広島県の若者流出とUターン採用戦略

人口270万人割れ時代に高卒人材を確保・定着させる方法

広島県の人口が269万9,796人となり、48年ぶりに270万人を割り込みました。中四国地方の中核都市である広島ですら、若年人口の減少に歯止めがかかっていません。高卒採用の現場では求人倍率4.33倍(全国6位)と企業間の人材獲得競争が熾烈を極めています。

一方で、高卒者の県内就職率は約88%と地元志向は依然として強い数字です。つまり広島県の企業にとっての課題は「高卒者の県外流出」よりも、「そもそも少ない高卒求職者をいかに自社に引きつけるか」と「大学進学で県外に出た若者をいかにUターンで呼び戻すか」の2点に集約されます。本記事では、Go!ひろしまの活用や奨学金返済支援制度など、広島県の企業が取るべき具体的な採用戦略を解説します。

約88%
高卒県内就職率
地元志向が根強い
4.33倍
高卒求人倍率
全国6位
269.9万人
広島県人口
48年ぶりに270万人割れ
10,650件
求人数
求職者2,292人

1. 広島県の若者流出の実態データ

広島県は中四国地方最大の都市圏を擁し、マツダ・中国電力・大創産業など大手企業の本社が立地しています。それでも東京圏・関西圏への若者流出が続いており、人口269万9,796人は48年ぶりの270万人割れです。

高卒県内就職率約88%の意味

広島県の高卒者の約88%は県内企業に就職しており、約12%が県外に出ています。県外就職の主な行先は東京圏と関西圏で、「都市の仕事に憧れる」「大手企業の本社で働きたい」という動機が中心です。

求人倍率4.33倍の超売り手市場

県内にとどまる高卒者を巡る企業間競争は極めて激しい状況です。求人数10,650件に対し求職者は2,292人。約8割の求人が充足されない計算であり、少子化による若年人口の絶対数の減少が根本原因です。

広島県高卒者の就職動向
項目数値備考
県内就職率約88%約12%が県外へ流出
求人倍率4.33倍全国6位(全国平均3.70倍)
就職率99.7%全国トップクラス
県人口269万9,796人48年ぶりの270万人割れ

ポイント:広島県の「本当の課題」は2つある

(1) 高卒者の絶対数が減少する中、求人倍率4.33倍の超売り手市場で自社を選んでもらうための差別化。(2) 大学進学で県外に出た広島出身者を、卒業後にUターンで呼び戻す仕組みづくり。この2つの課題に同時に取り組むことが、広島県企業の人材確保戦略の核心です。

2. 広島県内の人口移動パターン:広島市への集中と地方部の疲弊

広島県では、県外流出だけでなく県内での広島市圏への一極集中が地方部の企業にとって深刻な採用課題になっています。福山・呉・尾道・三次・庄原など県北部・東部の中小企業は、広島市圏との人材の奪い合いにも直面しています。

広島県内の主な人口移動パターン
流出元エリア流出先主な要因影響を受ける産業
県北部(三次・庄原)広島市圏商業施設・交通利便性・求人の多様性農林業・中小製造業・サービス業
呉・東広島広島市圏通勤利便性・商業施設造船・鉄鋼・自動車部品
福山・尾道・三原広島市圏・岡山新幹線沿線・大学進学鉄鋼(JFE)・造船・物流
県全域(大学進学時)東京・大阪・京都大学の選択肢・都市への憧れ全業種(Uターン対象)

福山エリアの特殊事情

福山市はJFEスチール西日本製鉄所を擁する鉄鋼の街です。岡山県との県境に位置するため、岡山市圏への人口流出も無視できません。福山エリアの中小企業にとっては、広島市圏だけでなく岡山市圏とも人材を奪い合う「三方面作戦」を強いられている状況です。

3. Uターン採用戦略:Go!ひろしまと奨学金返済支援を活用する

大学進学で東京・大阪に出た広島県出身者を呼び戻す「Uターン採用」は、高卒者の絶対数が減り続ける中で有効な人材確保策です。広島県はUIJターン支援制度が充実しており、企業がこれらを積極的に活用すれば、Uターン人材の獲得で競合他社に先行できます。

ステップ1:Go!ひろしまに企業情報を登録する

Go!ひろしまは広島県が運営するUIJターン支援サイトです。県外在住の広島出身者や広島に興味がある若者に向けて、就職情報・移住情報・生活情報を発信しています。企業は自社の情報を登録して、Uターン希望者にアプローチできます。帰省シーズン(お盆・年末年始)にはサイトのアクセスが増加するため、その時期に合わせた情報更新が効果的です。

ステップ2:奨学金返済支援制度の導入

広島県は「Go!ひろしま奨学金返済支援制度導入企業応援補助金」を設けており、奨学金返済支援制度を新たに導入する中小企業を最長3年度にわたって補助します。奨学金を抱えたUターン人材にとって「奨学金返済を会社が支援してくれる」ことは就職先選びの決定打になり得ます。

ステップ3:オンライン選考と交通費支援の整備

県外在住者にとって、面接のために広島まで戻る交通費と時間は大きな負担です。一次面接はオンラインで実施し、最終面接のみ来社としましょう。また、地方就職学生支援金(東京圏からの交通費支援)の制度を求人票に明記し、経済的ハードルを下げることが重要です。

ステップ4:広島の生活コスト優位性をアピール

東京と比較した場合、広島の家賃は大幅に低く、車があれば生活の自由度も高まります。「東京で手取り22万円(家賃8万円)」vs「広島で手取り19万円(家賃4万円+車持ち可能)」のように、可処分所得ベースでの比較を示すと説得力があります。

支援制度内容対象
Go!ひろしまUIJターン支援サイト(企業情報・移住情報発信)県外在住の広島移住希望者
奨学金返済支援制度導入企業応援補助金制度導入企業を最長3年度補助中小企業
地方就職学生支援金東京圏からの交通費支援東京圏在住の就職活動者
ひろしましごと館就職に関する総合相談窓口求職者全般
広島わかものハローワーク35歳未満向け就職支援若年求職者

4. 高卒人材の地元定着を促す企業施策5選

県内就職率約88%の高卒者を採用した後は、「辞めずに長く働いてもらう」定着施策が欠かせません。求人倍率4.33倍の広島県では、転職先の選択肢も豊富なため、入社後の定着対策を怠れば簡単に他社へ流出します。

1

待遇の継続的な見える化

広島県の高卒初任給は約202,000円ですが、初任給だけでなく「3年後の月収モデル」「5年後のキャリアパス」「10年後の役職と年収」を具体的に提示しましょう。大手企業と単純比較されないよう、住宅手当・家族手当・資格手当など各種手当込みの「実質年収」で訴求することが重要です。

2

ワークライフバランスの数値化と発信

Z世代の若者は「給与」と同等以上に「休みやすさ」「残業の少なさ」を重視します。年間休日数、月平均残業時間、有給取得率を数値で公開し、求人票や自社サイトで発信しましょう。広島はカープ観戦やしまなみ海道サイクリングなどレジャーが豊富な地域。プライベートの充実度をアピールできます。

3

地域コミュニティとの接点をつくる

県外から転勤してきた大手社員とは異なり、地元に根ざして働く中小企業の社員は地域コミュニティと深く関わっています。地元の祭り、消防団活動、カープ応援企画などを通じた社員同士のつながりは、若手社員の居場所づくりに直結します。

4

住宅支援・通勤支援で「広島に住み続ける理由」を提供

社員寮、借り上げ社宅、住宅手当は若手社員の定着に直結する支援です。特に呉・尾道・福山など広島市外の企業は、自社周辺に安価な住居を確保できれば、広島市圏の高い家賃との比較優位を示せます。マイカー通勤補助や駐車場無料も有効です。

5

スキルアップ支援で「ここで成長できる」実感を与える

人材開発支援助成金活用支援補助金(社労士経費の一部を広島県が補助)を活用し、計画的な研修プログラムを整備しましょう。資格取得支援(費用全額補助)、外部研修への派遣、ジョブローテーションなど、「この会社にいれば成長できる」という実感が離職を防ぎます。

まとめ:広島県の人口が270万人を割り込み、高卒求人倍率4.33倍という現実の中で、企業が取るべきアクションは明確です。県内の高卒人材には「ここで働く理由」を、県外にいるUターン候補には「広島に戻る理由」を、それぞれ具体的な数字と制度で提示すること。Go!ひろしまへの登録、奨学金返済支援制度の導入、求人票への支援制度の明記。できることから着手して、人材確保の打ち手を一つでも多く積み上げていきましょう。

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データ出典:

  • わーくわくネットひろしま(https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/work2/saiyou.html)
  • Go!ひろしま(https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hiroshima-uij/)
  • 広島県統計課「広島県の人口」
  • 厚生労働省「新規高卒者の求人・求職・就職内定状況」
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