青森県の高卒求人倍率推移【2017〜2026年】
4.23倍の超売り手市場と隣接県比較分析
青森県の高卒求人倍率は、R8.3卒(2026年春卒業)の12月末時点で4.23倍と過去2番目の高水準を記録しました。県内求人数4,380人に対し、県内就職を希望する高校生は1,035人。4社以上が1人の高校生を取り合う「超売り手市場」が定着しています。一方、就職希望者数は1,838人と過去最少を更新しており、県外就職を希望する生徒も803人(前年比38人増)と増加傾向にあります。青森県の採用環境は、人口減少と県外流出という二重の圧力にさらされています。
1. 最新データ概況(R8.3卒 12月末時点)
青森労働局「新規高等学校卒業予定者の求人・求職状況」(R8.3卒 12月末現在)
| 項目 | 数値 | 前年比 |
|---|---|---|
| 県内求人倍率 | 4.23倍 | 過去2番目 |
| 県内求人数 | 4,380人 | -172人 |
| 就職希望者数(全体) | 1,838人 | -40人(過去最少) |
| 県内就職希望者数 | 1,035人 | -78人 |
| 県外就職希望者数 | 803人 | +38人 |
| 就職内定率(全体) | 88.5% | +1.9pt |
| 県内内定率 | 83.3% | +3.0pt |
| 県外内定率 | 95.1% | — |
出典:青森労働局 統計情報
注目ポイント:県内内定率83.3%に対し、県外内定率は95.1%と12ポイント近い差があります。県外の企業は採用活動が早く、待遇提示も明確なため、県内企業が後手に回っている可能性を示唆しています。
2. 求人倍率推移(確認済みデータ)
青森労働局が公表している求人倍率のうち、出典が確認できた年度のデータを掲載します。なお、R7.3卒は7月末時点、R8.3卒は12月末時点の数値であり、集計時期が異なる点にご注意ください。
補足:R7.3卒(2025年春卒)のデータは求人公開直後の7月末時点の数値(2.93倍)です。R8.3卒は12月末時点の数値(4.23倍)であり、時期の違いにより倍率差が大きく見えます。同時期での比較には、今後公表される確定値の確認が必要です。また、R6.3卒(2024年春卒)は就職率100%(県内外とも、26年ぶり)を達成しました。
3. 隣接県・全国平均との比較
青森県の求人倍率を隣接する東北各県および全国平均と比較します。青森県の4.23倍は東北地方の中でも突出した水準にあります。
| 都道府県 | 高卒求人倍率 | 主要産業 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 青森県 | 4.23倍(12月末) | 食品・非鉄金属・電子部品 | 過去2番目の高水準 |
| 岩手県 | 約2.5〜3.0倍(推定) | 自動車部品・半導体・食品 | 製造業集積地 |
| 秋田県 | 約2.5〜3.0倍(推定) | 電子部品・木材加工・食品 | 人口減少全国最速 |
| 宮城県 | 約3.0〜3.5倍(推定) | 自動車・半導体・食品 | 東北の広域拠点 |
| 全国平均 | 約3.70倍 | — | — |
※ 岩手・秋田・宮城の倍率は推定値です。正確な数値は各県労働局の公表を参照してください。
青森県の特殊性:青森県は全国平均を上回る4.23倍を記録していますが、有効求人倍率(全年齢・全職種)は1.11倍と全国平均1.19倍を下回っています。つまり「高卒だけが圧倒的に足りない」状況です。高校生の就職希望者数が過去最少を更新し続けていることが、倍率を押し上げている最大の要因です。
4. 求人倍率が高い理由3つ
1. 就職希望者数の記録的な減少
R8.3卒の就職希望者数は1,838人で過去最少を更新しました。青森県の中学校卒業予定者数は9,278人(2025年3月、前年比498人減)と急減しており、高校卒業段階で就職市場に出てくる生徒数の絶対量が縮小しています。少子化に加え、大学進学率の上昇も就職希望者減少の一因です。
2. 建設業・製造業を中心とした根強い求人需要
県内求人数4,380人のうち、建設業が1,070人、製造業が967人と2大産業で約半数を占めています。青森県は除雪・道路整備などのインフラ需要が常にあり、建設業の人材需要は景気に左右されにくい構造です。製造業も半導体関連(津軽地域)や非鉄金属(八戸地域)の求人が底堅く推移しています。
3. 県外流出の加速
県外就職希望者は803人で前年比38人増加しました。流出先は東京326人、宮城155人が上位を占め、賃金水準や都市部の生活への憧れが背景にあります。県内希望者1,035人に対して803人が県外を選ぶという構図は、県内企業にとって「県内に残る高校生」の争奪をさらに激化させる要因です。
5. 今後の見通しと企業がとるべき対策
青森県の18歳人口は2024年から2033年にかけて15.8%減少すると予測されています(全国平均7.8%の約2倍)。就職希望者数がさらに減少し、求人倍率は5倍を超える可能性も視野に入ります。
出典:18歳人口予測データ
採用活動の早期化
県外企業との競合が激化する中、7月の求人公開直後から学校訪問・職場見学を実施し、9月の選考開始までに関係を構築することが不可欠です。県外内定率95.1%という数字は、県外企業が素早く動いていることの証左です。
県内就職のメリットを具体的に訴求
「通勤時間が短い」「家族のそばで暮らせる」だけでなく、住居費の安さ、車通勤の自由度、地元での人間関係など、県内就職の具体的なメリットを数字で示しましょう。
保護者への情報発信
高校生の就職先選択には保護者の影響が大きく、「県内に良い企業がある」ことを保護者に認知してもらう取り組みが重要です。採用サイトに保護者向けページを設けるなどの工夫が求められます。
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