石川県の高卒求人倍率推移【2017〜2026年】
福井・富山・全国との比較分析
石川県の高卒求人倍率(各年7月末)は、2021年のコロナ禍での落ち込みを除き上昇を続け、令和8年3月卒で前年比0.06ポイント低下しました。前年度は最終倍率が4.39倍(過去最高)に達しました。令和8年3月卒の7月末時点では3.84倍で、求人数6,083人(前年比+0.4%)に対し求職者数1,585人(前年比+2.1%)。この背景には、機械関連産業(製造品出荷額の約7割)を中心とする旺盛な採用需要があります。建設業の求人も1,265人(前年比+5.3%)と増えています。
1. 求人倍率推移(2017〜2026年)
石川県 新規高卒求人倍率の推移(各年3月卒の7月末時点・石川労働局)
| 年度(3月卒) | 求人数 | 求職者数 | 求人倍率 | 前年差 |
|---|---|---|---|---|
| 2017(H29)卒 | 4,345人 | 2,313人 | 1.88倍 | +0.12 |
| 2018(H30)卒 | 4,980人 | 2,198人 | 2.27倍 | +0.39 |
| 2019(H31)卒 | 5,638人 | 2,298人 | 2.45倍 | +0.18 |
| 2020(R2)卒 | 5,848人 | 2,223人 | 2.63倍 | +0.18 |
| 2021(R3)卒 | 4,155人 | 1,966人 | 2.11倍 | -0.52 |
| 2022(R4)卒 | 4,547人 | 1,884人 | 2.41倍 | +0.30 |
| 2023(R5)卒 | 5,130人 | 1,681人 | 3.05倍 | +0.64 |
| 2024(R6)卒 | 5,893人 | 1,554人 | 3.79倍 | +0.74 |
| 2025(R7)卒 | 6,057人 | 1,552人 | 3.90倍 | +0.11 |
| 2026(R8)卒 | 6,083人 | 1,585人 | 3.84倍 | -0.06 |
出典:石川労働局「令和8年3月新規高等学校卒業予定者の求人・求職状況等(令和7年7月末現在)」第2表(最終倍率は各年3月末現在の同局発表)
2. 北陸3県・全国平均との比較
| 都道府県 | 高卒求人倍率 | 主要産業 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 石川県 | 3.84倍(7月末) | 機械・IT・伝統工芸・建設 | 前年最終4.39倍(過去最高) |
| 富山県 | 3.99倍(7月末) | 化学(医薬品)・機械・金属製品 | 北陸有数の工業県 |
| 福井県 | 3.83倍(7月末) | 眼鏡フレーム・繊維・化学 | 前年最終4.20倍 |
| 新潟県 | 4.40倍(7月末) | 食品加工・機械・金属加工 | ものづくり県 |
| 全国平均 | 3.69倍(7月末) | — | — |
つまり:令和8年3月卒の7月末時点で比べると、石川県の高卒求人倍率は北陸3県では富山県(3.99倍)に次ぎ、福井県(3.83倍)をわずかに上回る水準で、全国平均3.69倍を上回ります。前年度(令和7年3月卒)の最終倍率4.39倍は北陸3県でトップでした(厚生労働省 第3表)。企業にとっては1人の高校生を約3.8社で奪い合う売り手市場です。
3. 求人倍率が高い理由3つ
1. 機械関連産業の旺盛な採用需要
石川県の製造品出荷額の約7割を機械関連が占めています。PFU(スキャナ世界シェアトップ)・澁谷工業(充填機)・EIZO(モニター)・ジェイ・バス(バス車体)など、世界的にもニッチトップの企業が多く、常に技術者の採用ニーズがあります。機械関連の求人は前年比+13.6%の1,221人と大幅に増加しています。
2. 能登半島地震の復興需要
2024年1月1日の能登半島地震の後、建設業の高卒求人は令和7年3月卒の7月末で1,201人(前年比−0.5%)、令和8年3月卒の7月末で1,265人(同+5.3%)と推移しています(石川労働局)。復興工事は今後数年にわたって継続する見通しであり、建設業の人材不足は石川県の構造的な課題として定着しつつあります。
3. 少子化と高い県内就職率の相乗効果
石川県の県内就職率は91.0%(令和8年3月卒・石川労働局)で、学校基本調査(令和7年3月卒)でも89.9%・全国7位と高い水準です。県外流出が少ないことは企業にとって「地元で採れる」可能性を意味しますが、同時に求職者数の絶対的な少なさ(1,585人)が県内企業間の激しい競争を生んでいます。企業の6割超が「採用人数を確保できていない」と回答しています。
今後の見通し:石川県の人口減少は今後も進行し、高卒求職者数のさらなる減少は避けられません。一方で機械関連の設備投資需要と能登半島の復興需要は継続するため、求人倍率は高い水準が続く見通しです。早期からの学校との関係構築がますます重要になります。
4. まとめ
石川県の高卒求人倍率は3.84倍(7月末)、前年最終4.39倍(過去最高)と高水準が続いています。機械関連産業の旺盛な需要と能登半島地震の復興需要が重なり、今後も高い水準が続くと予想されます。採用を成功させるには、7月1日の学校訪問解禁に合わせた早期アクション、工業高校・商業高校との継続的な関係構築、そしてインターンシップや職場見学を通じた自社の魅力発信が不可欠です。
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
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