石川県のインターンシップ活用完全ガイド

高卒採用につなげる職場体験プログラムの設計

クスリのアオキHD・PFU・澁谷工業・EIZOなど有力企業が集積する石川県は、高卒人材の争奪戦が激しいエリアの一つです。求人倍率3.84倍(令和8年3月卒・7月末)で企業の6割超が「採用人数を確保できていない」という状況が続いています。

この激戦区で採用を成功させるために注目されているのが「インターンシップ(職場体験)」です。求人票の文字情報では伝わらない職場の雰囲気や仕事のやりがいを直接体験してもらうことで、生徒の志望度を大きく高め、内定承諾率の向上と入社後のミスマッチ防止に貢献します。

3.84倍
石川県 求人倍率
前年最終4.39倍(過去最高)
92.3%
県内就職率
全国有数の地元定着率
1,585人
高卒求職者数
求人数6,083人
6割超
採用未充足企業
人材確保が最大の課題

1. なぜインターンシップが高卒採用に効くのか

石川県の高卒採用市場では、6,083人の求人に対し求職者はわずか1,585人。企業の6割超が「採用人数を確保できていない」と回答しています。この状況下で「求人票を出すだけ」の受け身の姿勢では採用成功は見込めません。

石川県特有の事情:機械産業と復興需要

石川県は機械関連が製造品出荷額の約7割を占める「ものづくり県」です。さらに2024年1月の能登半島地震以降、建設業の求人が+19.2%増加しました。機械関連は前年比+13.6%増の1,221人と旺盛な採用意欲を示しています。県立工業(求人倍率7.38倍)・金沢市立工業(7.43倍)をはじめとする工業高校に多数の企業が求人を出しており、インターンシップで「実際に体験できる」機会を提供することが他社との差別化に直結します。

学校・先生との信頼関係構築

高卒採用では進路指導の先生の推薦が極めて重要です。インターンシップを通じて学校との継続的なパイプを作ることで、先生からの信頼を獲得し、翌年以降の安定した応募にもつながります。石川県はILAC(いしかわ人材育成推進機構)やジョブカフェ石川など、インターンシップを支援する公的機関も充実しています。

2. インターンシップの種類と期間(1日型・3日型・5日型)

形式期間実施時期内容・目的向いている企業
1日型(職場見学)1日6〜8月会社説明・工場見学・若手社員との座談会。応募前職場見学を兼ねることが多い。初めて受け入れる企業、人手が限られる中小企業
3日型(短期体験)2〜3日7〜8月座学+実務体験のバランス型。1日目は会社説明と見学、2日目は実務体験、3日目は振り返りと発表。機械・建設業など体験要素が豊富な企業
5日型(実習型)5日〜2週間夏休み・2学期本格的な実務体験。工業高校の実習授業と連携するケースも多い。生徒の適性を深く見極められる。工業高校と連携したい製造業、技術職採用企業

石川県の高校スケジュールとの調整ポイント:石川県の県立高校では夏休み期間(7月下旬〜8月末)にインターンシップを実施するのが一般的です。県立工業や金沢市立工業など規模の大きい工業高校は受け入れ先の確保に苦労することもあるため、早めのアプローチが有効です。ILACを通じた学校とのマッチングも活用しましょう。

3. プログラム設計のポイント(機械・建設業・サービス業別)

機械・製造業向けプログラム例(石川県の主力産業)

機械関連が製造品出荷額の約7割を占める石川県で最も需要の高いプログラムです。PFU(スキャナ)・澁谷工業(充填機)・EIZO(モニター)・ジェイ・バス(バス車体)など、世界的にも特徴のある製品を作る企業が多い石川県ならではの体験を設計しましょう。

日程午前午後
1日目会社説明・安全教育・工場見学ツアー製造ライン見学・若手社員との座談会
2日目実習:簡単な部品の組み立て・加工体験品質検査体験・測定器の使い方講習
3日目NC旋盤やロボットのデモ操作体験振り返りワーク・成果発表・修了式

ポイント:「自分の手で何かを完成させる」達成感をデザインしましょう。石川県は伝統工芸36品目を有する県でもあります。九谷焼や輪島塗の技術を応用した加工品など、石川県の強みを活かした体験プログラムは生徒の記憶に強く残ります。

建設業向けプログラム例

能登半島地震の復興需要により建設業求人が+19.2%増加した石川県では、建設業の担い手確保が喫緊の課題です。「きつい・危険」というイメージを払拭し、最新技術の魅力を伝えるプログラムが効果的です。

  • ドローン測量体験:ICT施工の面白さを実体験で伝える
  • BIM/CIM(3D設計)のデモ:パソコン上で建物の3Dモデルを操作する体験
  • 復興現場見学ツアー:能登の復興に携わる意義を実感できる現場見学
  • ベテラン職人との対話:技術の継承やキャリアパスについて語ってもらう

IT・サービス業向けプログラム例

石川県はIT産業も成長分野です。金沢市を中心にIT企業が集積しており、ドラッグストア最大手のクスリのアオキHDをはじめ小売・サービス業の求人も豊富です。

  • プログラミング・Web制作体験:簡単なWebページやアプリを制作(IT企業)
  • 接客ロールプレイング:実際の場面を想定した接客練習(小売業)
  • 店舗ディスプレイ企画ワーク:チームで企画を考案しプレゼン

全業種共通のポイント:プログラムの比率は「説明3:体験7」を意識しましょう。座学ばかりでは生徒は退屈し、放置は不安を感じさせます。常に「手を動かす」「人と話す」時間を確保することが満足度向上の鍵です。

4. 受入準備チェックリスト

実施2〜3か月前

  • 受け入れ目的・ゴールの明確化(採用直結型 or 認知度向上型)
  • プログラム内容・タイムスケジュールの策定
  • 指導担当者(メンター)の選定(年齢の近い若手社員が理想)
  • 学校への受け入れ申し出・進路指導担当の先生と打ち合わせ
  • 保険加入の確認(傷害保険・賠償責任保険)

実施1か月前

  • 安全管理マニュアルの整備・危険箇所の洗い出し
  • 受け入れ部署への周知・協力依頼
  • 名札・作業着・安全装備の準備
  • 生徒向け事前資料(会社概要・当日の持ち物・服装等)の作成
  • 昼食の手配方法の決定

実施前日〜当日

  • 受け入れスペース・会議室のセッティング
  • 体験で使う材料・工具・備品の最終確認
  • 全社員への「本日インターン生が来ます」の周知
  • アンケート用紙・修了証の準備
  • 緊急連絡先リスト(学校・保護者)の確認

注意:NG行動

  • - 雑用ばかりさせる:コピー取りや掃除だけでは職業体験になりません
  • - 放置・ほったらかし:「見ておいて」と放置するのは厳禁です
  • - 過度な業務負荷:高校生に長時間労働や危険な作業は絶対に避けてください
  • - 実質的な労働をさせる:教育目的を逸脱した場合、労働基準法上の「労働者」とみなされます

5. インターンシップから採用につなげるフォロー術

1

終了時アンケートで生徒の声を収集

満足度・印象に残ったプログラム・改善点を聞き取り、次回の改善に活用します。

2

お礼状・修了証の送付

参加した生徒には後日、お礼の手紙と修了証を学校経由で送付します。手書きのメッセージを添えると企業の誠実さが伝わります。

3

学校への報告・フィードバック

進路指導の先生に生徒の取り組み姿勢を報告します。ポジティブなフィードバックは先生からの信頼向上につながります。

4

いしかわ就活スマートナビでの発信

インターンシップの様子をいしかわ就活スマートナビや自社SNSで発信。「高校生を大切に受け入れている企業」の印象を広げましょう。

5

応募前職場見学への再招待

インターンシップに参加した3年生には正式な応募前職場見学への参加を案内し、選考プロセスへスムーズに移行させましょう。

6. よくある質問

Q. 石川県で高校生のインターンシップを受け入れるにはどうすればいい?

A. ハローワークや石川県教育委員会を通じて登録します。ジョブカフェ石川やILACに相談すると学校とのマッチング支援を受けられます。

Q. インターンシップの実施時期はいつが最適?

A. 夏休み期間(7月下旬〜8月末)が最も多いです。3年生の応募前職場見学(6〜8月)を兼ねた形式が採用直結型として効果的です。

Q. インターンシップの受け入れにかかる費用は?

A. 基本的に賃金は発生しません。材料費・保険料・昼食代・指導者の人件費が主な項目です。人材開発支援助成金の活用も検討しましょう。

Q. 能登エリアの高校生も受け入れられますか?

A. はい。能登エリアの七尾東雲高等学校は求人倍率約13倍と非常に高く、インターンシップ受け入れは差別化に効果的です。交通手段の確保や宿泊の支援が必要になる場合もあります。

まとめ

石川県の求人倍率3.84倍・企業の6割超が採用未充足という厳しい環境下では、インターンシップが他社との差別化を図る最有力の手段です。ジョブカフェ石川やILACの支援制度を活用し、いしかわ就活スマートナビでの情報発信と組み合わせることで、学校・先生との信頼関係構築と生徒の志望度向上を同時に実現しましょう。

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