成功の反対は失敗ではなく、

チャレンジしないこと。

三豊機工株式会社

代表取締役

舟橋 佳孝

Yoshitaka Funahashi

舟橋 佳孝のキャッチフレーズ
Q

これまで採用活動をされてきた中で、特に印象に残っている学生のエピソードはありますか?

とんでもない経歴を持つ学生がいましたね。一度道を外れてしまったような人物です。彼は非常に優秀な人間でしたが、彼の経歴だけで判断されるのは違うと思っていました。彼は今も立派に働いていますが、その過去が評価の足かせになってしまうのは残念なことです。 また、別のケースでは、中学時代から「悪」のレッテルを貼られてしまい、高校を中退した学生もいました。世間からは悪い人間としか見られていませんでしたが、彼も弊社で一生懸命頑張っています。また、弊社では障害者雇用を行っており、さまざまな業務を担っていただいていますが、業務の習得や指導には時間がかかってしまいます。しかし、一度教えてマスターしてくれれば、きっちり仕事をしてくれます。だから、時間はかかっても、彼らをきちんと指導し、認めてあげれば、どんどん成長してくれると信じています。 「こいつはだめだ」と最初から決めつけるのではなく、長く見守ることが大切だと考えています。

Q

コミュニケーション能力は、面接の段階でどのような点を見て判断されますか?

これまで、多くの学生が「御社はリーディングカンパニーで…」などと、素晴らしい言葉を並べてきます。しかし、「リーディングカンパニーとは何ですか?」と尋ねると、答えられない。根本を理解せずに対策だけしている印象です。また、「御社に将来性を感じます」と言われても、「あなたは何も知らないのに、どうして将来性を感じるのですか?」と疑問に思います。それなら、「自宅から近いから」と正直に言ってくれた方が良い。 そういった、飾らない本音を会話の中から引き出そうとしています。あまりにも作られた言葉や、デザインされた言葉ばかりでは、その学生自身の本質が見えません。相手に面白く伝えようという意欲や工夫が見える話し方を期待しています。

Q

学生がこれから社会で活躍していくために、企業としてどのようなサポートが必要だとお考えですか?

ただ、過保護になりすぎるのは良くありません。しかし、社員が声を上げられる環境は必要です。例えば、会社側が「生産性を上げろ」と言う。それに対し働く側は夏は暑く冬は寒い劣悪な環境で、古い設備を使っている。それで「成果を出せ」と言われても無理な話です。そんな時は、「この環境と設備では生産性は上がりません、それはおかしくないですか」などと、社員と企業が本音で議論できる環境であるべきだと思います。 弊社では設備投資には力を入れています。設備は10年経てば陳腐化します。初期投資を回収し、さらに稼ぐ力を生み出すものとして、10年経ったら次の最新設備に更新していくべきだと考えています。今の工作機械も10年経てば性能が全然違います。10年で投資を回収し、稼ぎ、そしてまた次の10年に向けて最新設備を導入する。これを繰り返すのが、企業としての健全な投資サイクルです。社員からしても、単に「古くなったから買い替えてほしい」と言うのではなく、「この部分が弱いから、ここをバージョンアップした機械が欲しい」と具体的な要望を上げてほしい。闇雲な投資ではなく、明確な意図を持った投資をすべきです。

Q

大切にされている言葉や座右の銘があれば、その言葉と理由を教えてください。

四字熟語で言うと「報恩感謝」です。人として忘れてはならない言葉だと思っています。人は一人では生きていけません。周りの人々に感謝し、その恩を忘れてはならない。特に受けた恩は絶対に忘れないことです。社員にも伝えているのは、お客様も仕入先様も会社に関わってくださっている方、全て同じ目線で接しなさいということです。仕入先様に対して買ってやっているんだという上から目線で接する事はありえません。材料を供給してくださる業者の方々がいなければ、会社は成り立たない。会社を支える全ての人々を、同じ目線で尊重し、対応することが大切です。

Q

「夢を持て」と言われても、自分のやりたいことが見つからないという学生も多いと思います。やりたいことを見つけるにはどうすれば良いでしょうか?

やはり、色々なことを経験することでしょう。あとは、人と人とのネットワークを広げること。様々な人に出会い、話を聞き、その中で自分で判断し、何がやりたいのかを見つけるのです。今の延長線上にあるものかもしれませんし、色々な経験を通じて見つけ出すこともあるでしょう。そこに自分の生きる道があるなら、どんな障害があっても挑むべきです。 自ら探しに行かなければ、見つかるものもありません。お客さんが何に困っているのか、世の中が何を求めているのか、それをよく見ることです。多くの人は、周りをよく見ていませんからね。 例えば、コンビニのロゴをよく見ていますか?セブン-イレブンのロゴの最後の「n」だけが小文字になっているのを知っていますか?多くの人が毎日目にしているのに、意外と気づかないものです。また、ローソンのマークが「ミルク缶」を模しているのを知っていますか?ローソンは元々、牛乳屋さんだったんですよ。さらに、ファミリーマートの「あなたとコンビニ」というキャッチフレーズも、よく考えてみると、変な日本語です。 このように、普段何気なく見ているものも、少し視点を変えてよく観察してみると、様々な発見があります。 そういった小さな発見からヒントを得て、何かを深掘りし、それに向かって行動することが大切です。

Q

最後に、これから社会に出ていく高校生に向けてメッセージをお願いします。

失敗してもいいから、どんどんチャレンジしてほしい。一度や二度失敗したくらいで人生が終わるわけではありません。自分の心に強く思い描くものがあるなら、恐れずに挑戦してください。成功の反対は失敗ではなく、「チャレンジしないこと」です。チャレンジしない人は失敗も経験しませんが、何も得ることもありません。そういった人生だけは送ってほしくないですね。

舟橋 佳孝

プロフィール

三豊機工株式会社

代表取締役
舟橋 佳孝

1965年(昭和40年)に愛知県で創業した三豊機工株式会社の代表取締役。品質を重視する方針により、敢えて日本国内のみで生産することとし、世界が欲しがる技術・世界に誇れるMade in Japanの三豊ブランドの実現を目指し、1991年(平成3年)に鹿児島工場を操業。高品質・高精度・高耐久性を併せ持ち、他社との差別化ができる競争力のある製品を造り続け、"戦わずして世界から選ばれる"経営戦略を展開。大切にしていることは「報恩感謝」。