高知県の若者流出とUターン採用
進学で54.5%が県外へ出る課題と企業ができる対策
高知県は全国で最も深刻な若者流出に直面しています。進学時の県外流出54.5%に加え、就職時の県外流出19.3%を合わせると、7割超の若者が高知県から離れていきます。20代の転出超過は年間-2,002人に達し、人口は64.8万人(65万人割れ)まで減少しています。
しかし、すべての若者が高知を離れたいわけではありません。Uターン希望者の62.1%が「条件に合う仕事の確保」を帰郷条件に挙げています。つまり、企業が適切な採用情報を発信し、支援制度を活用すれば、Uターン人材を獲得できる可能性は十分にあります。本記事では、高知県特有の若者移動パターンを分析し、移住支援金・奨学金返還支援など充実した支援制度の活用法とともに、実効性のある採用戦略を解説します。
1. 高知県の若者流出の実態データ
高知県の若者流出は「進学時」と「就職時」の2段階で進行しています。高校卒業後の進路を見ると、進学者の54.5%が県外の大学・専門学校へ進学し、就職者の19.3%(約230人)が県外企業に就職しています。この2つを合わせると、高校卒業時点で7割超の若者が高知県から出ていく計算になります。
県内就職割合68%の意味
高知労働局のデータによると、高知県の高卒就職者723人のうち493人(68%)が県内企業に就職しています。全国的に見ても県内就職率が低い部類に入り、高卒人材の約3割が採用段階ですでに県外に出ています。
| 項目 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 県内就職割合 | 68% | 723人中493人 |
| 求人倍率(全体) | 2.63倍 | R7年3月卒 |
| 県内求人倍率 | 3.83倍 | 県内企業間の競争が激しい |
| 就職内定率 | 97.4% | ほぼ全員就職可能 |
| 進学時の県外流出 | 54.5% | 大学・専門学校 |
| 就職時の県外流出 | 19.3% | 約230人が県外就職 |
| 20代転出超過 | -2,002人/年 | 深刻な若年人口流出 |
ポイント:高知県の「3重の課題」
高知県の人材確保が困難な理由は3つあります。(1) 進学時に54.5%が県外に流出し母数が減る、(2) 残った就職希望者の中でも19.3%が県外に流出する、(3) 県内に残った人材を県内求人倍率3.83倍の中で奪い合う、という三重苦です。人口64.8万人(年間-1.1万人減少)の中で、企業の採用戦略が問われています。
2. 県外流出のパターン分析:どこへ、なぜ出ていくのか
高知県から県外へ流出する若者は、主に大阪圏・東京圏・隣県(愛媛・香川)に向かいます。流出の要因を正確に把握することが対策の第一歩です。
進学時の流出(54.5%)
高知県内には大学が限られており(高知大学、高知県立大学、高知工科大学等)、学びたい分野が県内にない場合は必然的に県外に出ることになります。関西圏・中四国圏の大学への進学が多く、進学後にそのまま就職先を県外で見つけるケースが大半です。
就職時の流出(19.3%)
高卒就職者の約230人が県外に出ています。主な理由は「県内に希望する業種・職種がない」「都市部の方が給与水準が高い」「友人が都市部に出る」などです。特にIT・サービス業など、高知県内での求人が少ない業種は県外流出が顕著です。
| 流出先 | 主な要因 | Uターン可能性 |
|---|---|---|
| 大阪圏 | 進学先からそのまま就職、求人数が豊富 | 中程度(地元愛は強い) |
| 東京圏 | 大手企業への就職、給与水準の高さ | 低〜中(生活コスト差に気づくと戻る) |
| 愛媛・香川 | 四国内でより都市的な環境を求めて | 高い(距離が近く帰りやすい) |
| 岡山・広島 | 中四国ブロックの拠点都市への流出 | 中程度(交通の便による) |
3. 企業ができるUターン・地元定着の具体策
62.1%のUターン希望者が「条件に合う仕事の確保」を帰郷条件に挙げています。企業側から積極的にアプローチすれば、Uターン人材の獲得は十分に可能です。
対策1:在学中の接点づくり(インターンシップ)
高校1〜2年生のうちから自社を体験してもらい、「高知で働く選択肢」を意識させます。3年生の就職活動時に「知っている企業」として想起されることが目標です。また、県外に進学した大学生に対しても、帰省シーズン(お盆・年末年始)にインターンシップや工場見学を実施し、Uターン就職の選択肢を提示しましょう。
対策2:保護者への情報提供
保護者が「県内に残ってほしい」と思っていても、具体的にどの企業が良いか分からないケースが多いです。保護者向けの会社案内を作成し、「地元企業で働くメリット」「移住支援金や奨学金返還支援」など具体的なメリットを伝えましょう。
対策3:Uターン情報の発信
県外の大学に進学した高知県出身者に向けて、SNSや自社サイトでUターン求人情報を発信します。「こうち奨学金返還支援事業(返還実績の2/3、年間10〜30万円、最大6年間)」や「移住支援金(世帯100万円/単身60万円)」を求人情報に明記することで、経済的なメリットを訴求できます。
対策4:地元企業の魅力可視化
「高知にはまともな企業がない」という誤解を解くことが重要です。技研製作所は世界シェアトップクラスの建設機械メーカー、旭食品は売上5,609億円の食品卸売大手、カメラのキタムラは売上898億円のカメラ専門店チェーンなど、高知県には優良企業が多数あります。中小企業も含め、地元企業の魅力をSNSや採用サイトで積極的に発信しましょう。
ポイント:高知県の強みは「自然環境の豊かさ」「生活コストの安さ」「地域コミュニティの温かさ」です。これらは都市部で働く若者が3〜5年で実感する不満(通勤ストレス・高い家賃・人間関係の希薄さ)の裏返しでもあります。Uターン採用では「高知で暮らす豊かさ」を伝えることが、給与差を超える決め手になります。
4. 高知県のUターン・移住支援制度を採用に活用する
高知県は全国トップクラスの移住支援制度を整備しています。これらを求人票や採用サイトに明記することで、Uターン人材からの応募を増やせます。
| 支援制度 | 支給額 | 採用での活用法 |
|---|---|---|
| 移住支援金 | 世帯100万円/単身60万円 | 求人票に「移住支援金対象企業」と明記 |
| こうち奨学金返還支援事業 | 返還実績2/3(年間10〜30万円、最大6年) | Uターン求人に「奨学金返還支援あり」と記載 |
| UI孫ターン支援事業費補助金 | 高知市独自の補助金 | 高知市の求人に「UI孫ターン補助金対象」と記載 |
| UIターン交通費等助成 | 面接・見学の交通費支援 | 「交通費は県の助成制度あり」と案内 |
| 高知家で暮らし隊 | 無料会員制度(移住情報提供) | 移住検討者への情報源として紹介 |
まとめ:高知県の若者流出は深刻ですが、「出たい」のではなく「仕事がないから出る」が実態です。Uターン条件の62.1%が「仕事の確保」である以上、企業が適切な情報を発信し、移住支援金(世帯100万円/単身60万円)やこうち奨学金返還支援事業を活用すれば、人材獲得の道は開けます。まずは高卒採用で地元人材を確保しつつ、中長期的にはUターン採用の仕組みを構築しましょう。
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データ出典:
- 高知労働局「高校新卒者の求人・求職・内定状況」(令和7年3月卒)
- 総務省「住民基本台帳人口移動報告」
- 高知県「高知県人口ビジョン」
- 高知県「移住・定住促進施策」



