1. こう思ってない?
「行政書士って、大学の法学部出ないとダメでしょ?」
「資格の仕事って、頭いい人しか無理じゃない?」
「高卒だと結局、現場仕事しかないんでしょ?」
実は、これ全部誤解です。日本には「学歴不問」で受験できる国家資格がたくさんあります。しかも、その資格を取ることで就ける仕事は、年収400万円〜800万円を狙えるものも少なくありません。
「知らなかった」だけで選択肢を狭めてしまうのは、もったいない。この記事では、高卒から目指せる意外な職業を8つ紹介します。それぞれの受験料・合格率・期待年収もまとめたので、「これなら自分にもできるかも」と思えるものが見つかるはずです。
この記事のルール
紹介する8つの職業は、すべて学歴不問で受験できる資格、または学歴を問わない業界に基づいています。「がんばれば誰でも」ではなく、制度として門戸が開かれているものだけを選びました。
2. 宅建士(宅地建物取引士)
受験料
8,200円
合格率
約17%
令和6年度実績
期待年収
400〜600万円
不動産の売買や賃貸の契約時に、重要事項の説明ができるのは宅建士だけです。不動産会社は従業員5人に1人以上の割合で宅建士を置く義務があるため、常に需要があります。
受験資格に年齢・学歴・実務経験の制限は一切ありません。毎年約20万人が受験する、日本で最も人気のある国家資格の一つです。不動産業界だけでなく、金融機関や建設会社でも評価されます。
宅建士のここがいい
資格手当として月1〜3万円が支給される会社が多いです。年間で12〜36万円の収入アップにつながります。
出典: 不動産適正取引推進機構「令和6年度宅建試験実施結果」/ アガルート「宅建の年収」
3. 行政書士
受験料
10,400円
合格率
10〜12%
近年の推移
期待年収
400〜800万円
行政書士は、官公署に提出する書類の作成や手続きの代行を行う法律の専門家です。会社設立の届出、建設業の許可申請、外国人のビザ申請など、扱える業務は1万種類以上あると言われています。
「法律の資格=法学部卒」と思われがちですが、行政書士試験の受験資格に学歴要件はありません。年齢・学歴・国籍を問わず、誰でも受験できます。合格率は10〜12%と難関ですが、独学や通信講座で合格する人も多くいます。
独立開業できるのも行政書士の魅力です。事務所を構えて独立すれば、年収1,000万円以上を目指すことも不可能ではありません。
ステップアップ
行政書士の資格を取得した後、司法書士やFP(ファイナンシャル・プランナー)の資格を追加取得して業務の幅を広げる人もいます。ダブルライセンスで差別化する戦略です。
出典: 行政書士試験研究センター / 伊藤塾「行政書士の年収」/ アガルート「行政書士の受験資格」
4. FP2級技能士(ファイナンシャル・プランナー)
受験料(2級)
8,700円
学科+実技
合格率(2級)
40〜50%
学科試験
期待年収
400〜600万円
FP(ファイナンシャル・プランナー)は、お金に関する幅広い知識を持つ専門家です。保険の見直し、住宅ローンの相談、資産運用のアドバイスなど、個人のライフプラン全体をサポートします。
FP2級の受験資格は「3級合格者」「FP業務に関し2年以上の実務経験者」「日本FP協会認定のAFP認定研修修了者」のいずれかです。高卒からの王道ルートは、まず3級に合格してから2級に挑戦する流れです。
保険会社、銀行、証券会社、不動産会社など、金融業界全般で評価される資格です。FP2級を持っていると転職市場でも有利に働き、実務で即戦力として認められます。
まず3級からでOK
3級で基礎を固め、2級の合格を目指しましょう。2級の合格率は40〜50%と、しっかり対策すれば十分に手が届くレベルです。実務経験を積みながら2級にチャレンジするのが王道ルートです。
出典: 日本FP協会「FP技能検定試験結果」/ BrushUP学び「FPの年収」
5. 施工管理技士
高卒の平均年収
595万円
大卒との差
約60万円
大卒659万円
人手不足度
深刻
建設業全体で人材不足
施工管理は、建設工事の工程・品質・安全・原価を管理する仕事です。現場を指揮する「現場監督」のイメージが近いかもしれません。仕事の半分はデスクワーク(書類作成・打合せ)で、体力だけの仕事ではありません。
2級施工管理技士は、高卒(指定学科)なら実務経験3年で受験可能です。1級は実務経験8年。建設業界は深刻な人手不足が続いているため、資格を持っていれば転職も有利です。
注目すべきは、高卒と大卒の年収差が約60万円しかない点です。多くの業界では学歴による年収差がもっと大きいですが、施工管理は「資格と経験」で評価される世界。高卒でも十分に戦えます。
学歴よりも資格と経験
施工管理技士の資格は「実務経験」が受験条件です。つまり、現場で働きながら受験資格を満たしていくことができます。大学に行かなくても、働きながらキャリアアップできる仕組みです。
出典: 建築求人.jp「施工管理の学歴と年収」(独自アンケート調査)
6. 登録販売者
受験料
12,000〜
18,000円
都道府県により異なる
合格率
40〜50%
期待年収
300〜400万円
登録販売者は、ドラッグストアやコンビニで一般用医薬品(第2類・第3類)を販売できる資格です。2009年の薬事法改正で生まれた比較的新しい資格で、受験資格に学歴・実務経験は不要です。
ドラッグストア業界は店舗数が増え続けており、登録販売者の需要は年々高まっています。資格手当として月5,000〜10,000円が支給される企業も多く、パート・アルバイトから正社員への登用にもつながりやすい資格です。
合格率は40〜50%と、国家資格の中では比較的高めです。医薬品の知識は日常生活でも役立つため、「まず何か資格を取りたい」という人の最初の一歩としてもおすすめです。
店長・エリアマネージャーへ
ドラッグストアでは、登録販売者の資格を持っていると店長やエリアマネージャーへの昇進がしやすくなります。管理職になれば年収500万円以上も十分に狙えます。
出典: BrushUP学び「登録販売者の受験資格と合格率」/ アガルート「登録販売者の年収」
7. ITエンジニア
ITパスポート受験料
7,500円
ITパスポート合格率
約50%
IT業界未経験歓迎
多数
人材不足が深刻
IT業界は、学歴よりもスキルと実力で評価される業界の代表格です。プログラマー、インフラエンジニア、Webデザイナーなど、「何ができるか」が問われる世界では、大卒か高卒かはあまり関係ありません。
まずはITパスポートや基本情報技術者試験といった国家資格から始めるのがおすすめです。どちらも学歴不問で受験でき、ITの基礎知識を証明できます。ITパスポートの合格率は約50%で、独学でも十分に合格可能です。
IT業界は慢性的な人材不足のため、未経験者を採用して社内研修で育てる企業も多くあります。高卒でプログラミングスクールに通い、ポートフォリオ(自分で作った作品)を持って転職する人も増えています。
スキル次第で年収は青天井
IT業界は経験3〜5年で年収500万円、さらにスキルを磨けば700万円以上も珍しくありません。フリーランスエンジニアとして独立すれば、年収1,000万円超えも現実的な選択肢です。
出典: IPA「ITパスポート試験結果」/ 経済産業省「IT人材需給に関する調査」
8. 通関士
受験資格
学歴不問
合格率
約10〜15%
分野
貿易専門職
通関士は、輸出入される貨物の通関手続きを代行する貿易分野の唯一の国家資格です。税関に対する申告書の作成、関税の計算、輸出入に関する法的手続きなどを行います。
受験資格に学歴・年齢・実務経験の制限はありません。合格率は10〜15%と難関ですが、貿易業界では通関士の資格を持っていることが大きな武器になります。物流会社、商社、メーカーの物流部門など、活躍の場は幅広いです。
グローバル化が進む中で、通関士の需要は安定しています。「海外と関わる仕事がしたいけど、英語がペラペラじゃないとダメ?」と思うかもしれませんが、通関業務で必要なのは英語力よりも法律知識と正確な書類作成能力です。
知る人ぞ知る安定資格
通関士は知名度こそ高くありませんが、貿易がなくならない限り仕事がなくならない安定した職業です。AIに代替されにくい法的判断業務も多く含まれています。
出典: 税関「通関士試験」/ アガルート「通関士の受験資格と合格率」
9. 不動産営業
不動産営業は、学歴を問わず実力次第で高年収を狙える職種の代表格です。マンションや戸建ての販売、賃貸の仲介など、人の「住まい」に関わる仕事です。
未経験・学歴不問で採用している不動産会社は多く、入社後に宅建士の資格取得を支援してくれる会社もあります。宅建士を取得すると資格手当(月1〜3万円)がつくだけでなく、任される仕事の幅も広がります。
賃貸仲介営業
アパートやマンションを探している人に物件を紹介する仕事。お客様との会話が好きな人に向いています。
売買仲介営業
家を売りたい人と買いたい人をつなぐ仕事。1件あたりの手数料が大きく、成果次第で年収が大きく変わります。
不動産営業はインセンティブ(歩合給)がある会社が多いため、成果を上げれば年収600〜800万円も現実的です。トップ営業マンなら年収1,000万円以上という世界もあります。
宅建×不動産営業=最強の組み合わせ
不動産営業で実務経験を積みながら宅建士の資格を取れば、「営業力+専門知識」の両方を持つ人材になれます。キャリアの選択肢が一気に広がります。
出典: アガルート「宅建の年収」/ BrushUP学び「不動産営業の年収」
10. まとめ——知らなかっただけ。知った今がスタート。
「高卒じゃ無理」なんて、誰かが勝手に決めたルールです。制度上、門戸は開かれています。
| 職業 | 資格・ポイント | 期待年収 |
|---|---|---|
| 宅建士 | 学歴不問 / 合格率17% | 400〜600万円 |
| 行政書士 | 学歴不問 / 独立開業可 | 400〜800万円 |
| FP2級技能士 | 2級合格率40〜50% | 400〜600万円 |
| 施工管理技士 | 実務経験で受験 / 大卒差60万 | 595万円(高卒平均) |
| 登録販売者 | 学歴不問 / 合格率40〜50% | 300〜400万円 |
| ITエンジニア | スキル重視 / 未経験可 | 400〜700万円+ |
| 通関士 | 学歴不問 / 貿易唯一の国家資格 | 400〜600万円 |
| 不動産営業 | 学歴不問 / 宅建で年収UP | 600〜800万円+ |
この8つの職業に共通しているのは、「学歴ではなく、資格やスキルで評価される」ということです。もちろん、資格を取るには勉強が必要です。簡単ではありません。でも、「大学に行かないと無理」ではないのです。
「知らなかった」だけで選択肢を捨てるのは、もったいないと思いませんか?知った今日が、新しいスタートラインです。
出典一覧
不動産適正取引推進機構「令和6年度宅地建物取引士資格試験実施結果」
行政書士試験研究センター「試験結果」
日本FP協会「FP技能検定試験結果」
IPA(情報処理推進機構)「ITパスポート試験結果」
税関「通関士試験」
経済産業省「IT人材需給に関する調査」
建築求人.jp「施工管理の学歴と年収」(独自アンケート調査)
伊藤塾「行政書士の年収・受験資格」
アガルート「宅建の年収」「行政書士の受験資格」「通関士の受験資格と合格率」「登録販売者の年収」
BrushUP学び「FPの年収」「登録販売者の受験資格と合格率」「不動産営業の年収」
Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
