岡山県の高卒求人倍率推移【2021〜2026年】
広島・香川・鳥取・島根との中国四国地方比較分析
岡山県の高卒求人倍率は、令和7年7月末時点で2.57倍(全国35位)を記録しています。さらに注目すべきは、令和6年9月末に2.71倍(1991年度以降で最高値)を記録した点です。水島コンビナートを擁する製造業の根強い採用需要に加え、医療・福祉分野の人材不足が加速する岡山県では、高校生1人に2.5件以上の求人がある「企業にとって厳しい採用環境」が定着しつつあります。
求人倍率の経年推移
岡山県 新規高卒求人倍率(各年7月末時点・岡山労働局)。最終行は令和6年9月末の参考値。
| 年度 | 求人倍率 | 備考 |
|---|---|---|
| 令和4年3月卒(2022年) | 1.52倍 | コロナからの回復途上 |
| 令和5年3月卒(2023年) | 1.99倍 | 回復が本格化 |
| 令和6年3月卒(2024年) | 2.34倍 | 2倍台に定着 |
| 令和7年3月卒(2025年) | 2.57倍 | 全国35位・上昇継続 |
| 令和6年9月末(参考) | 2.71倍 | 1991年度以降の最高値 |
コロナからの回復途上
回復が本格化
2倍台に定着
全国35位・上昇継続
1991年度以降の最高値
中国・四国地方との比較
岡山県は中国地方5県の中では中位ですが、水島コンビナートという巨大な製造拠点を持つ点で産業構造が異なります。
| 都道府県 | 高卒求人倍率 | 主要産業 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 岡山県 | 2.57倍 | 石油化学・自動車・鉄鋼・医療福祉 | 水島コンビナートが求人を牽引 |
| 広島県 | 約3.0〜3.5倍 | 自動車(マツダ)・造船・鉄鋼 | 中国地方最大の工業出荷額 |
| 香川県 | 約2.5〜3.0倍 | 食品加工・造船・IT | 瀬戸大橋で岡山と一体の経済圏 |
| 鳥取県 | 約2.0〜2.5倍 | 電子部品・食品・農業 | 最少人口県・地元定着率が高い |
| 島根県 | 約2.0〜2.5倍 | 鉄鋼(たたら)・IT・農業 | UIターン施策に注力 |
| 全国平均 | 約3.7倍 | — | — |
石油化学・自動車・鉄鋼・医療福祉
水島コンビナートが求人を牽引
自動車(マツダ)・造船・鉄鋼
中国地方最大の工業出荷額
食品加工・造船・IT
瀬戸大橋で岡山と一体の経済圏
電子部品・食品・農業
最少人口県・地元定着率が高い
鉄鋼(たたら)・IT・農業
UIターン施策に注力
注目ポイント:岡山県の2.57倍は全国平均約3.7倍を下回りますが、令和6年9月末に2.71倍を記録したように上昇基調は明確です。水島コンビナートの素材産業に加え、医療・福祉分野の需要拡大が倍率を押し上げており、今後さらに採用環境が厳しくなる見通しです。
求人倍率が上昇を続ける3つの理由
1. 水島コンビナートを中心とした製造業の構造的な人材需要
倉敷市の水島コンビナートは製造品出荷額等約3兆2,104億円、245事業所・従業員25,061人を擁する西日本有数の工業地帯です。石油化学・鉄鋼・自動車部品の三本柱に加え、近年はカーボンニュートラル対応の設備投資が進み、現場を支える高卒技能人材への需要が途切れることがありません。
2. 高卒就職者の減少と大学進学率の上昇
岡山県の高卒就職者割合は全国平均を上回る水準ですが、大学進学率の上昇に伴い就職希望者数は減少傾向にあります。就職希望者数の分母が縮小する一方で求人数が高水準を維持しているため、倍率の上昇圧力が続いています。
3. 医療・福祉分野の急速な求人増加
岡山県は「医療の街」として知られ、岡山大学病院を頂点とする医療機関の集積度が高い県です。高齢化の進展に伴い、介護福祉士・看護助手・介護職員など医療・福祉分野の高卒求人が急増しています。産業別就職割合で医療・福祉は15.0%を占め、従来の製造業中心の構図から徐々に変化が生まれています。
2030年予測シミュレーション
以下の予測値は人口推計に基づく試算であり、確定値ではありません。岡山県の人口は2050年に約151万人(2020年比-20.0%)まで減少すると推計されており、高卒就職市場の縮小は避けられません。
| 年度 | 倍率(推計) | 想定シナリオ |
|---|---|---|
| 2027(R9) | 約2.7倍 | 製造業・医療福祉の需要継続 |
| 2028(R10) | 約2.9倍 | 少子化加速シナリオ |
| 2030(R12) | 約3.0〜3.2倍 | 転出超過・人口減少が継続 |
製造業・医療福祉の需要継続
少子化加速シナリオ
転出超過・人口減少が継続
採用戦略への示唆:岡山県は2023年に4,270人の転出超過(過去10年最多)を記録しており、若年層の県外流出が加速しています。県は2028年までに転入超過への転換を目標として掲げていますが、企業側は「待ち」の姿勢ではなく、学校との関係構築・職場見学の充実・採用ブランディングの強化を今から始めることが不可欠です。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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