高いエンゲージメントが期待できます。
定着率向上による口コミ効果
高卒入社の先輩が長く活躍していれば、後輩の高校生への最大のPRになります。メンター制度・キャリアパスの明示・資格取得支援など、定着率を高める施策が最強の採用施策です。
UIJターン人材・多様なチャネルの開拓
大分県はUIJターン面接支援補助金や移住支援金の制度があります。県外からの人材獲得チャネルも併せて開拓し、高卒新卒だけに依存しない採用ポートフォリオを構築しましょう。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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データ出典:



