【医療・介護・福祉向け】新潟県の高卒採用ガイド|実質倍率8.90倍の人材確保戦略

求人552人に対し就職者62人・全産業で最も人材確保が困難な分野の採用戦略を解説

新潟県の医療・福祉分野は、求人552人に対して就職者わずか62人という極めて深刻な人手不足です。実質倍率8.90倍は、建設業(8.23倍)をも上回り、新潟県の全産業で最も採用が困難な分野のひとつです。令和8年3月卒の速報では就職者がさらに前年比-42.6%と急減しており、危機的な状況が続いています。新潟県は日本海側最大の面積を持ち、中山間地域では高齢化が一段と進行しているため、介護・福祉人材の確保は地域の存続に関わる喫緊の課題です。本記事では、高卒人材を確保・定着させるための実践的な戦略を解説します。

552人
医療・福祉 県内求人数
前年比+1.1%
62人
就職者数
前年比-20.5%
8.90倍
実質倍率
全産業で最も高い水準
3拠点
ジョブカフェにいがた
新潟・長岡・上越

1. 新潟県医療・福祉の高卒採用市場データ

医療・福祉分野は求人が増加傾向にあるにもかかわらず、就職者は減少を続けています。高校生にとって「介護は大変そう」「給料が安い」というイメージが根強く、他産業への流出が止まりません。このイメージを具体的なデータと制度で覆すことが採用の第一歩です。

年度県内求人数就職者数実質倍率就職者 前年比
令和7年3月卒(確定)552人62人8.90倍-20.5%
令和8年3月卒(1月末速報)511人35人14.60倍-42.6%

危機的な数値:令和8年3月卒の速報では就職者が35人まで減少し、実質倍率は14.60倍に跳ね上がっています。求人511人に対して35人しか就職しない状況は、「求人票を出すだけ」では人が集まらないことを意味しています。従来の採用手法を根本から見直し、高校生に「選ばれる」施設・事業所になるための変革が求められます。

出典:新潟労働局 令和7年3月末日現在・令和8年1月末日現在

2. 医療・福祉分野別の求人職種と採用のポイント

医療・福祉分野はひとくくりにされがちですが、職種ごとに求められる適性や入職のハードルは異なります。高校生にとって「何ができるのか」を明確にすることが、この分野への就職を後押しします。

分野主な求人職種高卒で就ける仕事キャリアアップの道筋
介護施設(特養・老健等)介護職員・介護助手・生活支援員入浴・食事・移動の介助、レクリエーション企画介護助手→介護福祉士(3年実務経験+試験)→ケアマネジャー
病院・診療所看護助手・医療事務・リハビリ助手患者搬送・ベッドメイキング・受付事務看護助手→准看護師(2年課程)→看護師
障害者支援施設生活支援員・就労支援員日常生活の支援・就労訓練サポート生活支援員→サービス管理責任者
児童福祉施設児童指導員・保育補助子どもの見守り・生活支援児童指導員→児童発達支援管理責任者
訪問介護ホームヘルパー・訪問介護員自宅での入浴・食事介助初任者研修→実務者研修→介護福祉士

出典:厚生労働省 介護人材確保対策・新潟労働局をもとに作成

3. 新潟県の医療・福祉人材確保支援制度

新潟県は若者の就職支援インフラが充実しています。これらの制度を最大限活用することで、採用コストを抑えながら高卒人材の確保が可能です。

ジョブカフェにいがた(3拠点:新潟市・長岡市・上越市)

新潟県が運営する若者向け就職支援施設です。キャリアコンサルティング・セミナー・就職マッチングを提供しており、医療・福祉分野の求人情報も扱っています。高校生が進路を考える段階で福祉の仕事に触れる機会を増やすために、ジョブカフェとの連携は有効です。

新潟市 新規採用活動支援事業補助金(上限20万円)

採用サイトの制作・改修、企業紹介動画の制作経費を補助する制度です。「介護の仕事のリアル」を伝える動画コンテンツを制作し、高校生向けに発信する際のコストを軽減できます。

新潟地域若者サポートステーション

15歳から49歳の就職していない方を対象に、職場定着までの全面的なサポートを行っています。高卒者の入職後の定着支援にも活用でき、早期離職の防止に役立ちます。

Uターン促進奨学金返還支援事業(年間20万円×最長6年)

県外在住者がUターンし就業した場合の奨学金返還を支援する制度です。専門学校等で介護福祉士資格を取得した人材を新潟に呼び戻す際に活用できます。

出典:ジョブカフェにいがた新潟市 新規採用活動支援事業

4. 医療・福祉が高卒採用を成功させる5つの戦略

1

資格取得支援を「入社のメリット」として前面に打ち出す

介護福祉士は3年の実務経験で受験資格が得られる国家資格です。「受験費用は全額会社負担」「勤務時間内に研修参加可能」「テキスト代も支給」「先輩が勉強をサポート」など、具体的な支援内容を求人票に明記しましょう。「高卒で入社して3年で国家資格が取れる」というメッセージは、進路に迷う高校生にとって大きな魅力です。

2

処遇改善加算を反映した「本当の給与」を見せる

介護職員処遇改善加算により、基本給に加えて月額数万円の上乗せがあります。「基本給○万円+処遇改善手当○万円+夜勤手当○万円=手取り月額○万円」のように具体的な収入モデルを提示しましょう。「介護は給料が安い」という先入観を数字で覆すことが、高校生と保護者の心を動かします。

3

キャリアアップの道筋を「見える化」して将来不安を解消する

「介護助手(1年目)→介護職員(2年目〜)→介護福祉士(4年目〜)→ユニットリーダー(6年目〜)→施設長候補」のように、年次ごとの役割と給与の変化を一覧表で示しましょう。「この仕事に未来がある」と感じてもらえれば、他産業との採用競争に勝てます。

4

高校訪問では「普通科」も積極的に回る

医療・福祉に特化した学科を持つ高校は新潟県内では限られています。しかし普通科卒の高校生でも介護助手・看護助手として就職し、働きながら資格を取得できます。「特別な資格がなくても始められる」「人の役に立ちたい気持ちがあれば大丈夫」というメッセージで、間口を広く取ることが高卒採用のポイントです。

5

入職者の声で「やりがい」を伝え、SNSで日常を発信する

同世代の先輩社員が「どんなときにやりがいを感じるか」「入社前と入社後でイメージがどう変わったか」を語ることが最も説得力があります。利用者さんからの「ありがとう」、看取りの場面で感じる命の尊さなど、求人票では伝わらない仕事の本質を発信しましょう。「ジモクラ」への掲載も、高校生への認知拡大に効果的です。

5. よくある質問

Q. 新潟県の医療・福祉分野における高卒採用の実態はどうなっていますか?

A. 県内求人数552人に対して就職者数は62人で、実質倍率8.90倍です。令和8年3月卒の速報ではさらに就職者が35人に減少(前年比-42.6%)しており、「求人を出すだけ」では人が集まらない状況です。

Q. 医療・福祉で高卒人材を確保するためのポイントは何ですか?

A. 資格取得支援制度の明示、処遇改善加算を反映した具体的な給与モデルの提示、キャリアアップの道筋の見える化が3大ポイントです。ジョブカフェにいがた等の行政支援との連携も有効です。

Q. 新潟県で医療・福祉系の学科を持つ高校はありますか?

A. 専門の福祉科は限定的ですが、総合学科の福祉系列を持つ高校(柏崎総合・十日町総合等)があります。普通科からの就職者も多いため、幅広い高校への訪問が重要です。「未経験でも安心して始められる」ことを伝えましょう。

Q. 高卒で入職した介護職員が取れる資格は何ですか?

A. 介護職員初任者研修(入社後すぐ取得可能)、実務者研修、介護福祉士(3年の実務経験+試験)、さらにケアマネジャー(5年の実務経験+試験)とステップアップできます。看護助手からは准看護師(2年課程)への道もあります。

6. まとめ

新潟県の医療・福祉分野は、求人552人に対して就職者62人・実質倍率8.90倍と極めて深刻な人手不足です。令和8年3月卒ではさらに就職者が-42.6%と急減しており、従来の「求人票を出して待つ」だけの採用手法では人材確保は不可能です。

資格取得支援制度の前面的なアピール、処遇改善加算を反映した具体的な給与モデルの提示、キャリアアップの道筋の見える化を三本柱とし、ジョブカフェにいがたや「ジモクラ」など新潟県独自の就職支援インフラも活用しながら、「高卒で就職しても成長できる」「人の役に立てる仕事」というメッセージを発信し続けましょう。

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