【医療・介護・福祉向け】岩手県の高卒採用ガイド2026
高齢化率全国上位。広大な県土で医療・介護人材を確保するための実践策
岩手県の高齢化率は全国平均を上回り、特に沿岸部と県北部では医療・介護従事者の不足が深刻な課題となっています。岩手県は北海道に次ぐ広大な面積を持ち、医療施設・介護施設が地域に分散しているため、エリアごとの人材確保が必要です。岩手医科大学附属病院が矢巾町に移転し県央エリアの医療体制は充実しましたが、沿岸部・県北部では医療アクセスの確保自体が地域の存続に関わる問題です。高卒者が介護福祉士や看護助手としてキャリアをスタートし、資格取得を通じてステップアップしていく道筋を明確に示すことが、若手人材確保の鍵です。
エリア別の医療・介護人材の状況
| エリア | 医療・介護の特徴 | 人材確保の課題 |
|---|---|---|
| 県央(盛岡) | 岩手医科大学附属病院(矢巾町)が中核。大型病院・クリニック集積 | 求人は多いが競合も多い。差別化が必要 |
| 県南内陸 | 北上市・奥州市に総合病院あり。製造業からの転職も視野 | 製造業の高賃金との競合が課題 |
| 県南東(一関) | 一関市に医療機関が集中。宮城県北部と医療圏を共有 | 若年層流出の影響で慢性的な人材不足 |
| 沿岸(三陸) | 震災後に医療体制を再建。訪問看護・在宅介護の需要大 | 深刻な人材不足。移住支援との連携が必要 |
| 県北 | 久慈市・二戸市に地域中核病院あり。介護施設は各町に分散 | 県内で最も高齢化率が高く人材確保が困難 |
岩手医科大学附属病院(矢巾町)が中核。大型病院・クリニック集積
課題:求人は多いが競合も多い。差別化が必要
北上市・奥州市に総合病院あり。製造業からの転職も視野
課題:製造業の高賃金との競合が課題
一関市に医療機関が集中。宮城県北部と医療圏を共有
課題:若年層流出の影響で慢性的な人材不足
震災後に医療体制を再建。訪問看護・在宅介護の需要大
課題:深刻な人材不足。移住支援との連携が必要
久慈市・二戸市に地域中核病院あり。介護施設は各町に分散
課題:県内で最も高齢化率が高く人材確保が困難
出典: 岩手県公表資料・岩手労働局
高卒者が就ける職種とキャリアパス
医療・介護・福祉分野では、高卒からスタートして資格取得を通じてキャリアアップしていく道筋が明確です。入職時は無資格でも、実務経験と研修で段階的にスキルアップできる体制を整えている施設が多くあります。
| 職種 | 入職時の要件 | キャリアアップの道筋 |
|---|---|---|
| 介護職員 | 無資格OK(初任者研修が望ましい) | 初任者研修→実務者研修→介護福祉士(国家資格・実務3年) |
| 看護助手 | 無資格OK | 准看護師→看護師へのキャリアアップが可能な施設もあり |
| 医療事務 | 無資格OK(医療事務資格が有利) | 受付→レセプト業務→管理職へのステップアップ |
| 生活支援員 | 無資格OK | 障がい者施設・グループホームでの生活支援→管理者 |
| 調理補助 | 調理師免許は不要 | 給食調理→栄養管理→調理師免許取得のキャリアも |
要件:無資格OK(初任者研修が望ましい)
初任者研修→実務者研修→介護福祉士(国家資格・実務3年)
要件:無資格OK
准看護師→看護師へのキャリアアップが可能な施設もあり
要件:無資格OK(医療事務資格が有利)
受付→レセプト業務→管理職へのステップアップ
要件:無資格OK
障がい者施設・グループホームでの生活支援→管理者
要件:調理師免許は不要
給食調理→栄養管理→調理師免許取得のキャリアも
福祉系学科を持つ高校と訪問先
医療・介護・福祉分野の高卒採用では、福祉科・家庭科・総合学科(福祉系列)を持つ高校が最重要ターゲット。普通科からの就職者も一定数いるため、地域の普通科高校への求人票提出も重要です。
| 高校名 | 所在地 | 関連学科 | 就職の特徴 |
|---|---|---|---|
| 盛岡工業高等学校 | 盛岡市 | 工業化学科(広義の理系人材) | 医療関連の品質管理職等への就職もあり |
| 花巻農業高等学校 | 花巻市 | 食農科学科 | 食品・調理関連の福祉施設就職に対応 |
| 北桜高等学校 | 一戸町 | 家庭科 | 福祉施設・医療機関の生活支援職への就職 |
| 久慈翔北高等学校 | 久慈市 | 総合学科 | 福祉系列の生徒が介護施設に就職 |
| 各地域の普通科高校 | 県内各地 | 普通科 | 普通科就職者の中に医療事務・介護職志望者あり |
工業化学科(広義の理系人材)
医療関連の品質管理職等への就職もあり
食農科学科
食品・調理関連の福祉施設就職に対応
家庭科
福祉施設・医療機関の生活支援職への就職
総合学科
福祉系列の生徒が介護施設に就職
普通科
普通科就職者の中に医療事務・介護職志望者あり
出典: 岩手県教育委員会
医療・介護・福祉施設が高卒採用を成功させる5つの戦略
「介護福祉士取得を全面支援」を最大のアピールに
介護福祉士は実務経験3年+実務者研修で国家試験の受験資格が得られます。「実務者研修の費用は全額法人負担」「勤務時間内に研修に参加できる」「合格者には資格手当○万円/月」といった具体的な支援制度を求人票と職場見学の両方で強調しましょう。高卒入職3年目で国家資格を取得できるキャリアパスは大きな魅力です。
「人の役に立つ実感」をリアルなエピソードで伝える
医療・介護・福祉の仕事は「ありがとう」の言葉を直接もらえる仕事です。「入所者さんから手紙をもらった」「退院する患者さんに感謝された」といった先輩職員のリアルなエピソードは、どんな求人票の文言よりも高校生の心に響きます。職場見学では現場の雰囲気を直接感じてもらいましょう。
夜勤体制と働き方の選択肢を明示する
高校生と保護者にとって「夜勤」は最大の不安材料です。「入職1年目は日勤のみ」「夜勤なしのポジションも選べる」「夜勤手当は1回○円」など、働き方の選択肢を具体的に示しましょう。不安を解消する情報提供が「この施設なら安心」という信頼につながります。
沿岸・県北部では「地域医療を支える」使命感を訴求
沿岸部と県北部では医療・介護従事者の確保そのものが地域の存続に関わります。「あなたがいなければ地域のお年寄りの暮らしが成り立たない」という使命感は、単なる給与や待遇では得られない仕事の価値です。地域に根差した仕事のやりがいを伝えましょう。
「いわて若者移住支援金」とセットでUターン・Iターンを促進
沿岸部・県北部の施設は地元の高校卒業生だけでは人材が足りません。岩手県の移住支援金制度を活用し、県外からのU・Iターン就職者にも門戸を広げましょう。「移住支援金+住居手当+資格取得支援」のパッケージは、他県との採用競争で大きなアドバンテージになります。
よくある質問
Q. 岩手県の医療・介護分野の現状は?
A. 高齢化率は全国平均を上回り、特に沿岸部・県北部で人材不足が深刻です。岩手医科大学附属病院(矢巾町)が県央エリアの医療中核を担い、沿岸・県北では訪問看護・在宅介護の需要が拡大しています。
Q. 無資格で入職できる職種は?
A. 介護職員・看護助手・医療事務・生活支援員・調理補助はいずれも無資格で入職可能です。入職後の研修と資格取得支援が、人材確保と定着の鍵になります。
Q. 沿岸・県北の人材不足にどう対応すべきか?
A. 地元の高校卒業生だけでは充足できないため、「いわて若者移住支援金」を活用したU・Iターン採用を並行して進めるのが現実的です。住居手当・資格取得支援とセットでパッケージ化して訴求しましょう。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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