新潟県のインターンシップ活用ガイド

高校生受け入れ5ステップ|製造業・建設業・サービス業別プログラム設計

燕三条の金属加工、亀田製菓・ブルボンの食品産業、日本精機の精密機器――新潟県は多彩なものづくり企業が集積するエリアです。令和8年3月卒の高卒求人倍率は4.78倍に達し、県内求人数10,188人に対して求職者はわずか2,131人。1人の高校生を約4.8社が奪い合う、全国でも屈指の超売り手市場が続いています。

この環境下で採用を成功させる鍵の一つが「インターンシップ(職場体験)」です。求人票の文字情報だけでは伝わらない現場の空気、先輩社員の人柄、仕事のやりがいを直接体験してもらうことで、生徒の志望度を大きく引き上げ、入社後のミスマッチも防ぎます。本ガイドでは、新潟県の採用担当者向けに、受け入れ準備から採用につなげるフォローまで5ステップで解説します。

4.78倍
新潟県 求人倍率
R8.3卒速報
90.6%
県内就職率
地元定着率が高い
10,188人
県内求人数
求職者の約5倍
8校
工業高校数
製造業人材の供給源

1. なぜインターンシップが新潟県の高卒採用に効くのか

求人倍率4.78倍とは、企業がどれだけ求人票を出しても約8割が充足しない計算です。求人票の提出だけでは「選んでもらえない」時代において、インターンシップは企業側から能動的に魅力を届ける最も実効性の高い施策です。

求人票だけでは伝わらない「現場のリアル」を届ける

新潟県は製造業が求人数の約3割(3,306人)を占め、建設業も2,708人と多くの求人が集中しています。しかし、BtoB企業や中小の金属加工メーカーは社名だけでは高校生にイメージが湧きません。職場体験を通じて「この部品がどんな製品に使われているのか」「先輩はどんな表情で仕事をしているのか」を見せることで、紙では伝わらない現場の温度感を共有できます。

内定承諾率の向上とミスマッチの防止

インターンシップに参加した生徒は、仕事内容や職場環境を自分の目で確かめたうえで応募します。そのため入社後に「想像と違った」と感じるギャップが小さくなり、内定承諾率の向上と早期離職の抑制の両方に寄与します。新潟県の県内就職率は90.6%と高い地元定着率を誇りますが、定着率をさらに高めるためにもインターンシップは有効です。

学校・先生との信頼関係を築く起点になる

高卒採用では進路指導の先生が企業を推薦する「学校斡旋」が主流です。インターンシップを受け入れ、生徒に真摯に向き合う姿勢を見せることで、先生からの信頼が積み上がり、翌年以降も安定的に応募者を紹介してもらえる関係が生まれます。特に工業高校とのパイプ構築を目指す企業にとっては、インターンシップは最も自然な接点づくりの手段です。

2. 成功事例:新潟トランシスの3日間インターンシップ

鉄道車両メーカーの新潟トランシス株式会社(聖籠町)は、2024年7月に県立新発田南高等学校の機械工学科2年生2名を3日間受け入れました。ものづくり企業のインターンシップとして、新潟県内の企業が参考にできるモデルケースです。

日程午前午後
1日目会社概要説明・安全教育・工場見学レーザー加工・板金曲げ加工・溶接体験(金属製オリジナルサイコロ製作)
2日目組立作業(穴あけ・リベット止め)配管切断・ねじ切りの実習
3日目三次元測定器を使った部品測定保守用車両の機能検査体験・卒業生社員との対話・振り返り

この事例から学べるポイント

  • 「持ち帰れる体験」を設計:金属製サイコロを自分の手で作り完成させる達成感が、記憶に残る体験になっている
  • 卒業生社員との対話:同じ高校の先輩が働く姿を見せることで「自分もここで働けるかも」というリアルな想像につながる
  • 3日間で「加工→組立→検査」を網羅:ものづくりの全工程を体験させ、仕事の全体像を理解させている

出典:IHIグループ サステナビリティレポート「新潟トランシス インターンシップ受け入れ」(2024年)

3. インターンシップの種類と実施時期

高校生向けインターンシップには主に3つの形式があります。自社のリソースや採用目的に合わせて選びましょう。

形式期間実施時期内容・目的向いている企業
1日型(職場見学)1日6〜8月会社説明・工場見学・若手社員との座談会。応募前職場見学を兼ねるケースも多い。企業の雰囲気を短時間で伝えられる。初めて受け入れる企業、少人数の中小企業
3日型(短期体験)2〜3日7〜8月座学+実務体験のバランス型。新潟トランシスのように「加工→組立→検査」の全工程を体験させられる。製造業・建設業など体験要素が多い企業
5日型(実習型)5日〜2週間夏休み・2学期本格的な実務体験。工業高校の実習授業と連携して行うケースも。生徒の適性をじっくり見極められる。工業高校と連携したい製造業、技術職採用企業

新潟県の高校スケジュールとの調整:新潟県の県立高校では夏休み期間(7月下旬〜8月末)がインターンシップの主な実施時期です。工業高校では2学期中に実習期間を設けている場合もあります。新潟県は冬期に降雪が多いため、建設業など屋外作業を含むプログラムは夏季に集中させるのが現実的です。4〜5月に学校へ打診し、夏休みの受け入れ枠を確保しましょう。

4. 業種別プログラム設計例(製造業・建設業・サービス業)

新潟県の産業構造に合わせた、業種別のインターンシッププログラムを紹介します。生徒に「ここで働きたい」と感じてもらうには、「見せるだけ」で終わらせず、自分の手を動かす体験をデザインすることが重要です。

製造業(金属加工・食品・電子部品)

新潟県の製造業求人は3,306人で全業種最多。燕三条の金属加工、亀田製菓・ブルボン・三幸製菓の米菓、日本精機の車載メーターなど、分野は多岐にわたります。工業高校の生徒が多く参加するため、専門性を感じられる体験が求められます。

日程午前午後
1日目会社説明・安全教育・工場見学ツアー製造ライン見学・若手社員(工業高校OB)との座談会
2日目実習:金属加工体験(板金・溶接・研磨など)品質検査体験・測定器の使い方講習
3日目NC旋盤やレーザー加工機のデモ操作振り返りワーク・成果発表・修了式

ポイント:「自分の手で何かを完成させる」達成感を設計しましょう。新潟トランシスの事例のように金属製の小物を作らせたり、食品メーカーであれば製品のパッケージデザインを考えさせたり、持ち帰れる成果物があると満足度が格段に上がります。

建設業

新潟県の建設業は求人2,708人に対し求職者329人で実質倍率8.23倍。全国的な担い手不足に加え、豪雪地帯特有のインフラ維持需要があり、人材確保は喫緊の課題です。「きつい・危険」というイメージを払拭し、ICT施工など最新技術の面白さを伝えるプログラムが効果的です。

  • ドローン測量体験:ICT施工の入口として、ドローンを操縦して測量する体験を提供
  • BIM/CIM(3D設計)のデモ:パソコン上で建物や橋梁の3Dモデルを操作する体験
  • 現場見学ツアー:安全装備を着用し、除雪設備や道路工事の現場を見学
  • ベテラン職人との対話:キャリアパス(入社5年で現場監督など)を具体的に語ってもらう
  • 保護者向け見学会の同時開催:保護者の「建設業は大丈夫?」という不安を解消し、就職を後押し

サービス業(小売・飲食・観光・介護)

新潟県はコメリ(ホームセンター)やハードオフコーポレーション(リユース)の本社があり、小売・サービス業の求人も多数あります。越後湯沢・妙高など観光リゾートエリアでは宿泊業の需要も高い地域です。

  • 接客ロールプレイング:実際の場面を想定した接客練習。先輩スタッフからフィードバックを受ける
  • バックヤード見学:商品管理・発注業務・在庫管理など、普段は見えない仕事の全体像を紹介
  • POP・ディスプレイ作成体験:店舗づくりのクリエイティブな側面を体験(小売業)
  • 企画提案ワーク:地元食材を使った新メニュー案や観光プラン企画をチームで考案し発表

全業種共通のポイント:プログラムの配分は「説明3:体験7」を意識しましょう。座学ばかりでは生徒は退屈し、放置は不安を感じさせます。常に「手を動かす」「人と話す」時間を確保することが、満足度を高める鍵です。

5. 受け入れ準備から採用につなげるフォローまで5ステップ

インターンシップの効果は、受け入れ前の準備と終了後のフォローで決まります。以下の5ステップを順に進めましょう。

1

学校へのアプローチと受け入れ体制の構築(4〜5月)

ターゲットとなる高校の進路指導部に連絡し、受け入れ意向を伝えます。新潟工業・新津工業・県央工業・長岡工業・柏崎工業・新発田南・上越総合技術・塩沢商工の8つの工業高校は、学校側がインターンシップ先を探しているケースが多く、積極的にアプローチすることが有効です。並行して社内の指導担当者(メンター)を選定し、プログラム内容を策定します。

2

プログラム設計と事前準備(5〜6月)

業種に合った体験プログラムを設計します。安全管理マニュアルの整備、保険加入の確認、生徒向け事前資料の作成、昼食の手配、名札・作業着・安全装備の準備を進めます。受け入れ部署への周知と協力依頼も忘れずに。

3

インターンシップの実施(7〜8月)

初日のオリエンテーションで緊張をほぐし、体験を中心としたプログラムを運営します。メンターが常に近くにいて質問に答えられる体制を維持しましょう。最終日には振り返りワークとアンケートを実施し、生徒の率直な感想を収集します。

4

終了後のフォローアップ(実施後1〜2週間)

参加してくれた生徒にはお礼の手紙と修了証を学校経由で送付します。進路指導の先生には、生徒の取り組み姿勢や良かった点をポジティブにフィードバック。「あの企業は面倒見がいい」という評判が校内で広がり、翌年以降の応募にもつながります。

5

採用活動への接続(8〜9月)

インターンシップに参加した3年生には、正式な応募前職場見学への参加を案内します。すでに職場を体験済みのため、志望度の高い状態で選考プロセスに入れます。新潟県の一人一社制は9月5日〜9月30日、10月1日から1人2社応募が可能になります(令和7年度から前倒し)。インターンシップ参加者が他社に流れる前に、スピーディーに選考を進めましょう。

6. 受入準備チェックリスト

インターンシップの成功は事前準備の質で8割が決まります。以下のチェックリストで漏れのない体制を整えましょう。

実施2〜3か月前

  • 受け入れ目的・ゴールの明確化(採用直結型 or 認知度向上型)
  • プログラム内容・タイムスケジュールの策定
  • 指導担当者(メンター)の選定(年齢の近い若手社員が理想)
  • 学校への受け入れ申し出・進路指導担当の先生と打ち合わせ
  • 保険加入の確認(傷害保険・賠償責任保険)

実施1か月前

  • 安全管理マニュアルの整備・危険箇所の洗い出し
  • 受け入れ部署への周知・協力依頼
  • 名札・作業着・安全装備の準備
  • 生徒向け事前資料(会社概要・当日の持ち物・服装等)の作成
  • 昼食の手配方法の決定(社員食堂・弁当・各自持参)

実施前日〜当日

  • 受け入れスペース・会議室のセッティング
  • 体験で使う材料・工具・備品の最終確認
  • 全社員への「本日インターン生が来ます」の周知
  • アンケート用紙・修了証の準備
  • 緊急連絡先リスト(学校・保護者)の確認

注意:NG行動

  • - 雑用ばかりさせる:コピー取りや掃除だけでは職業体験になりません
  • - 放置・ほったらかし:「見ておいて」と放置するのは厳禁です
  • - 過度な業務負荷:高校生に長時間労働や危険な作業は絶対に避けてください
  • - 実質的な労働をさせる:教育目的を逸脱した場合、労働基準法上の「労働者」とみなされます

7. 新潟県の工業高校8校とインターンシップ連携

製造業のインターンシップでは、工業高校との連携が不可欠です。新潟県内の主要工業高校を把握し、積極的にアプローチしましょう。

高校名所在地主な学科
新潟県立新潟工業高等学校新潟市西区機械科・電気科・建築科・土木科・工業マネジメント科
新潟県立新津工業高等学校新潟市秋葉区日本建築科・生産工学科・ロボット工学科
新潟県立県央工業高等学校三条市機械科・電子機械科・電気科・情報技術科
新潟県立長岡工業高等学校長岡市機械科・電気科・電子科・工業化学科
新潟県立柏崎工業高等学校柏崎市電子機械科・電気科・情報技術科
新潟県立新発田南高等学校新発田市機械工学科(工業系併設校)
新潟県立上越総合技術高等学校上越市機械工学科・電気科・建築科・住環境科
新潟県立塩沢商工高等学校南魚沼市機械システム科・電気情報科・商業科

アプローチのタイミング:インターンシップの受け入れ打診は4〜5月が適切です。学校側は年度初めにインターンシップ先のリストを作成するため、早めの連絡が夏休みの受け入れ枠確保につながります。ハローワーク経由のほか、直接学校の進路指導部に電話する方法も有効です。新潟トランシスの事例のように、自校の卒業生が在籍している企業は特に歓迎される傾向があります。

8. よくある質問

Q. 新潟県で高校生のインターンシップを受け入れるには何から始めればいい?

A. 受け入れたい高校の進路指導部に連絡し、インターンシップの受け入れ意向を伝えます。工業高校(新潟工業・新津工業・県央工業・長岡工業など)では学校側がインターンシップ先を探しているケースが多いため、4〜5月に連絡すると年度初めの計画に組み込んでもらいやすくなります。ハローワークの新卒応援窓口でも受け入れに関する相談が可能です。

Q. 新潟県でインターンシップの実施時期はいつが最適?

A. 夏休み期間(7月下旬〜8月末)に実施するケースが最も一般的です。工業高校では2学期中に実習期間を設けている場合もあります。冬期は降雪の影響で屋外プログラムが制約を受けるため、夏季実施が推奨されます。3年生の応募前職場見学(6〜8月)と兼ねる形式も効果的です。

Q. インターンシップに参加した高校生はそのまま採用選考に進める?

A. インターンシップと採用選考は制度上、別の取り組みです。参加の有無で選考に有利・不利をつけることは認められていません。ただし、自社の仕事内容を理解した生徒が正式な応募前職場見学を経て応募してくるケースは多く、結果的に志望度の高い応募者を獲得することにつながります。

まとめ|新潟県でインターンシップを採用成功につなげる3つの鍵

求人倍率4.78倍の新潟県において、インターンシップは求人票だけでは届かない企業の魅力を高校生に直接伝える強力な手段です。

  1. 業種に合った「手を動かす」体験を設計する
    製造業なら金属加工の達成感、建設業ならICT施工の先端技術、サービス業なら接客のやりがい。新潟県の産業特性を活かし、求人票では伝わらない魅力を体験で届けましょう。
  2. 工業高校8校との連携を最優先で構築する
    新潟工業・新津工業・県央工業・長岡工業をはじめとする8校は、製造業人材の主要な供給源です。新潟トランシスのように卒業生社員との対話をプログラムに組み込むと、生徒の共感度が格段に上がります。
  3. 終了後のフォローアップを徹底する
    お礼状の送付、学校への報告、SNSでの発信。やりっぱなしにせず継続的に関係を維持することで、先生からの信頼が厚くなり、毎年安定した応募につながります。

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データ出典:

  • 新潟労働局「令和8年3月新規高等学校卒業者の求人・求職・内定状況(速報)」
  • IHIグループ サステナビリティレポート「新潟トランシス インターンシップ受入れ」(2024年)
  • 厚生労働省「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」
  • 新潟県教育委員会
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