【医療・福祉向け】神奈川県の高卒採用ガイド
求人1,267人(+10.8%)・高齢化が進む神奈川県で医療・介護人材をどう確保するか
神奈川県の医療・福祉の高卒求人数は、令和8年3月卒で1,267人(前年比+10.8%)と増加しています。人口920万人を超える神奈川県は、団塊の世代が全て75歳以上になる時期を経て、介護需要が拡大しています。特に横浜市・川崎市の都市部では高齢者数の絶対数が大きく、介護施設の新設や在宅介護サービスの拡充が進められています。一方で、東京都への人材流出やサービス業との人材争奪戦が激しく、高卒人材の早期確保が経営課題です。本記事では、看護・福祉系高校3校からの採用戦略を中心に、神奈川県の医療・福祉業界における高卒採用の実践ガイドを解説します。
神奈川県 医療・福祉の高卒採用市場
神奈川県の医療・福祉の高卒求人は1,267人(令和8年3月卒・7月末)で、前年比+10.8%と伸びています。製造業・建設業・卸売小売業に次ぐ求人規模であり、今後の高齢化を背景にさらに需要が拡大していく分野です。看護助手・介護助手・医療事務など、資格がなくても始められるポジションが中心で、高卒人材の重要な受け皿となっています。
介護分野は全国的に人材不足が深刻で、神奈川県も例外ではありません。横浜・川崎の都市部では高齢者の絶対数が大きく、施設の新設も続いています。「働きながら資格を取れる」環境を訴求できるかどうかが、就職先として選ばれる決め手になります。
採用環境のポイント
医療・福祉は製造業やサービス業との人材争奪に加え、東京都の医療機関・介護施設への人材流出という課題を抱えています。「資格取得費用の法人負担」「処遇改善の実績」「段階的な夜勤導入」など、高校生と保護者の不安を一つずつ解消する情報提供が、採用成功の鍵です。
福祉・看護系高校3校の特徴と採用戦略
神奈川県には福祉・看護系の学科を持つ高校が3校あり、医療・福祉業界への高卒就職の中核を担っています。これらの高校は卒業後の進路が「就職」と「看護・福祉系専門学校への進学」に分かれるため、「働きながら資格を取れる」環境を訴求することが就職選択の決め手になります。
| 高校名 | 所在地 | 学科 | 訪問優先度 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 二俣川看護福祉高校 | 横浜市旭区 | 看護科・福祉科 | S | 県内でも数少ない看護科。看護助手・介護職員としての就職実績多数 |
| 横須賀南高校 | 横須賀市 | 福祉科 | S | 三浦半島エリアの介護施設への就職パイプが強い |
| 津久井高校 | 相模原市緑区 | 福祉科 | A | 県央・相模原エリアの福祉施設への就職に強い |
横浜市旭区 / 看護科・福祉科
県内でも数少ない看護科。看護助手・介護職員としての就職実績多数
横須賀市 / 福祉科
三浦半島エリアの介護施設への就職パイプが強い
相模原市緑区 / 福祉科
県央・相模原エリアの福祉施設への就職に強い
出典: 神奈川県教育委員会
補足:介護職は無資格で始められるため、福祉系学科のない普通科高校からの採用も十分に可能です。進路担当の先生に「福祉に興味がある生徒がいたら紹介してほしい」と伝えておくことで、潜在的な候補者にリーチできます。
高卒から目指せる医療・福祉のキャリアパス
医療・福祉業界の高卒採用において、高校生と保護者が最も気にするのは「この仕事に将来性はあるのか」「資格がなくてもできるのか」という点です。職種ごとに明確なキャリアパスを示すことで、不安を解消できます。
1. 介護職員:高卒 → 初任者研修 → 実務者研修 → 介護福祉士(国家資格)
高卒で介護施設に就職後、介護職員初任者研修を経て実務経験3年+実務者研修修了で介護福祉士の国家試験受験資格を得られます。最短21歳で国家資格取得が可能です。さらにケアマネジャーへのキャリアアップの道もあり、現場から管理者まで一貫したキャリアを描けます。
2. 看護助手:病院の看護チームを支える仕事
看護助手は国家資格不要で働き始められるため、高卒での就職が可能です。患者の移送、食事の配膳、病室の環境整備などを担います。働きながら准看護師の養成所に通い、准看護師 → 正看護師とキャリアアップする道もあります。病院が学費を負担する奨学金制度があれば大きな訴求ポイントになります。
3. 保育士補助:子どもの成長を支える仕事
保育所やこども園で保育士の補助業務を行う職種です。無資格でスタートし、働きながら保育士資格を目指せます。神奈川県は保育施設の整備が続いており、保育士補助の需要も高まっています。
4. 障害者支援員:多様な生き方を支える仕事
障害者支援施設や就労支援事業所で、利用者の生活支援や就労訓練のサポートを行います。高卒で入職後、実務経験を積みながら社会福祉士や精神保健福祉士の資格取得を目指すことも可能です。
5. 医療事務:病院の受付・会計を担う仕事
医療事務は資格不要で就業可能ですが、診療報酬請求事務の資格を持つと採用に有利です。PCスキルがあれば高卒でも即戦力として活躍でき、レセプト業務の専門性を身につけることで長期的なキャリアにつながります。
医療・福祉の高卒採用を成功させる5つの戦略
1. 「資格取得の費用は法人が負担」を前面に打ち出す
介護福祉士の実務者研修や看護師養成課程の学費を法人が負担する制度があれば、最大のアピールポイントになります。「専門学校に進学すれば学費がかかるが、うちに就職すれば給料をもらいながら同じ資格が取れる」というメッセージは、経済的な理由で進学を迷っている高校生に強く刺さります。
2. 処遇改善の実績を具体的な給与額で示す
介護職員の処遇改善は国の施策として進められており、処遇改善加算の取得状況や月額の上乗せ額を具体的に示しましょう。「入社1年目の月給○○万円、介護福祉士取得後は○○万円」と、キャリアステップごとの給与水準を明示することが信頼につながります。
3. 先輩職員の「入社3年目の1日」を見せる
医療・福祉の仕事は外から見えにくいため、高校生は仕事内容をイメージしにくい業界です。先輩職員の1日のスケジュールを写真や動画で見せることで、「自分もこうやって働くのだな」というリアルなイメージを持ってもらえます。利用者と笑顔で接する場面は特に効果的です。
4. 「夜勤なしコース」「日勤のみ」の働き方を用意する
夜勤への不安は高校生と保護者の双方にあります。入社後しばらくは日勤のみで経験を積み、本人の希望と習熟度に応じて夜勤をスタートするなど、段階的な働き方を提示しましょう。デイサービスや訪問介護であれば日勤のみの働き方も可能です。
5. 福祉系高校以外の普通科高校もターゲットに含める
介護職は無資格で始められるため、福祉系学科のない普通科高校からの採用も可能です。神奈川県は普通科高校の比率が高い県であり、進路担当の先生に求める人材像を伝えておくことで、潜在的な候補者にリーチできます。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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