テンション上がるのって、どんなとき?
過去の体験を振り返って、エネルギーが上がる瞬間・下がる瞬間を見つけよう。「好き」の正体がわかると、仕事の探し方がガラッと変わります。

なぜこれが大事?
「やりたいことがわからない」——高校生の62.3%が進路に悩んでいるというデータがあります。でも、考えてもわからないのは当たり前です。あなたはまだ自分のことを「見える化」したことがないだけ。過去の体験の中に、ちゃんとヒントがあります。

「好き」の表面ではなく、奥にある「なぜ」がわかる
ゲームが好き、ではなく「ゲームの何が好きか」。攻略が好きなのか、仲間と遊ぶのが好きなのか、上手くなる過程が好きなのか。その「なぜ」がわかると、ゲームとは全然関係ない仕事の中にも、自分が夢中になれるものが見えてきます。

自分がどんな環境で力を出せるかがわかる
チームで動くと燃えるのか、一人で集中するのが好きなのか。みんなの前に立ちたいのか、裏方が心地いいのか。それを知っているだけで、「この職場、自分に合ってるかな?」を判断できるようになります。

言葉にできれば、人に伝えられるようになる
面接で「なぜこの仕事がしたいですか?」と聞かれたとき。家族に「なぜここに就職したいの?」と聞かれたとき。自分を知っている人の言葉は、ちゃんと届きます。「なんとなく」ではなく、自分の体験から語れるようになります。
やってみよう
10分あればできます。完璧じゃなくていい。ざっくりでOKです。スマホのメモ帳でも、紙とペンでも、何でも大丈夫。

紙を1枚用意して、線を2本引く
横にまっすぐ1本(時間の流れ)、縦に1本(テンションの高さ)。横の線は「小学校」「中学校」「高校」でざっくり区切っておきます。縦の線は上がプラス、下がマイナス。真ん中がゼロ。
テンションが上がった出来事を思い出して、点を打つ
部活の大会、文化祭の準備、友達と夜まで語った日、バイトで褒められた日、何でもOK。「楽しかった」「夢中だった」「達成感があった」——そういう瞬間を思い出して、時間軸の上の方に点を打ちます。
テンションが下がった出来事も書く
つらかったこと、やる気が出なかったこと、逃げ出したかったこと。これも大事な手がかりです。無理に思い出す必要はありませんが、「あのとき嫌だったな」が浮かんだら書いておきましょう。
それぞれの出来事に「なぜ?」を書く
「文化祭が楽しかった」→ なぜ?→「みんなで一つのものを作り上げたから」。「部活を辞めたかった」→ なぜ?→「自分の意見を言えない雰囲気だったから」。この「なぜ」が、自分を知るためのいちばん大事なステップです。
上がったときの「なぜ」に共通点がないか見る
「文化祭→みんなで作った」「バイト→チームで達成した」「部活の大会→一緒に練習した仲間」……あれ、全部「仲間と一緒に何かをやること」が共通している。それがあなたの「好き」の正体です。これがモチベーションの源泉。
やってみるとこうなる

バスケ部のAさん(高2・女子)
テンションが一番高かったのは、試合で勝ったときじゃなくて、文化祭でクラスの模擬店を準備したときだった。徹夜で看板を作って、みんなで配置を考えて、当日お客さんが「すごい!」って言ってくれた瞬間。
好きなのはバスケそのものより「みんなで何かを作り上げて、誰かに届くこと」だった。建設業やイベント企画、製造チームでも同じ気持ちになれるかもしれない。

コンビニバイトのBくん(高3・男子)
新商品が入荷したとき、店長に「棚割り、自分で考えていいよ」と言われた。売れそうな順番を考えて並べ替えたら、翌日「いい配置だね」って言われた。あの瞬間がいちばんテンション高かった。
好きなのは「自分で考えて工夫できること」だった。言われたことだけやる仕事より、裁量がある仕事のほうが自分は力を出せる。

帰宅部のCさん(高1・女子)
部活もバイトもやってないから「書くことない……」と思ったけど、小学校の自由研究で虫の生態を調べたときのことを思い出した。図鑑と実物を見比べて、ノートに絵を描いて、発表したらクラスのみんなが「へー!」って言ってくれた。
好きなのは「ひとつのことを深く調べて、わかりやすくまとめること」だった。部活やバイトの経験がなくても、ちゃんとヒントは過去にある。
気づきのポイント
「好き」は1つじゃなくていい。いくつかのパターンが見えてくることが多いです。「仲間と一緒にやるのが好き」と「一人で深く調べるのも好き」が両方あってもOK。
テンションが下がったところも同じくらい大事。「これは嫌だ」がわかると、避けるべき環境がわかります。嫌なことを知っているのも、立派な自己理解です。
完璧に描かなくて大丈夫。最初はざっくりでOK。後から「あ、あれもあった」と思い出したら書き足せばいい。何度やっても新しい発見があります。
これがキャリア選びにどう繋がる?
モチベーショングラフで見つけた「好き」の正体は、仕事選びのレンズになります。 このレンズを持って業界ガイドを読むと、今までとは違う見え方になるはずです。
たとえば「みんなで何かを作り上げるのが好き」なら、建設業や製造業のチームワークに注目してみてください。
「自分で考えて工夫できるのが好き」なら、IT業界の自由度の高さが気になるかもしれません。
「深く調べるのが好き」なら、どの業界にも専門性を積み上げる仕事があります。業界ガイド一覧から、気になるものを覗いてみてください。
大事なのは「この業界に入るべき」と決めつけることではなく、「自分はこういう視点で仕事を見ると、フィットするものが見つかりやすい」と知っておくこと。それだけで、選択肢の見え方がガラッと変わります。

このメソッドについて:モチベーショングラフ(ライフラインチャート)
ここでやったのは「モチベーショングラフ」と呼ばれる自己分析の手法です。「ライフラインチャート」とも呼ばれ、過去の体験からモチベーションの上がり下がりを可視化することで、自分の価値観や「やる気の源泉」を発見する方法です。
厚生労働省のキャリアコンサルティング技法としても公式に採用されており、プロのキャリアカウンセラーが日常的に使っているツールです。就職活動だけでなく、転職やキャリアチェンジの場面でも広く使われています。
この記事のデータ出典
日本の学校「高校生が今悩んでいることトップ5」アンケート調査(310人)
マイナビ進学総合研究所「高校生の進路意識と進路選択に関するアンケート調査」2024年(3,195人)
文部科学省 中央教育審議会 高等学校教育部会 配布資料「高校生の進路選択時の気持ち」
厚生労働省 キャリアコンサルティング技法(ライフラインチャート)
リクナビ就活準備ガイド「モチベーショングラフの書き方」
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キミスカ就活研究室「モチベーショングラフで自己分析!やり方解説」





