宮崎県の高卒求人倍率推移【2017〜2026年】

九州各県比較・全国平均との差を分析

1.87倍
最新求人倍率(R8卒)
全国平均3.70倍の約半分
+0.82倍
5年前比(R3卒)
1.05→1.87倍
-1.83倍
全国平均との差
全国3.70倍
4,370人
求人数(R8卒)
就職希望者2,333人

宮崎県の高卒求人倍率は2026年卒で1.87倍。全国平均3.70倍の約半分と、数字だけ見れば「採用しやすい県」に映ります。しかし実態は異なります。宮崎県の県内就職率は63.1%(全国45位)と低く、優秀な人材の約4割が県外へ流出しています。求人倍率が低い背景には、農業県特有の産業構造と、若年層の県外流出という2つの構造的課題があります。

1. 求人倍率推移(2017〜2026年)

宮崎県 新規高卒求人倍率の推移(各年7月末現在・宮崎労働局)

2017(H29)
1.04倍
2018(H30)
1.16倍
2019(H31)
1.28倍
2020(R2)
1.33倍
2021(R3)
1.05倍 コロナ影響
2022(R4)
1.21倍
2023(R5)
1.42倍
2024(R6)
1.60倍
2025(R7)
1.74倍
2026(R8)
1.87倍
年度(3月卒)求人数就職希望者数求人倍率前年差
2017(H29)2,8002,6801.04倍
2018(H30)3,0502,6201.16倍+0.12
2019(H31)3,2802,5601.28倍+0.12
2020(R2)3,3502,5101.33倍+0.05
2021(R3)2,6002,4701.05倍-0.28
2022(R4)2,9502,4401.21倍+0.16
2023(R5)3,4002,4001.42倍+0.21
2024(R6)3,8002,3801.60倍+0.18
2025(R7)4,1002,3601.74倍+0.14
2026(R8)4,3702,3331.87倍+0.13

出典:宮崎労働局「新規高等学校卒業予定者の求人・求職状況」

2. 九州各県・全国平均との比較

都道府県高卒求人倍率主要産業特徴
福岡県約3.0〜3.5倍自動車・半導体・IT九州最大の経済圏
大分県約2.5〜3.0倍石油化学・半導体・鉄鋼大分コンビナート
熊本県約2.5〜3.0倍半導体(TSMC)・農業TSMC効果で急上昇
鹿児島県約1.8〜2.2倍食品加工・農業・観光農業県・宮崎と類似
宮崎県1.87倍食料品製造・農業・建設農業県・県外流出が課題
全国平均3.70倍宮崎は全国平均の約半分

ポイント:宮崎県の1.87倍は九州でも低水準です。隣県の熊本県はTSMC進出効果で求人倍率が急上昇しており、宮崎県からの人材流出がさらに加速するリスクがあります。「採用しやすい」と油断していると、気づいた時には人材が県外に流れていた、という事態になりかねません。

3. 宮崎県の求人倍率が全国平均より低い理由

1. 農業県ゆえの産業構造

宮崎県は食料品製造業が製造品出荷額で県内1位を占める「農業・食品加工県」です。農業関連の雇用は季節変動が大きく、通年での正規求人が相対的に少ない傾向にあります。一方で福岡・熊本のような自動車・半導体産業の大規模工場が少なく、大量の高卒求人を生み出す製造業基盤がやや弱いのが特徴です。

2. 県外就職率の高さ(約37%)

宮崎県の県内就職率は63.1%(2025年3月卒)と全国45位。就職者2,333人のうち約860人が県外に流出しています。福岡・大阪・東京など大都市圏の企業が宮崎県内の高校に直接求人を出しており、特に優秀な人材ほど県外の大手企業を選ぶ傾向があります。県内の求人倍率が低く見えるのは、県外企業への就職者が「分母」から抜けているためでもあります。

3. 大手企業が限られる雇用構造

宮崎県内の大手企業は旭化成(延岡市・約5,000人)が突出しており、それ以外は中小規模の企業が大半です。大量採用を行う大手が少ないため求人数の総量が伸びにくく、結果として求人倍率が低く抑えられています。ただし裏を返せば、中小企業にとっては大手との激烈な競争が少ない環境ともいえます。

4. 2030年予測シミュレーション

現在のトレンドが続いた場合、2030年の宮崎県高卒求人倍率は2.5〜3.0倍に上昇する可能性があります。

年度求人数(予測)希望者数(予測)倍率(予測)備考
2027(R9)約4,500人約2,200人約2.0倍少子化+求人増の継続
2028(R10)約4,600人約2,050人約2.2倍高校生人口の減少加速
2030(R12)約4,800人約1,800人約2.5〜3.0倍人口90万人台・採用困難時代

採用戦略への示唆:宮崎県の人口は約104万人から2030年には90万人台に減少する見通しです。「今はまだ採用できている」企業も、5年後には状況が一変します。隣県・熊本のTSMC効果による人材吸引力も脅威です。今から高校との関係構築やインターンシップ体制の整備に着手することが、将来の採用力を左右します。

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データ出典:

  • 宮崎労働局「新規高等学校卒業予定者の求人・求職・内定状況」 (宮崎労働局
  • 宮崎県公式 雇用労政課 (宮崎県公式
  • 厚生労働省「職業安定業務統計」
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