福岡県の高卒求人倍率推移【2026年版】
3.98倍・過去最高の背景と九州各県との比較
福岡県の高卒求人倍率は、令和6年度(令和7年3月卒)最終で3.98倍に達し、比較可能な1987年度以降で過去最高を更新しました。求人数21,314人に対し求職者数はわずか5,361人、内定率は99.1%です。福岡県は県内総生産約20兆円・九州経済の約4割を占める産業集積地であり、製造業・建設業・卸売小売業を中心に高卒人材への需要が旺盛です。一方、求職者数は2018年度の約6,900人をピークに減少が続いており、「需要増×供給減」の構造が求人倍率を押し上げています。
求人倍率の推移(確定データ)
福岡労働局発表の確定値と速報値
| 時点 | 求人数 | 求職者数 | 求人倍率 | 内定率 |
|---|---|---|---|---|
| 令和6年度最終(確定) | 21,314人 | 5,361人 | 3.98倍 | 99.1% |
| 令和7年3月卒(12月末速報) | 21,180人 | 5,530人 | 3.83倍 | 87.9% |
求人 21,314人/求職 5,361人/内定率 99.1%
過去最高(1987年度以降で最高)
求人 21,180人/求職 5,530人/内定率 87.9%
12月時点の途中経過
出典:福岡労働局・日本経済新聞(2025年5月)。令和6年度最終=令和7年3月卒の確定値、12月末速報は同年度の途中経過です。
ポイント:福岡県の高卒求人倍率は、年度の途中(12月末)で3.83倍、最終確定で3.98倍まで上昇しました。求人が高水準で推移する一方、求職者が減り続けているため、年度を追うごとに倍率が切り上がる構造になっています。
求職者数の長期トレンド
福岡県の高卒求職者数は、2018年度の約6,900人をピークに減少傾向が続いています。2020年度以降は5,000人台で推移しており、少子化と大学進学率の上昇が影響しています。
| 年度 | 求職者数 | 備考 |
|---|---|---|
| 2018年度(H30) | 約6,900人 | ピーク水準 |
| 2020年度(R2)以降 | 5,000人台 | 減少傾向が定着 |
| 令和6年度最終 | 5,361人 | 確定値 |
| 令和7年3月卒(12月末) | 5,530人 | 速報値(前年同期比+169人) |
ピーク水準
減少傾向が定着
確定値
速報値(前年同期比+169人)
構造的な変化:2018年度に約6,900人いた求職者が、5年間で5,300人台まで約23%減少しました。少子化の進行と大学進学率の上昇が主な要因です。求人数は21,000人超で高止まりしているため、倍率の上昇基調が続いています。
九州各県・全国平均との比較
福岡県の高卒求人倍率3.98倍は全国平均3.70倍を0.28ポイント上回り、九州7県の中でもトップ水準です。九州各県も人手不足を背景に高い倍率が続いていますが、福岡県は産業集積の厚みで突出しています。各県の正確な最新倍率は各県労働局の発表値をご確認ください。
| 都道府県 | 主要産業 | 採用市場の特徴 |
|---|---|---|
| 福岡県 | 自動車・鉄鋼・食料品・建設 | 九州最大の産業集積地。求人倍率3.98倍は九州トップ水準 |
| 佐賀県 | 食品・窯業・IC関連 | 県内就職率が高く、福岡都市圏への通勤就職も多い |
| 長崎県 | 造船・観光・水産 | 離島部の人材確保が課題 |
| 熊本県 | 半導体(TSMC)・農業・食品 | TSMC進出で採用需要が急増中 |
| 大分県 | 化学・鉄鋼・自動車部品 | 大分臨海工業地帯が牽引 |
| 宮崎県 | 食品・農業・電子部品 | 農業関連の採用需要 |
| 鹿児島県 | 食品・農業・観光 | 広域分散型の採用市場 |
福岡県
主要産業:自動車・鉄鋼・食料品・建設
九州最大の産業集積地。求人倍率3.98倍は九州トップ水準
佐賀県
主要産業:食品・窯業・IC関連
県内就職率が高く、福岡都市圏への通勤就職も多い
長崎県
主要産業:造船・観光・水産
離島部の人材確保が課題
熊本県
主要産業:半導体(TSMC)・農業・食品
TSMC進出で採用需要が急増中
大分県
主要産業:化学・鉄鋼・自動車部品
大分臨海工業地帯が牽引
宮崎県
主要産業:食品・農業・電子部品
農業関連の採用需要
鹿児島県
主要産業:食品・農業・観光
広域分散型の採用市場
全国平均の高卒求人倍率:約3.70倍(厚生労働省・令和6年度)。九州各県の最新倍率は各県労働局の発表をご参照ください。
求人倍率が高い理由3つ
1. 自動車・鉄鋼を核とする製造業の厚い集積
福岡県の製造品出荷額は約10.6兆円で、輸送機械が約27.8%・鉄鋼が約11.8%・食料品が約10.5%を占めます。トヨタ自動車九州・日産自動車九州など完成車メーカーが立地し、関連するサプライチェーン企業が広く高卒人材を求めています。産業別の高卒求人でも製造業が4,854件と最多です。
2. 少子化による求職者数の構造的減少
福岡県の高卒求職者は2018年度の約6,900人をピークに減少し、現在は5,000人台で推移しています。約23%の減少です。大学進学率の上昇も加わり、就職市場に出てくる高校生が年々減少する「構造的な供給不足」が倍率を押し上げています。
3. 建設・卸売小売など幅広い業種での採用需要拡大
福岡県では製造業だけでなく、建設業(4,304件・前年比+8.5%)や卸売・小売業(前年比2桁増)でも高卒求人が大幅に増加しています。福岡市を中心とした都市再開発やインバウンド需要の回復が、業種横断的な人手不足を加速させています。
2030年予測シミュレーション
以下は推計値であり、確定値ではありません。経済状況や政策により変動します。
福岡労働局の過去データと国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口をもとに試算すると、現状のトレンドが続いた場合、2030年の福岡県高卒求人倍率は4.5〜5.0倍まで上昇すると推計されます。
| 年度 | 求人数(推計) | 求職者数(推計) | 倍率(推計) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2027(R9) | 約21,500人 | 約5,200人 | 約4.1倍 | 現状維持シナリオ |
| 2028(R10) | 約22,000人 | 約5,000人 | 約4.4倍 | 少子化加速シナリオ |
| 2030(R12) | 約22,500人 | 約4,500人 | 約4.5〜5.0倍 | 人口減少本格化 |
求人 約21,500人/求職 約5,200人(推計)
現状維持シナリオ
求人 約22,000人/求職 約5,000人(推計)
少子化加速シナリオ
求人 約22,500人/求職 約4,500人(推計)
人口減少本格化
※ 推計値は福岡労働局の過去データと国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」に基づく試算です。
採用戦略への示唆:福岡県は九州唯一の転入超過県(2023年+4,387人)ですが、若年層は東京圏への流出が続いています。求職者数のさらなる減少が見込まれるため、今から採用ブランディング・学校との関係構築・インターンシップなど長期的な採用基盤を構築することが企業の競争力につながります。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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