長野県のインターンシップ活用ガイド
「ずく出せ修業」就業体験事業(89校・約5,000人参加)の活用法を徹底解説
長野県教育委員会が推進する「ずく出せ修業」就業体験事業は、県内89校・約5,000人の高校生が参加する大規模な就業体験プログラムです。「ずく」とは長野県の方言で「やる気・根気」を意味します。主に2年生を対象としており、企業がこの事業の受入先になることで、3年生になった際の応募につながる早期接点を構築できます。求人倍率2.95倍の長野県では、求人票を出す前段階の接点づくりが採用成功の鍵を握っています。
1. 「ずく出せ修業」就業体験事業の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主催 | 長野県教育委員会 |
| 参加校数 | 県内89校 |
| 参加生徒数 | 約5,000人 |
| 対象学年 | 主に2年生(一部1年生も参加) |
| 実施時期 | 夏休み期間(7月下旬〜8月)が中心。学校により2学期中に実施 |
| 期間 | 2〜5日間が標準 |
| 目的 | 勤労観・職業観の育成、地域産業への理解促進、進路選択の参考 |
| 企業の参加方法 | 学校の進路指導部または地域のハローワークを通じて受入登録 |
企業にとってのメリット:「ずく出せ修業」は採用直結型ではなく教育目的のプログラムですが、2年生が体験先の企業に3年生で応募するケースは珍しくありません。特に工業高校の機械科・電気科の生徒は、就業体験で実際の製造ラインに触れることで志望意欲が高まります。採用活動の1年前に接点を作れる貴重な機会です。
2. インターンシップ受入の5ステップ
受入の意思決定と社内体制の構築(4〜5月)
受入人数・期間・プログラム内容を決定する。安全管理責任者と指導担当者を明確にし、保険加入を確認。製造業の場合は安全教育カリキュラムの策定が必須。
学校への受入申し入れ(5〜6月)
近隣の工業高校の進路指導部に連絡し、受入可能であることを伝える。「ずく出せ修業」の受入先として登録したい旨を伝えると、学校側から歓迎される。ハローワークの新卒応援窓口でも受入に関する相談が可能。
プログラムの設計(6〜7月)
「見学だけ」にならないよう、体験要素を中心に据える。精密機械メーカーであれば測定器具の使い方体験、電子部品メーカーであればはんだ付け体験など、高校生が「自分がここで働くイメージ」を持てるプログラムを設計する。
就業体験の実施(7〜8月)
初日は安全教育とオリエンテーション。2日目以降は実際の作業を体験。若手社員をメンター役に配置し、高校生が質問しやすい環境を作る。最終日は振り返りの時間を設け、生徒の感想を聞く。
事後フォロー(8月以降)
学校にお礼の連絡をし、生徒の様子をフィードバックする。体験記録やアンケート結果を学校に共有。翌年の3年生になった際の応募前職場見学や学校訪問で、就業体験の話題を活用する。
3. 業種別プログラム設計例
長野県の主要産業に合わせたインターンシッププログラムの設計例です。3日間を標準モデルとしています。
精密機械・電子部品メーカー
- ✓1日目:安全教育 → 工場全体見学 → クリーンルーム体験
- ✓2日目:測定器具(マイクロメーター・ノギス)操作体験 → 品質検査補助
- ✓3日目:組立作業体験 → 先輩社員との座談会 → 振り返り
建設業
- ✓1日目:安全教育 → 現場見学(ヘルメット・安全帯着用体験)
- ✓2日目:測量体験 → CAD操作体験 → 建築模型づくり
- ✓3日目:施工管理の仕事紹介 → 若手社員との座談会 → 振り返り
食品製造業
- ✓1日目:安全教育・衛生管理教育 → 工場見学 → 製造ライン見学
- ✓2日目:包装・検品作業体験 → 品質管理(官能検査)体験
- ✓3日目:商品開発部門の紹介 → 試作品試食会 → 振り返り
情報通信・ソフトウェア
- ✓1日目:会社紹介 → プログラミング基礎体験
- ✓2日目:簡単なWebサイト制作体験 → チーム開発の模擬体験
- ✓3日目:社員の1日紹介 → IT業界のキャリアパス説明 → 振り返り
4. 受入時の安全管理と保険
保険加入は必須
「ずく出せ修業」の場合、学校側で傷害保険(学校教育活動中の事故を補償)に加入しているケースが一般的です。ただし企業側でも賠償責任保険の加入状況を確認し、万が一の事故に備えた体制を整えてください。独自のインターンシップの場合は、企業側で保険に加入する必要があります。
製造現場での安全確保
長野県は精密機械・電子部品の製造工場が多く、旋盤・プレス機・クリーンルームなど特殊な環境での体験が想定されます。高校生には必ず安全教育を実施し、危険な機械の操作は行わせないこと。体験は「見学 + 安全な補助作業」を基本とし、保護具(安全靴・保護メガネ・手袋)の貸与を徹底してください。
5. インターンシップと応募前職場見学の違い
| 項目 | インターンシップ(ずく出せ修業) | 応募前職場見学 |
|---|---|---|
| 対象学年 | 主に2年生 | 3年生(応募検討中の生徒) |
| 目的 | 勤労観・職業観の育成 | 応募先企業の判断材料 |
| 期間 | 2〜5日間 | 半日〜1日 |
| 内容 | 作業体験中心 | 見学・説明中心 |
| 時期 | 夏休み期間が中心 | 7〜8月(求人公開後) |
| 採用との関係 | 直接的な採用活動ではない | 応募に直結する重要プロセス |
| 企業のメリット | 翌年の応募につながる早期接点 | 生徒の志望度を確認できる |
戦略的な活用法:2年生のインターンシップと3年生の応募前職場見学を組み合わせることで、2年間にわたる接点を構築できます。インターンシップで好印象を持った生徒が、3年生になって応募前職場見学に来るという流れを作ることが理想です。
6. まとめ
長野県の「ずく出せ修業」就業体験事業は、89校・約5,000人の高校生が参加する全国的にも大規模な就業体験プログラムです。2年生の段階で自社に来てもらうことで、3年生の応募時に「知っている会社」としてのアドバンテージを得られます。求人倍率2.95倍の環境で、求人票だけに頼らない採用活動を展開するために、インターンシップの受入を積極的に検討してください。
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データ出典:
- 長野県教育委員会「ずく出せ修業(就業体験事業)」
- 長野労働局「令和8年3月新規高等学校卒業者の求人・求職・就職内定状況(12月末現在)」
- 厚生労働省「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」



