静岡県のインターンシップ活用ガイド

高卒採用につなげる職場体験プログラムの設計

静岡県は自動車・楽器・紙パルプ・食品加工と多彩な製造業が集積する「ものづくり県」であり、高卒就職者の約45%が製造業に就いています。この環境下で企業が高卒人材を確保するには、求人票を出すだけでは不十分です。インターンシップ(職場体験)を通じて自社の仕事を実感してもらい、「ここで働きたい」という意欲を引き出すことが、内定承諾率の向上と入社後のミスマッチ防止に直結します。

静岡県には、静岡市の高校生向けキャリア形成支援事業COURSE静岡(企業紹介冊子)浜松市のものづくり教育連携など、他県にはない独自のインターンシップ支援制度が充実しています。本記事では、これらの制度を最大限に活用しながら、高卒採用に結びつくインターンシッププログラムの設計方法を解説します。

約45%
製造業就職比率
高卒就職者のうち
13校
工業高校数
県内の県立工業高校
3種類
キャリア支援事業
静岡市が提供
85%超
インターン参加者の承諾率
非参加者約60%

1. 静岡市 高校生向けキャリア形成支援事業の活用

静岡市は高校生のキャリア形成を支援するため、3つのプログラムを包括的に提供しています。企業はこれらのプログラムに受入先として参加することで、高校生との接点を持ち、採用につなげることができます。

プログラム内容対象学年企業のメリット
職業人インタビュー社員が高校に出向き、仕事内容ややりがいを生徒に直接語る。質疑応答を通じて双方向のコミュニケーションが生まれる1〜2年生企業の認知度向上。早期から自社を知ってもらえる
インターンシップ実際の職場で1〜5日間の就業体験を行う。仕事の流れや職場の雰囲気を肌で感じてもらう2〜3年生採用に直結。体験した生徒の応募意欲が大幅に向上
社会人講話企業の経営者や社員が学校の授業の一環として講話を行う。業界動向やキャリアについて語る全学年企業ブランディング。業界全体への関心を高められる

活用のポイント:3つのプログラムは独立しているようでいて、実は連続的に活用することで最大の効果を発揮します。1年生で社会人講話を聞き、2年生で職業人インタビューに参加し、3年生でインターンシップを体験する ―― この流れで自社への関心を段階的に高めることが理想です。

出典:静岡市 高校生向けキャリア形成支援事業

2. COURSE静岡(企業紹介冊子)を採用活動に活かす

COURSE静岡は静岡県が発行する企業紹介冊子で、高校の進路指導室に配布されています。企業の事業内容・職種・社員インタビュー・福利厚生などが高校生向けにわかりやすく紹介されており、生徒が就職先を検討する際の重要な参考資料となっています。

COURSE静岡の活用方法

掲載企業として登録する

COURSE静岡への掲載は県内企業であれば申し込み可能です。求人票だけでは伝わらない企業文化・社員の声・職場写真を掲載でき、高校生と先生の両方にリーチできます。

学校訪問時にCOURSE静岡を話題にする

「COURSE静岡にも掲載していただいています」と伝えることで、先生に自社の存在を印象づけられます。掲載ページのコピーを持参するとさらに効果的です。

インターンシップとの連動

COURSE静岡で自社を知った生徒がインターンシップに参加する流れを作ることで、認知→体験→応募の導線が完成します。

3. 浜松市ものづくり教育との連携

浜松市はスズキ・ヤマハ発動機・河合楽器・浜松ホトニクスなどが本社を構える「ものづくりの街」です。市として次世代の製造業人材を育成するための教育プログラムに力を入れており、地元の中小企業がこの仕組みに参画することで、工業高校との接点を作ることができます。

連携できるプログラム

  • 工場見学受入:浜松工業高校や浜松城北工業高校の生徒を対象に、製造ラインの見学や技術デモを行う。学校のカリキュラムに組み込まれている場合もあり、先生と事前に打ち合わせを行うことが重要。
  • 出前授業:技術者が学校に出向き、最新の製造技術や品質管理の考え方を授業形式で伝える。自社の技術力をアピールしながら、生徒のものづくりへの関心を高められる。
  • コンテスト協賛・審査員参加:技能五輪の予選や高校生ものづくりコンテストへの協賛・審査員参加を通じて、優秀な生徒との接点を持つ。学校や教育委員会との関係構築にも有効。

浜松エリアの中小企業にとっての意義

浜松エリアではスズキやヤマハなど大手企業が高卒採用の中心ですが、これらの大手は自社の人材確保手段を豊富に持っています。一方、中小企業はものづくり教育への参画を通じて学校との関係を構築するしか、工業高校の生徒にアクセスする方法がありません。インターンシップは中小製造業にとって大手との差別化手段であり、生徒に「大手では経験できない幅広い業務」を体験させることが強みになります。

4. 業種別プログラム設計のポイント

静岡県の産業構造に合わせた業種別のインターンシッププログラム設計例を紹介します。

製造業向け(自動車・楽器・紙パルプ等)

日程午前午後
1日目会社説明・安全教育・工場見学ツアー製造ライン見学・若手社員との座談会
2日目実習:簡単な部品の組み立てまたは加工体験品質検査体験・測定器の使い方講習
3日目NC旋盤やロボットのデモ操作体験振り返りワーク・成果発表・修了式

設計のコツ:「自分の手で何かを完成させる」達成感が最大のポイントです。名前入りの金属加工品や自分で組み立てた小型部品など、持ち帰れるものを作る体験をプログラムに組み込むと、生徒の満足度と記憶への定着率が大幅に向上します。

食品加工業向け(静岡市・焼津市エリア)

  • 食品衛生・HACCP基礎講座:衛生管理の基本を体験形式で学ぶ
  • 簡単な加工体験:お茶のブレンドやパッケージング作業を体験
  • 品質管理体験:検品作業や温度管理のモニタリングを実体験
  • 新商品企画ワーク:チームで新商品のアイデアを考え、プレゼンテーション

サービス業・観光業向け(伊豆・熱海エリア等)

  • 接客ロールプレイング:実際の場面を想定した接客練習とフィードバック
  • バックヤード見学:ホテルや旅館の裏側の運営を知る
  • おもてなし体験:料理の配膳、客室のセッティングなど
  • 地域観光資源の学習:地元の魅力を語れるガイド体験

全業種共通のポイント:プログラムの比率は「説明3:体験7」を意識しましょう。座学ばかりでは退屈し、放置は不安を感じさせます。常に「手を動かす」「人と話す」時間を確保することが、満足度向上の鍵です。

5. 受入準備チェックリスト

インターンシップの成功は事前準備の質で決まります。以下のチェックリストを活用してください。

実施2〜3か月前

  • 受け入れ目的の明確化(採用直結型 or 認知度向上型)
  • プログラム内容・タイムスケジュールの策定
  • 指導担当者(メンター)の選定 ― 年齢の近い若手社員が理想
  • 学校への受入申し出・進路指導担当の先生と打ち合わせ
  • 傷害保険・賠償責任保険の加入確認

実施1か月前

  • 安全管理マニュアルの整備・危険箇所の洗い出し
  • 受入部署への周知・協力依頼
  • 名札・作業着・安全装備の準備
  • 生徒向け事前資料(持ち物・服装・集合場所)の作成・送付
  • 昼食の手配方法を決定

実施前日〜当日

  • 受入スペースのセッティング
  • 体験で使う材料・工具・備品の最終確認
  • 全社員への「インターン生が来ます」の周知
  • アンケート用紙・修了証の準備
  • 緊急連絡先リスト(学校・保護者)の確認

注意:NG行動

  • - 雑用ばかりさせる:コピー取りや掃除だけでは職業体験にならない
  • - 放置・ほったらかし:「見ておいて」と放置するのは厳禁
  • - 実質的な労働をさせる:教育目的を逸脱すると労働者とみなされる
  • - 危険な作業への従事:高校生に危険な作業は絶対に避ける

6. インターンシップから採用につなげるフォロー術

1

アンケートで生徒の声を収集

満足度・印象に残ったプログラム・改善点を聞き取り、次回の改善に活用する。率直な感想は最も貴重な情報源。

2

お礼状・修了証を学校経由で送付

参加してくれた生徒に手書きメッセージ付きの修了証を送る。企業の誠実さが伝わり、先生からの評価も高まる。

3

学校への報告・フィードバック

生徒の取り組み姿勢やポジティブな点を先生に報告する。この報告が翌年の推薦につながる。

4

SNS・社内報での発信

インターンシップの様子をInstagram等で発信。「高校生を大切に受入れている企業」というイメージが次年度の応募にプラス。

5

応募前職場見学への再招待

3年生のインターン参加者には正式な応募前職場見学を案内。すでに関係ができているため、スムーズに選考へ移行できる。

7. よくある質問

Q. 静岡市のキャリア形成支援事業にはどうやって参加できますか?

A. 静岡市の公式サイトから受入企業としての登録が可能です。職業人インタビュー・インターンシップ・社会人講話の3つのプログラムがあり、自社に合った形式で参加できます。詳細は静岡市のキャリア形成支援事業ページをご確認ください。

Q. COURSE静岡への掲載方法は?

A. COURSE静岡は静岡県が企画・発行する冊子です。掲載の募集時期は年度によって異なりますが、通常は年度前半に募集が行われます。静岡県の産業人材育成関連の窓口、またはハローワークに問い合わせることで最新の募集情報を得られます。

Q. インターンシップの実施時期はいつが最適?

A. 静岡県の高校では夏休み期間(7月下旬〜8月末)に実施するケースが最も多いです。工業高校では2学期中に実習期間を設けている場合もあります。採用に直結させたい場合は、3年生の応募前職場見学(6〜8月)を兼ねた形式が効果的です。

Q. インターンシップの受入にかかる費用は?

A. 教育目的のため賃金は発生しません。企業側の費用としては材料費・保険料・昼食代・指導者の人件費が主な項目です。人材開発支援助成金など公的支援制度の活用も検討しましょう。

まとめ|静岡県の独自制度を最大限に活用する

静岡県には他県にはないインターンシップ支援の仕組みが揃っています。成功のために押さえるべき3つのポイントを再確認しましょう。

  1. 静岡市のキャリア形成支援事業を段階的に活用する
    社会人講話→職業人インタビュー→インターンシップの3段階で自社への関心を育成し、3年生の応募につなげる。
  2. COURSE静岡とインターンシップを連動させる
    冊子で認知→インターンで体験→応募の導線を設計し、「知っている会社」から「働きたい会社」への変換を実現する。
  3. 浜松市のものづくり教育に参画する
    工場見学・出前授業・コンテスト参加を通じて工業高校との関係を構築し、大手企業との差別化を図る。

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