三重県の高卒採用 学校訪問完全マニュアル
愛知に負けない企業の先生との関係づくり
三重県の高卒求人倍率は3.06倍(令和7年3月末確定値)。求人数9,439人に対して求職者数は3,088人です。県内就職率は86.1%で、8割以上の高校生が県内に留まります。
しかし、三重県の企業にとっての最大の脅威は県内の競合ではなく、隣の愛知県です。愛知の求人倍率は4.82倍。名古屋まで近鉄で30分の北勢エリアでは、愛知企業が三重の高校に求人票を送り、初任給と休日数で引き抜きにかかります。この記事では、三重県の先生に「この会社なら生徒を任せられる」と信頼される学校訪問の方法を解説します。
1. 三重県で学校訪問が決定的に重要な理由
大卒採用と高卒採用の決定的な違いは、「学校(先生)」の介在度合いです。大学生がスマートフォンで自由に企業を探すのに対し、高校生の就職活動は学校の指導下で行われる「一人一社制」が基本。高卒就職者の約80%が、先生からの紹介や学校に届いた求人票の中から応募先を決めています。
三重県の先生が重視するポイント
三重県の進路指導の先生方は、「この会社に生徒を送っても大丈夫か」を判断する際に、以下の点を重視する傾向があります。
- •地元で長く働けるか — 転勤の有無、本社・工場が三重県内にあるか。愛知に本社がある企業は「いずれ転勤があるのでは」と懸念される
- •過去の定着実績 — その高校のOB・OGが在籍しているか。辞めずに続いているか。先生にとって最も信頼できる情報源
- •通勤の現実性 — マイカー通勤の可否、駐車場の有無。三重県は車社会であり、高校生は卒業後すぐに免許を取る前提で考える
三重県の一人一社制:11月1日から一人二社制に移行
三重県では9月5日の応募開始から10月末まで一人一社制が適用されます。11月1日以降に一人二社まで応募・推薦が可能に切り替わります。一人一社制の期間が長いほど、9月の一次選考の重要性が増します。なお、全国6府県(秋田・茨城・埼玉・大阪・和歌山・沖縄)では応募開始時から一人二社制を導入しています。日程は年度ごとの三重県高等学校就職問題検討会議の申し合わせで決定されるため、最新の日程はハローワークに確認してください。
2. 学校訪問の年間スケジュール(月別タイムライン)
学校訪問は「7月に行けばいい」ではありません。特に四日市工業・津工業のような人気校には多数の企業が訪問するため、4月からの関係構築が勝敗を分けます。
| 時期 | 訪問の目的 | 具体的なアクション |
|---|---|---|
| 4月〜5月 | 関係構築・情報収集 | 新年度の挨拶訪問。進路指導主事の異動を確認。前年度に採用したOB・OGの近況報告が最大の信頼材料。 |
| 6月 | 求人票準備・戦略立案 | ハローワークへの求人申込(6月1日〜)。訪問先の優先順位をエリア別に決定。求人票に「三重で働くメリット」を明記。 |
| 7月(最重要) | 求人公開・学校訪問解禁 | 7月1日に求人票公開と同時に学校訪問解禁。人気の工業高校は初週に訪問。求人票・会社案内・OBリストを持参。 |
| 8月 | 職場見学の受け入れ | 夏休み中の職場見学を受け入れ。高校生に「現場の空気」を体感させる最大のチャンス。 |
| 9月 | 選考開始 | 9月5日から応募書類受付。9月16日から選考開始。結果は7日以内に通知。一人一社制は10月末まで。 |
| 11月 | 複数応募解禁・追加募集 | 11月1日以降は一人二社制に移行。一次で充足できなかった場合の追加訪問。 |
| 12月〜3月 | 内定者フォロー・次年度準備 | 内定者への入社前研修案内。先生への採用報告と感謝。次年度に向けた関係維持。 |
新年度の挨拶訪問。進路指導主事の異動を確認。前年度に採用したOB・OGの近況報告が最大の信頼材料。
ハローワークへの求人申込(6月1日〜)。訪問先の優先順位をエリア別に決定。求人票に「三重で働くメリット」を明記。
7月1日に求人票公開と同時に学校訪問解禁。人気の工業高校は初週に訪問。求人票・会社案内・OBリストを持参。
夏休み中の職場見学を受け入れ。高校生に「現場の空気」を体感させる最大のチャンス。
9月5日から応募書類受付。9月16日から選考開始。結果は7日以内に通知。一人一社制は10月末まで。
11月1日以降は一人二社制に移行。一次で充足できなかった場合の追加訪問。
内定者への入社前研修案内。先生への採用報告と感謝。次年度に向けた関係維持。
3. エリア別 訪問すべき高校と競合環境
三重県は5エリアで産業構造が全く異なります。「自社の所在地に近い学校」だけでなく、「自社の職種にマッチする学科がある学校」をエリアを越えて選定しましょう。
北勢エリア(四日市・桑名・鈴鹿) — 最激戦区
四日市コンビナート(コスモ石油・東ソー)、キオクシア(半導体)、Honda鈴鹿製作所など超大手が集積するエリアです。これらの企業と同じ学校に求人票を出しても、中小企業は数百分の1にしかなりません。加えて愛知県の企業も求人票を送ってくるため、「大手にも愛知にも負ける」二重苦のエリアです。
| 学校名 | 学科 | 訪問のポイント |
|---|---|---|
| 四日市工業 | 物質工学・機械・電子機械・電気・電子工学・建築・自動車(7学科) | 県内最大の工業高校。大手との競合が最も激しい。早期訪問+OB情報が必須 |
| 四日市中央工業 | 機械・設備システム・電気・化学工学・都市工学(5学科) | 都市工学科は建設業の即戦力。測量士補・2級土木施工管理技士のサポートあり |
| 桑名工業 | 機械・電気 | 名古屋方面への流出リスクが最も高い。「地元で働くメリット」の訴求が特に重要 |
7学科(物質工学・機械・電子機械・電気・電子工学・建築・自動車)
県内最大の工業高校。大手との競合が最も激しい。早期訪問+OB情報が必須
5学科(機械・設備システム・電気・化学工学・都市工学)
都市工学科は建設業の即戦力。測量士補・2級土木施工管理技士のサポートあり
機械・電気
名古屋方面への流出リスクが最も高い。「地元で働くメリット」の訴求が特に重要
中勢エリア(津・松阪)
県庁所在地の津と、「松阪牛」で知られる松阪。行政・サービス・食品製造が中心で、北勢ほどの激しい大手競合はないが、地元志向が強く「安定した企業」を重視する傾向があります。
| 学校名 | 学科 | 訪問のポイント |
|---|---|---|
| 津工業 | 機械・電気・建設・電子 | 中勢エリアの製造業・建設業への供給源。地元企業との結びつきが強い |
| 松阪工業 | 機械・電気・自動車・繊維デザイン | 繊維デザイン科は県内唯一。松阪・多気エリアの製造業に強み |
| 相可高校 | 生産経済・食物調理・普通 | 「高校生レストラン」で全国的に有名。食品・飲食業は最優先で訪問すべき |
| 津商業 | 情報処理・ビジネス | ITスキルを持つ生徒が多い。事務職・IT関連の採用に |
機械・電気・建設・電子
中勢エリアの製造業・建設業への供給源。地元企業との結びつきが強い
機械・電気・自動車・繊維デザイン
繊維デザイン科は県内唯一。松阪・多気エリアの製造業に強み
生産経済・食物調理・普通
「高校生レストラン」で全国的に有名。食品・飲食業は最優先で訪問すべき
情報処理・ビジネス
ITスキルを持つ生徒が多い。事務職・IT関連の採用に
南部エリア(伊勢志摩・東紀州)
| 学校名 | 学科 | 訪問のポイント |
|---|---|---|
| 伊勢工業 | 機械・建築 | 南勢エリアの工業高校。建設業・機械加工への就職が多い。真面目な生徒が多く定着率が高い傾向 |
| 宇治山田商業 | 商業・情報処理 | 挨拶・マナー教育に定評。伊勢志摩の観光・サービス業への就職に強い |
| 尾鷲高校 | 普通・システム工学 | 東紀州エリア唯一の実業系学科。1学年約30名を全業種で取り合う。最も早い関係構築が必要 |
機械・建築
南勢エリアの工業高校。建設業・機械加工への就職が多い。真面目な生徒が多く定着率が高い傾向
商業・情報処理
挨拶・マナー教育に定評。伊勢志摩の観光・サービス業への就職に強い
普通・システム工学
東紀州エリア唯一の実業系学科。1学年約30名を全業種で取り合う。最も早い関係構築が必要
四日市工業の学科情報: 学校公式サイト
4. 訪問時に持っていくもの・伝えること
必ず持参するもの
- •求人票のコピー — 裏面に自社の強み(資格取得支援、昇給実績など)をメモ書きしておくと先生の記憶に残る
- •会社案内パンフレット — 写真が多く、職場の雰囲気が伝わるもの。高校生が見て「ここで働いてみたい」と思える内容
- •OB・OGリスト — その高校の卒業生が自社でどう活躍しているかの資料。先生にとって最も信頼できる情報源
- •名刺(多めに) — 受付用、進路指導主事用、学年担当用
先生に伝えるべき「三重で働くメリット」
愛知県の企業と初任給を1万円単位で比較されるのが三重県の現実です。しかし、数字だけの比較では勝てません。以下の「三重で働くメリット」を具体的に伝えましょう。
愛知の大手と差別化できる5つのポイント
- 1.転勤なし — 「三重県内の本社で一生働ける」は、愛知の大手にはない確約。先生も保護者も安心する
- 2.実家通勤可能 — 家賃ゼロで可処分所得が上がる。初任給が1万円安くても、生活費を差し引けば三重の方が手残りが多いケースがある
- 3.マイカー通勤+駐車場完備 — 三重は車社会。免許取得後すぐに通勤できる環境は、電車通勤の名古屋にはない快適さ
- 4.少人数だからこそ早くスキルが身につく — 大手では数年間ラインの一部しか任されない。中小では入社1年で多工程を経験できる
- 5.地元貢献の実感 — 「この地域のインフラを自分が支えている」という手触り感は、大企業の一員では得にくい
やってはいけないこと
- •アポなし訪問 — 多忙な先生の時間を奪う行為は致命的。門前払いされる可能性もある
- •「誰かいい子いませんか」 — どのような人物像を求めているか明確にせずに行くのは印象最悪
- •条件を即答できない — 給与・休日・残業時間を聞かれて曖昧に答える担当者は信頼されない
- •採用後の放置 — 採用した生徒が早期離職しても連絡しない企業には、二度と紹介は来ない
5. 訪問後のフォローで差がつく
訪問は「行って終わり」ではありません。訪問後のアクションが、他の数百社との差別化になります。
- •24時間以内の御礼 — メールまたは手紙で。「本日お話しした○○の件、社内で検討いたします」と会話の内容を盛り込む
- •追加資料の送付 — 先生が興味を持った話題(新入社員研修のカリキュラム、社内イベントの様子など)を後日郵送
- •先生向けの企業見学会の提案 — 生徒だけでなく先生自身に現場を見てもらう。先生が自分の言葉で生徒に自社を勧められるようになる
- •条件変更の即時報告 — 初任給ベースアップ・年間休日の増加など好条件への変更があった場合は、すぐに再訪問して伝える
よくある質問
Q:三重県の高卒採用で学校訪問はいつから始めるべきですか?
A:4月の新年度開始直後から関係構築を始めるのが理想です。進路指導主事が異動で交代している場合があるため、4〜5月に挨拶訪問を行い、7月1日の求人公開日に合わせて本格的な訪問を開始しましょう。
Q:三重県の一人一社制はいつまでですか?
A:三重県では9月5日の応募開始から10月末まで一人一社制が適用され、11月1日以降に一人二社まで応募・推薦が可能になります。日程は年度ごとに三重県高等学校就職問題検討会議の申し合わせで決定されるため、最新情報はハローワークに確認してください。
Q:愛知県の企業も三重の高校に求人を出してきますか?
A:はい。特に北勢エリア(四日市・桑名・鈴鹿)は名古屋への通勤圏であるため、愛知県の企業が三重の高校に求人票を送るケースは珍しくありません。三重県の高卒就職者の13.9%が県外に就職しており、その多くが愛知県です。愛知企業と同じ土俵で初任給を比較されるため、「三重で働くメリット」(転勤なし・実家通勤・地元貢献)を明確に伝えることが重要です。
Q:学校訪問でアポイントは必須ですか?
A:はい、必須です。三重県の工業高校は多数の企業が訪問するため、アポなし訪問は先生の時間を奪う行為として敬遠されます。電話は授業時間を避け、放課後(16:00〜17:00頃)にかけるのがマナーです。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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