高知県の高卒求人倍率推移【グラフ付き】
四国4県(高知・愛媛・香川・徳島)比較分析
高知県の高卒求人倍率は、R7年3月卒で2.63倍(前年比+0.16pt)。全国平均(厚生労働省・令和7年3月末)の4.10倍と比べると低い水準ですが、県内に限定した求人倍率は3.83倍と極めて高く、県内企業間の人材獲得競争は熾烈です。この「全体は低いが県内は高い」というギャップは、高知県から県外へ就職する高校生の流出と、県外企業からの求人が少ないことの裏返しです。R8年3月卒は10月末時点で2.40倍(前年同期比-0.07pt)、内定率67.6%(同-1.0pt)でしたが、最終(令和8年6月末)では求人倍率2.61倍・県内求人倍率3.84倍・内定率99.0%となりました。
1. 高知県 高卒求人倍率の推移
高知県 新規高卒求人倍率の推移(各卒業年の最終値=卒業年の6月末現在・高知労働局)
※ 2026(R8)は令和8年3月卒の最終報告(令和8年6月末現在)。県内求人倍率は3.84倍(前年比+0.01pt)、就職内定率は99.0%でした。途中経過の10月末時点では2.40倍(前年同期比-0.07pt)でした。
内定率の推移
| 時点 | R7年3月卒 | R8年3月卒 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 10月末 | 68.6% | 67.6% | 前年同期比-1.0pt |
| 12月末 | 81.6% | 77.7% | 前年同期比-3.9pt |
| 3月末 | 96.4% | 98.0% | 前年同期比+1.6pt |
| 最終(6月末) | 97.4% | 99.0% | 就職希望者ほぼ全員 |
- •R7年3月卒:68.6%
- •R8年3月卒:67.6%
- •前年同期比-1.0pt
- •R7年3月卒:81.6%
- •R8年3月卒:77.7%
- •前年同期比-3.9pt
- •R7年3月卒:96.4%
- •R8年3月卒:98.0%
- •前年同期比+1.6pt
- •R7年3月卒:97.4%
- •R8年3月卒:99.0%
- •就職希望者ほぼ全員
出典:高知労働局「令和8年3月新規中学・高等学校・大学等卒業者就職内定状況(令和8年6月末現在)」(高知労働局)・「令和7年3月新規高等学校卒業者の就職内定状況(最終報告)」(高知労働局)
2. 四国4県・全国平均との比較
| 都道府県 | 高卒求人倍率(令和7年3月末) | 主要産業 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 香川県 | 4.28倍 | 食品・造船・石油化学 | 四国最高水準・製造業が牽引 |
| 愛媛県 | 3.75倍 | 紙パルプ・化学・造船 | 今治タオル・製紙で安定需要 |
| 徳島県 | 2.89倍 | LED・医薬品・木材 | 日亜化学工業等の大手が存在 |
| 高知県 | 2.61倍(労働局の最終値2.63倍・県内3.83倍) | 農林水産・建設・卸売小売 | 第三次産業77.6%・県内倍率が突出 |
| 全国平均 | 4.10倍 | — | — |
- •主要産業:食品・造船・石油化学
- •四国最高水準・製造業が牽引
- •主要産業:紙パルプ・化学・造船
- •今治タオル・製紙で安定需要
- •主要産業:LED・医薬品・木材
- •日亜化学工業等の大手が存在
- •主要産業:農林水産・建設・卸売小売
- •第三次産業77.6%・県内倍率が突出
- •主要産業:—
- •—
高卒求人倍率は厚生労働省「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」第3表(令和7年3月末現在)で4県をそろえて比較。厚生労働省
注目ポイント:高知県の全体の求人倍率は四国4県の中で最も低い水準ですが、県内求人倍率3.83倍は際立って高い数字です。県外企業からの求人が相対的に少ない一方、県内企業の人材需要は旺盛。つまり「県内で採用したい企業」にとっては全国平均以上に厳しい採用環境にあります。
3. 高知県の求人倍率を読み解く3つの構造
1. 県外流出率の高さが全体倍率を押し下げる
高知県では、大学等への進学で54.5%が県外に出るうえ、就職者でも約3割(31.8%)が県外へ就職します(高知労働局・令和7年3月卒)。20代の転出超過は年間-2,002人にのぼり、これは県内に残る就職希望者が少ないことを意味します。県外求人を含めた全体の倍率は2.63倍と穏やかに見えますが、県内企業同士で取り合う構造では3.83倍という実態です。
2. 第三次産業77.6%という産業構造
高知県の産業構造は第三次産業が77.6%を占め、卸売・小売業(6,038社、24.4%)と宿泊・飲食サービス業(3,830社、15.5%)が企業数の約4割を占めます。製造業の比率が低く(第二次産業18.3%)、大手メーカーによる大量一括採用が少ないのが特徴です。多くの中小サービス業が少数ずつ高卒人材を求めるため、マッチングの難易度が高くなります。
3. 人口減少のスピードが四国最速
高知県の人口は2025年4月に64.8万人と65万人を割り込み、過去最少を更新しました。年間1万1,279人ペースで減少しており、0-14歳人口は68,775人。出生数3,132人は過去最低水準です。四国4県の中でも人口減少率が最も高く、高卒採用市場の縮小は他県以上に急速に進行しています。
採用戦略への示唆:高知県はUターン希望者の62.1%が「条件に合う仕事の確保」を最重要条件に挙げています(高知県若年人口増加検討会資料)。県外に出た若者を呼び戻す施策と並行して、今いる高校生への早期アプローチが不可欠です。職場見学やインターンシップで「高知で働く魅力」を伝え、県外流出を食い止めることが採用成功の鍵になります。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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