福岡県の地域別・業種別高卒求人統計【2026年版】
令和7年3月卒 12月末時点データに基づく福岡県高卒採用市場の分析
福岡県の高卒採用市場は、令和7年3月卒の12月末時点で求人数21,180人・求人倍率3.83倍と高水準で推移しています(最終確定では3.98倍・21,314人)。本記事では、福岡労働局のデータに基づき、4地域別(福岡・北九州・筑後・筑豊)の求人動向と産業別の求人構成を分析します。自社の立地エリアや業種における市場ポジションを把握し、採用計画の策定にお役立てください。
地域別求人数(4エリア)
福岡県は大きく4つのエリアに分けられ、求人の規模・成長率・産業構成がそれぞれ異なります。福岡地域が全体の約47%を占め、前年比+12.0%と最も高い伸び率を示しています。
| 地域 | 求人数 | 前年比 | 構成比 | 主要産業 |
|---|---|---|---|---|
| 福岡地域 | 9,908件 | +12.0% | 46.8% | IT・商業・物流・サービス |
| 北九州地域 | 5,121件 | +1.4% | 24.2% | 鉄鋼・化学・自動車部品 |
| 筑後地域 | 4,525件 | +5.2% | 21.4% | 自動車・ゴム・食料品 |
| 筑豊地域 | 1,626件 | -0.7% | 7.7% | 自動車部品・建設・医療福祉 |
| 県合計 | 21,180件 | — | 100% | — |
前年比 +12.0%/構成比 46.8%
主要産業:IT・商業・物流・サービス
前年比 +1.4%/構成比 24.2%
主要産業:鉄鋼・化学・自動車部品
前年比 +5.2%/構成比 21.4%
主要産業:自動車・ゴム・食料品
前年比 -0.7%/構成比 7.7%
主要産業:自動車部品・建設・医療福祉
前年比 —/構成比 100%
出典:福岡労働局(令和7年3月卒/12月末時点)
注目ポイント:福岡地域の+12.0%増が際立ちます。福岡市・春日市・大野城市などの都市部で、IT関連企業や物流拠点の拡充に伴う求人増加が顕著です。一方、筑豊地域は産炭地からの産業転換途上にあり、自動車部品・医療福祉への移行が進んでいます。筑後地域は久留米市を中心にブリヂストン関連のゴム産業や食品製造が底堅い求人を維持しています。
産業別求人数
福岡県の高卒求人は製造業が最大ですが、建設業・卸売小売業も大きな割合を占めており、産業構成が多様なのが特徴です。
| 産業 | 求人数 | 前年比 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 製造業 | 4,854件 | -0.5% | 自動車・鉄鋼・食料品が中心 |
| 建設業 | 4,304件 | +8.5% | 都市再開発・インフラ更新で需要増 |
| 卸売・小売業 | 約4,000件超 | 2桁増 | 福岡都市圏の商業活性化 |
| 医療・福祉 | 1,960件 | -3.2% | 高齢化に伴う慢性的な人手不足 |
自動車・鉄鋼・食料品が中心
都市再開発・インフラ更新で需要増
福岡都市圏の商業活性化
高齢化に伴う慢性的な人手不足
出典:福岡労働局。卸売・小売業は最終確定で4,086件・前年比+17.3%(時点により数値が異なります)。
産業別新規求人動向(2025年7月/対前年度比)
解禁直後の7月時点での新規求人動向は、業種ごとの採用意欲を最もリアルタイムに反映します。増加業種と減少業種で二極化が鮮明になっています。
増加業種
自動車部品・食品加工の採用増
地銀・信金の高卒枠拡大
物流2024年問題によるドライバー需要
IT・人材サービスの拡大
減少業種
コロナ後の反動減・人件費高騰
7月時点では減。12月末累計では+8.5%に転換
微減ながら慢性的な人手不足は継続
注意:7月時点の新規求人動向と12月末時点の累計求人数は異なる指標です。建設業は7月時点で-8.8%でしたが、12月末累計では+8.5%に転じています。年度後半に求人が追加されたためで、採用計画の策定には両方のデータを参照してください。
4地域の詳細分析
福岡地域(9,908件・+12.0%)
福岡市・春日市・大野城市・筑紫野市・太宰府市・糸島市などを含む福岡都市圏。県全体の約47%の求人が集中。
- •IT・情報通信:福岡市のスタートアップ支援策により、IT企業の集積が加速。高卒テクニシャンの需要増。
- •商業・物流:天神ビッグバンによる商業施設増加、博多港・福岡空港を拠点とする物流需要。
- •サービス業:インバウンド需要の回復に伴うホテル・飲食の求人増加。
北九州地域(5,121件・+1.4%)
北九州市・中間市・遠賀郡などを含む工業都市圏。八幡製鉄所の流れを汲む素材産業が基盤。
- •鉄鋼・金属:日本製鉄・TOTOなど大手メーカーの安定的な採用需要。
- •化学:北九州エコタウンを中心とした環境関連産業の成長。
- •自動車部品:日産自動車九州(苅田町)の関連サプライチェーン。
筑後地域(4,525件・+5.2%)
久留米市・大牟田市・柳川市・八女市・筑後市などを含む地域。ものづくり産業の集積地。
- •自動車:トヨタ自動車九州(宮若市近接)関連のサプライチェーン企業。
- •ゴム・タイヤ:ブリヂストン久留米工場を中心としたゴム産業クラスター。
- •食料品:筑後平野の農産物を活かした食品加工業。
筑豊地域(1,626件・-0.7%)
飯塚市・田川市・直方市・嘉麻市などを含む地域。旧産炭地からの産業転換が進行中。
- •自動車部品:トヨタ自動車九州・日産の下請け企業が進出。
- •建設業:インフラ更新に伴う建設需要。
- •医療・福祉:高齢化率が高く、介護人材の需要が慢性的に高い。
職種別有効求人倍率(参考:2026年1月)
高卒専用ではなく全年齢の有効求人倍率。職種ごとの人手不足度合いの参考に
| 職種 | 有効求人倍率 | 備考 |
|---|---|---|
| 保安 | 4.25倍 | 警備・防災関連で慢性的な人手不足 |
| 建設・採掘 | 4.06倍 | 建設現場の技能者不足が深刻 |
警備・防災関連で慢性的な人手不足
建設現場の技能者不足が深刻
出典:福岡労働局「一般職業紹介状況」(2026年1月)※全年齢対象
高卒採用への示唆:保安職・建設職は全年齢でも4倍超の人手不足です。これらの職種で高卒人材を確保するには、入社後の資格取得支援やキャリアパスの明示が不可欠です。
まとめ
- •福岡地域への一極集中:県全体の47%の求人が福岡地域に集中。特にIT・商業・物流で+12.0%増と採用競争が激化。
- •産業構成の多様性:製造業4,854件を筆頭に、建設業4,304件、卸売小売業も大きく伸び、幅広い業種で高卒需要が旺盛。
- •業種間の二極化:製造業・金融が大幅増の一方、宿泊飲食は大きく減少し、業種間で明暗が分かれている。
自社の立地エリアと業種における採用環境を正確に把握し、地域特性に合った採用戦略を立てることが重要です。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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