山形県の高卒求人倍率推移【2017〜2026年】
東北6県比較・4.13倍到達の背景分析
山形県の高卒の県内求人倍率(3月末)は、2017年の2.53倍から上昇基調が続き、令和6年3月卒で4.44倍と過去最高を記録しました。その後も令和7年3月卒4.13倍、令和8年3月卒4.17倍と4倍台の高水準を維持しています。この背景には、電子部品・食料品・化学工業を中心とする製造業の旺盛な採用需要と、少子化による就職希望者数の減少という2つの構造的な要因があります。
1. 求人倍率推移(2017〜2026年)
山形県 新規高卒の県内求人倍率の推移(各年3月卒の3月末現在。県内求人数÷県内就職を希望する求職者数。前年差は前年3月末との差)。出典:山形労働局「令和8年3月新規学校卒業者の職業紹介状況(3月末)」
| 年度 | 県内求人数 | 県内求職者数 | 求人倍率 | 前年差 |
|---|---|---|---|---|
| 2017(H29) | 5,292人 | 2,092人 | 2.53倍 | +0.20 |
| 2018(H30) | 5,711人 | 2,136人 | 2.67倍 | +0.14 |
| 2019(H31) | 6,438人 | 2,159人 | 2.98倍 | +0.31 |
| 2020(R2) | 5,911人 | 1,932人 | 3.06倍 | +0.08 |
| 2021(R3) | 5,271人 | 1,915人 | 2.75倍 | -0.31 |
| 2022(R4) | 5,651人 | 1,709人 | 3.31倍 | +0.56 |
| 2023(R5) | 6,490人 | 1,657人 | 3.92倍 | +0.61 |
| 2024(R6) | 6,305人 | 1,420人 | 4.44倍 (過去最高) | +0.52 |
| 2025(R7) | 5,796人 | 1,405人 | 4.13倍 | -0.31 |
| 2026(R8) | 5,627人 | 1,348人 | 4.17倍 (最新) | +0.04 |
県内求人数:5,292人 / 県内求職者:2,092人 / 前年差:+0.20
県内求人数:5,711人 / 県内求職者:2,136人 / 前年差:+0.14
県内求人数:6,438人 / 県内求職者:2,159人 / 前年差:+0.31
県内求人数:5,911人 / 県内求職者:1,932人 / 前年差:+0.08
県内求人数:5,271人 / 県内求職者:1,915人 / 前年差:-0.31
県内求人数:5,651人 / 県内求職者:1,709人 / 前年差:+0.56
県内求人数:6,490人 / 県内求職者:1,657人 / 前年差:+0.61
県内求人数:6,305人 / 県内求職者:1,420人 / 前年差:+0.52
県内求人数:5,796人 / 県内求職者:1,405人 / 前年差:-0.31
県内求人数:5,627人 / 県内求職者:1,348人 / 前年差:+0.04
出典:山形労働局「令和8年3月新規学校卒業者の職業紹介状況(3月末)」(県内求人数÷県内求職者数)
2. 東北6県・全国平均との比較
| 都道府県 | 高卒求人倍率 | 主要産業 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 山形県 | 3.17倍(県内基準 4.17倍) | 電子部品・食料品・化学 | 県内基準では令和6年3月卒の4.44倍が過去最高 |
| 秋田県 | 3.11倍 | 電子部品・木材・食品 | 人口減少率全国最大 |
| 岩手県 | 2.72倍 | 自動車・半導体・食品 | 北上地域に製造業集積 |
| 宮城県 | 3.66倍 | 食品・電子部品・自動車 | 仙台圏に求人集中 |
| 福島県 | 2.81倍 | 機械・化学・食品 | 復興需要あり |
| 青森県 | 2.47倍 | 食品・電子部品・エネルギー | 県外流出率が高い |
| 全国平均 | 4.12倍 | — | — |
主要産業:電子部品・食料品・化学
特徴:県内基準では令和6年3月卒の4.44倍が過去最高
主要産業:電子部品・木材・食品
特徴:人口減少率全国最大
主要産業:自動車・半導体・食品
特徴:北上地域に製造業集積
主要産業:食品・電子部品・自動車
特徴:仙台圏に求人集中
主要産業:機械・化学・食品
特徴:復興需要あり
主要産業:食品・電子部品・エネルギー
特徴:県外流出率が高い
主要産業:—
特徴:—
つまり
厚生労働省の同じ基準(求人数÷求職者全体、令和8年3月卒・3月末)で比べると、山形県は3.17倍で東北6県では宮城県(3.66倍)に次ぐ2位ですが、全国平均(4.12倍)は下回ります。一方、県内就職を希望する高校生に限ると4.17倍(山形労働局)で、企業にとっては1人の高校生を約4社で奪い合う「超売り手市場」です。
3. 求人倍率が高い理由3つ
1. 製造業を中心とする旺盛な採用需要
山形県の製造品出荷額等は3兆3,555億円で、電子部品(7,051億円・23.3%)、食料品(3,378億円・11.2%)、化学(2,942億円・9.7%)が主力です。東北エプソン(297億円)、日東ベスト(542億円)、でん六(274億円)など地元有力企業が高卒人材を積極的に採用しており、産業別新規求人では医療福祉が1,953人、製造業が1,493人と高水準です。
2. 少子化による就職希望者数の減少
山形県の人口は約97.9万人(2026年9月1日現在・山形県推計)で、年々減少が続いています。高校卒業者数も減少傾向にあり、就職市場に出てくる高校生が年々減っています。求職者数1,793人(2026年1月末)に対し求人数5,611人という大幅な供給不足が倍率を押し上げています。
3. 県外流出による県内人材のさらなる希少化
県内就職率は75.1%(令和8年3月卒・12月末時点の内定者に占める県内の割合、山形労働局)で、約4人に1人が県外に流出しています。さらに県外内定者が前年比14.1%増加しており、首都圏や仙台圏の企業が積極的に山形県の高校生を採用している状況です。県内企業にとっては、少ない就職希望者を県内企業同士だけでなく県外企業とも奪い合う三重苦の構図となっています。
4. まとめ|企業がとるべき対策
山形県の高卒求人倍率は4.13倍と東北トップクラスの水準にあり、今後も構造的な上昇傾向が続く見通しです。企業が取るべき対策は以下の3つです。
- 1早期の学校訪問:7月1日の解禁と同時に動き出し、工業高校12校・商業高校8校との関係を構築する。
- 2県内就職の魅力発信:新やまがた就職促進奨学金返還支援(最大124.8万円)を活用し、県外流出を防ぐ。
- 3インターンシップの活用:求人票だけでは伝わらない職場の魅力を体験してもらい、志望度を高める。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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