福井県 医療・介護・福祉の高卒採用
介護有効求人倍率 4.13 倍――極端な人手不足市場で生活福祉科をどう取り込むか
福井県の高卒就職者の5.8%(68 人)が医療・福祉に進みます(令和 5 年 3 月卒)。県内就職率は約 96%。一方で福井県の介護分野有効求人倍率は4.13 倍(2025 年 11 月時点)と極端な人手不足。高卒採用だけでこの需要を埋めるのは不可能です。
本記事は、福井県の医療・介護・福祉事業者向けに、限られた高卒採用層(特に奥越明成・福井農林の生活福祉科)をどう取り込むか、ふくいジョブステーションをどう使うか、入社後の介護資格取得導線をどう設計するかをまとめます。
1. 福井県 医療・介護・福祉の採用市場
| 指標 | 数値 | 意味 |
|---|---|---|
| 高卒就職者の医療・福祉比率 | 5.8%(68 人) | 製造業 46.4% に比べ大幅に少ない |
| 県内就職率 | 96% | 介護人材は地元定着率が極めて高い |
| 介護分野有効求人倍率 | 4.13 倍 | 全産業 1.44 倍を大幅に上回る。極端な人手不足 |
| 3 年以内離職率(全国・医療福祉) | 49.2% | 2 人に 1 人が辞める。定着策が決定的 |
製造業 46.4% に比べ大幅に少ない
介護人材は地元定着率が極めて高い
全産業 1.44 倍を大幅に上回る
2 人に 1 人が辞める
出典: 福井県教育庁「進路実態調査」 / 福井労働局「労働市場ニュース」 / 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」
2. 医療・介護・福祉のターゲット高校
医療・福祉の本格訪問先は「生活福祉科」「生活情報科」を持つ高校が中心です。介護福祉士養成の課程との連動もあり、訪問の優先順位は明確です。
| 高校・学科 | 所在地 | 採用ターゲット |
|---|---|---|
| 奥越明成高校 生活福祉科 | 大野市 | 介護・福祉の基礎を学ぶ。奥越エリア施設・嶺北・嶺南施設からの求人が集中 |
| 福井農林高校 生活福祉科 | 福井市 | 福井市・坂井市の施設の主要訪問先。介護資格の基礎科目あり |
| 美方高校 生活情報科 | 若狭町 | 若狭・敦賀エリアの施設訪問先 |
| 普通科高校全般 | 県内各地 | 就職希望者の中に医療・福祉志望が一定数。新規開拓校として有望 |
ターゲット:介護・福祉の基礎学習。県内全エリアから求人集中
ターゲット:福井市・坂井市施設の主要訪問先・介護資格基礎科目
ターゲット:若狭・敦賀エリアの施設訪問先
ターゲット:医療・福祉志望者が一定数・新規開拓余地
3. 医療・介護・福祉の中小施設が打つべき 5 つの手
介護資格取得の「時間軸」を求人票に明記
高卒入社後、介護職員初任者研修(旧ヘルパー 2 級)→ 実務者研修 → 介護福祉士国家試験のロードマップは明確です。「1 年目で初任者研修」「3 年目で実務者研修受講」「4 年目で介護福祉士受験資格取得」と時間軸で書けば、「下積み終了が見えない」不安を解消できます。
ふくいジョブステーションを採用窓口に活用
福井県人材確保支援センター(ふくいジョブステーション)は福井本店 + 敦賀・小浜のミニステーションで、介護・福祉人材のマッチング支援を提供しています。高卒採用の窓口としても活用でき、企業側の負担を軽減できます。
入社 1 年目の「重点フォロー」を仕組み化
医療・福祉の 3 年以内離職率は全国 49.2%。入社 1 ヶ月(GW 明け)・3 ヶ月(試用期間終了)・6 ヶ月(同期 SNS 焦り期)・1 年(後輩配属意識)の4 つの節目で必ず 1on1を実施。詳しくは <Link href="/kosotsusaiyo/fukui/retention" className="text-blue-600 hover:underline">早期離職防止ガイド</Link> で解説。
保護者向け施設見学会で「過酷さの誤解」を解く
介護・福祉の保護者の不安は「夜勤・体力・低賃金」のイメージ。実際の夜勤体制、勤務シフト、年収レンジ、資格取得後の昇給を施設見学会で具体的に見せる。「うちの子の働く場所」を見るだけで保護者の警戒は大幅に減ります。
生活福祉科への訪問は社長同行 + 年 4 回
奥越明成・福井農林・美方への訪問は年 4 回(4 月・7 月・10 月・1 月)+ 施設長または採用責任者の直接訪問。生活福祉科の先生は 「実習先として安心して送り出せる施設か」を強く意識します。実習受け入れの実績を作ることが最大の信頼構築になります。
4. よくある質問
Q. 介護分野有効求人倍率 4.13 倍は本当に採用が無理?
A. 極端に厳しい市場ですが、無理ではありません。高卒採用 + 大卒中途 + ふくいジョブステーション経由 + 外国人材を組み合わせるのが現実的です。高卒採用単独で全需要を埋めるのは困難ですが、生活福祉科からの新卒採用を毎年確保するルートを 3 年で確立できれば、人員計画が立ちます。
Q. 生活福祉科以外の高校は訪問する価値がある?
A. はい、新規開拓の余地が大きいです。普通科高校でも就職希望者の中に医療・福祉志望は一定数います。県内就職率 89.8% の高い地元定着率を考えると、地元施設にとっては「実家から通える地元の施設」が選ばれやすい。3 年継続訪問で関係が築けます。
Q. 高卒社員が介護福祉士の国家試験に挑戦できますか?
A. 高卒の場合、実務経験 3 年以上 + 実務者研修修了で介護福祉士国家試験の受験資格が得られます(厚労省ルート)。施設側でこの取得を全面支援する制度を作れば、「資格取得」が定着の最大要因になります。
Q. 医療・福祉の 3 年以内離職率 49.2% を下げる現実的な対策は?
A. 人間関係(先輩との対話)+ 夜勤体制の透明化 + 資格取得ロードマップの明示が 3 大対策です。特に入社後 1 ヶ月の GW 明け・3 ヶ月の試用期間終了時点での 1on1 は必須です。詳しくは <Link href="/kosotsusaiyo/fukui/retention" className="text-blue-600 hover:underline">早期離職防止ガイド</Link> で。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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