静岡県の建設業が高卒人材を採れない理由と、
採れるようになる方法
求人2,754人・倍率5倍超。仕事は途切れないのに人が来ない
静岡県の建設業の有効求人倍率は5.24〜5.33倍。全産業平均の3.62倍を大きく上回ります。求人数2,754人、前年比+6.5%。仕事はある。むしろ増えている。南海トラフ地震への備え、東名・新東名の老朽化更新、工場建設——静岡県の建設需要は途切れる気配がありません。
なのに人が来ない。
「3Kだからでしょう」と言ってしまえばそれまでです。でも本当にそうでしょうか。実は、高校生本人よりも保護者が壁になっているケースが多い。「危ない」「体を壊す」「休みがない」——保護者のこの不安に、求人票の文字だけでは応えられません。
この記事では、静岡県の建設業が高卒人材を採れない本当の理由と、それを突破するための具体策を解説します。
高校生が建設業を選ばない本当の理由
保護者が反対する——これが最大の壁
高卒採用は学校推薦が基本です。生徒が「建設業に行きたい」と言っても、保護者が「危ないからやめなさい」と反対すれば、先生は無理に勧められません。
保護者が心配するのは具体的にこの3つです:
- •「危なくないの?」 — 高所作業・重機の近くで働くイメージ。安全管理体制がどうなっているか知らない
- •「体が持つの?」 — 真夏の炎天下、真冬の屋外作業。18歳の子供がやっていけるのか
- •「休みはあるの?」 — 土曜日も工事しているイメージ。友達と遊ぶ時間がなくなるのでは
これらの不安は「イメージ」であって「事実」ではない場合が多い。しかし、イメージを事実で上書きする機会がなければ、保護者の反対は覆りません。
先生が建設業を積極的に勧められない
進路指導の先生は、生徒の就職後の早期離職を最も恐れています。建設業の3年以内離職率は他業種と比較して決して低くはありません。先生にとって「この会社なら安心して送り出せる」と確信できる情報がなければ、自ら建設業を推薦することはありません。
逆に言えば、先生自身が現場を見て、安全管理体制と教育環境に納得すれば、推薦してくれるようになります。先生向けの工事現場見学会は、採用に直結する施策です。
静岡県の製造業と比較される
静岡県は製造品出荷額全国3位。浜松工業や科学技術高校の生徒には、スズキ・ヤマハ・浜松ホトニクスなど大手製造業の求人も届きます。建築科・土木科の生徒であっても、製造業の求人(空調完備の工場・福利厚生・知名度)と比較されることは避けられません。
「製造業よりいい」と張り合う必要はありません。建設業にしかない価値——自分が作ったものが地図に残る、地元の街を自分の手で作る——を伝えることが差別化です。
静岡県の建設業だけが持つ「最強のカード」
他県にはない、静岡県固有の建設需要
南海トラフ地震対策 — 「自分の家族を守る仕事」
静岡県は南海トラフ地震の想定震源域に位置しています。浜松市の防潮堤整備、沿岸部の津波避難施設、公共建築物の耐震補強——これらの工事は今後も長期にわたって続きます。「自分が作った防潮堤が、自分の家族を地震から守る」。これは他のどの産業にも言えない、建設業だけの価値です。求人票にも、高校生への説明にも、この使命感を前面に出してください。
東名・新東名高速道路のインフラ更新 — 仕事が途切れない
1969年開通の東名高速は50年以上が経過。橋梁・トンネル・路面の大規模修繕が増加中です。2012年部分開通の新東名を合わせると、静岡県内の高速道路インフラ工事は膨大。高校生に「この仕事は将来なくならない」と胸を張って言えます。
製造業連動の工場建設 — 製造品出荷額全国3位が生む建設需要
スズキ・ヤマハのEV化に伴う工場設備変更、食品工場のHACCP対応工事、製紙工場の設備更新——静岡県の製造業が強いからこそ、建設業にも仕事が生まれます。
建設系学科を持つ高校 — 最優先の3校
| 高校名 | 所在地 | 建設系学科 | 訪問のポイント |
|---|---|---|---|
| 浜松工業高校 | 浜松市 | 建築科・土木科 | 建築・土木の両学科を持つ県内唯一の高校。西部エリアの建設業就職の中核校。スズキ・ヤマハとの競合が激しいため、早期訪問が必須 |
| 科学技術高校 | 静岡市 | 建築デザイン科・都市基盤工学科 | 建築デザインと都市インフラの2系統。中部エリアの建設人材供給源。6学科の大規模校のため求人が埋もれやすい |
| 島田工業高校 | 島田市 | 都市工学科 | 都市工学に特化。志太榛原地域の土木・建設業への人材供給。大手の手が届きにくい穴場的存在 |
建築科・土木科
建築+土木の両方を持つ県内唯一。西部の中核校
建築デザイン科・都市基盤工学科
中部エリアの建設人材供給源
都市工学科
志太榛原の穴場。大手の手が届きにくい
東部エリアの注意
沼津・富士・御殿場エリアには建設系専門学科を持つ高校がありません。東部で建設人材を確保したい場合は、沼津工業高校(建築科あり)への訪問も検討してください。
出典:静岡県教育委員会「県立高等学校一覧」
保護者と先生を納得させる——具体的な採用戦略
「3Kイメージの払拭」ではなく「事実を見せる」
保護者向けの「安全データシート」を作る
保護者が最も気にするのは安全です。「安全管理を徹底しています」という言葉ではなく、数字で見せるのが効果的です。
- •「過去○年間の労災事故件数:○件」(ゼロなら堂々と書く)
- •「新入社員の安全教育:入社後○日間の座学研修を実施。現場配属前に○○の資格を取得」
- •「1年目は必ず先輩と2人1組で作業。単独作業は2年目以降」
- •「熱中症対策:空調服支給・30分ごとの水分補給休憩・WBGT計で暑さ指数を管理」
この「安全データシート」を内定通知と一緒に保護者に送付してください。保護者の不安が事実で上書きされれば、内定辞退のリスクが大幅に下がります。
先生を現場に招待する — 「百聞は一見」
先生が建設現場を見たことがなければ、建設業を推薦しようがありません。先生向けの現場見学会を年1回、夏休み中に開催してください。
- •ドローン測量や3Dスキャナーなど、ICT施工の現場を見せる
- •安全管理体制(朝礼・KY活動・安全帯の装着)を実際に見てもらう
- •若手社員(高卒入社OB/OGがいればベスト)に先生と直接話してもらう
先生が自分の目で確認した職場を生徒に勧めるのと、求人票の情報だけで推薦するのとでは、説得力がまったく違います。
「一生食える国家資格」を入社時に約束する
建設業の最大の差別化ポイントは国家資格です。2級土木施工管理技士、2級建築施工管理技士、2級建築士——これらは一度取得すれば一生通用する財産です。製造業にはこの種の「全国どこでも通用する資格」が少ない。
求人票と説明会で見せるべき数字
- •「受験費用:会社が全額負担」
- •「合格祝い金:○万円」
- •「資格手当:月額○万円(2級施工管理技士の場合)」
- •「実務経験○年で受験資格が得られる」
保護者にとっても「子どもが手に職をつけられる」は最大の安心材料です。「高卒でも国家資格を取って独立できる」という将来像は、大学進学に匹敵する説得力を持ちます。
週休2日の実態を正直に伝える
建設業の週休2日(4週8閉所)は業界全体の課題です。自社がどの程度実現しているかを正直に伝えてください。
- •完全週休2日を達成しているなら → 堂々と「完全週休2日制」と記載
- •まだ達成していないなら → 「現在4週6休。2027年度に4週8休(完全週休2日)を目標に取り組み中」と現状と目標の両方を書く
嘘を書くと入社後のギャップで離職します。正直に書いたうえで改善の意思を示す方が、先生と保護者の信頼を得られます。
「自分が作ったものが地図に残る」を見せる
製造業は工場の中で完結します。建設業は違います。自分が作った道路を毎日車が走っている。自分が建てた建物に人が住んでいる。自分が整備した防潮堤が街を守っている。
過去の施工実績を写真付きで見せてください。GoogleマップやGoogleストリートビューで「ここがうちが作った道路です」と見せるのも効果的です。高校生にとって「自分の仕事が形として残る」は、他の産業にはない強烈な動機付けになります。
よくある質問
Q. 建設業の高卒求人倍率はどのくらいですか?
A. 静岡県の建設・採掘の有効求人倍率は5.24〜5.33倍で、全産業平均(3.62倍)を大きく上回ります。高卒求人数は2,754人(全体の14.9%)。前年比+6.5%と増加が続いています。
Q. 建設系学科がない地域(東部)ではどうすればいいですか?
A. 東部エリアには建設系専門学科がありませんが、沼津工業高校には建築科があります。また、普通科の生徒でも建設業に興味を持つケースはあるため、高校生JOBフェア(沼津会場)への出展で幅広くアプローチすることも有効です。
Q. ICT施工の導入は高卒採用にどのくらい効果がありますか?
A. ドローン測量や3Dスキャナーの現場を職場見学で見せると、高校生の反応が明確に変わります。「建設業=力仕事」のイメージが「テクノロジーを使う仕事」に変わるためです。ただし導入がまだの企業は無理に導入する必要はなく、まずは安全管理と資格取得支援の訴求に集中してください。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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