宮崎県の高卒早期離職防止・定着率向上ガイド
3 年以内離職率 37.9% を改善する具体策・メンター制度・キャリアパス明示
高卒就職者の3 年以内離職率は全国平均 37.9%(厚生労働省、令和 4 年 3 月卒・令和 7 年 10 月発表)。せっかくコストをかけて採用した人材が 3 年以内に約 4 割離職する現実は深刻です。
特に宮崎県は県外流出率約 37% と高く、「採用すること自体が困難」な中で離職されるダメージは他県以上に大きくなります。本記事では離職理由の分析から、宮崎県企業が取り組むべき定着率向上の具体策を解説します。
高卒者が辞める理由 TOP 3 と宮崎特有の要因
離職理由 1 位:職場の人間関係
18 歳の若者が親世代の上司と働く環境では、コミュニケーションギャップが生まれやすい。同期がいない場合は孤立リスクが高まります。
離職理由 2 位:労働条件への不満
宮崎県特有の要因として、SNS で福岡で働く友人の生活を見て「向こうの方が給料が良い」と感じるケースがあります。額面の比較ではなく生活コストを含めた実質収入で説明することが重要です。
離職理由 3 位:仕事内容のミスマッチ
「思っていた仕事と違う」というミスマッチ。求人票だけでは実際の仕事の内容は伝わりません。入社前のリアルな職場体験で期待値を調整することが重要です。
業種別の離職率(参考)
厚労省のデータでは、宿泊業・飲食サービス業が 64.7%、生活関連サービス業・娯楽業が 61.5%、教育・学習支援業が 53.6% と対人サービス系で離職率が高い傾向です。製造業は相対的に低い傾向ですが、宮崎県は食品製造業が多いため、SNS 比較や交代勤務の負担への配慮は欠かせません。
定着率向上の 5 つの施策
1. メンター制度の導入
OJT 担当とは別に、年齢が近い先輩をメンターとして配置。業務の悩みではなく日常的な不安を聞く「斜めの関係」が孤立を防ぎます。
- •入社 3〜5 年目の先輩が理想的
- •最初の 3 ヶ月は週 1 回・15 分の面談を推奨
- •メンター役にも傾聴スキル研修を実施
2. 定期的な 1on1 面談
上司と部下が 1 対 1 で「対話」する時間を定期的に設けます。業務報告ではなく対話であることがポイントです。
- •入社 3 ヶ月は週 1 回、その後は月 2 回
- •15〜30 分で十分
- •「困っていること」「やってみたいこと」を聞く
3. キャリアパスの見える化
「この会社で働き続けた先に何があるのか」を具体的に示します。
- •入社 1 年目〜10 年目のキャリアマップを作成
- •資格取得支援:受験費用全額負担・合格祝い金
- •高卒入社で管理職になった先輩の実例を紹介
- •半年ごとにスキルチェックシートで成長を実感させる
4. RJP(リアリスティック・ジョブ・プレビュー)
入社前に仕事の良い面だけでなく大変な面も正直に伝えることで、入社後のギャップを最小化します。
- •職場見学では通常の業務風景を見せる
- •30 分〜1 時間の簡単な作業体験を組み込む
- •「入社前に知りたかったこと」座談会の開催
5. 保護者との継続的な連携
18 歳の高卒社員にとって保護者の影響力は大きく、「辞めたい」と相談された保護者の反応が離職を左右します。
- •入社 1 ヶ月・3 ヶ月で保護者に手紙・報告書を送付
- •「できるようになったこと」を写真付きで共有
- •問題が深刻化する前に保護者と情報共有できる関係を構築
入社 1 年目の重点フォロー時期
GW 明けが最大の離職リスク。先手を打つチェックリスト
| 時期 | リスク | 本人の心理状態 | 必須アクション |
|---|---|---|---|
| 入社〜2 週間 | 高 | 環境激変ストレス「居場所がない」 | メンター紹介・毎日の声かけ・歓迎ランチ |
| 1 ヶ月(GW 前後) | 最高 | 五月病「やっぱり合わない」 | 1on1 面談継続・保護者への報告・小さな成功体験の承認 |
| 3 ヶ月 | 高 | 試用期間の区切り「成長していない」 | 本採用通知・成長の振り返り・次の目標設定 |
| 6 ヶ月 | 中 | 他社比較「友達の会社の方がいい」 | 昇給シミュレーション・キャリアパス面談 |
| 1 年目 | 中 | マンネリ化「このままでいいのか」 | 新しい業務アサイン・1 年間の成果発表 |
環境激変ストレス「居場所がない」
メンター紹介・毎日の声かけ・歓迎ランチ
五月病「やっぱり合わない」
1on1 面談継続・保護者への報告・小さな成功体験の承認
試用期間の区切り「成長していない」
本採用通知・成長の振り返り・次の目標設定
他社比較「友達の会社の方がいい」
昇給シミュレーション・キャリアパス面談
マンネリ化「このままでいいのか」
新しい業務アサイン・1 年間の成果発表
最重要:入社後 1 ヶ月が勝負
GW 前後が最大の離職リスク期間です。この時期のフォローが 3 年後の定着率を大きく左右します。GW 中に高校時代の友人と会って「比較」してしまうこと、4 月に必死で頑張った反動。この 2 つが重なります。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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