1. 高卒で取れる資格8選|比較表
「高卒だと取れる資格が限られるんじゃ?」と思うかもしれませんが、実はそんなことはありません。学歴不問で受験できる国家資格や公的資格はたくさんあります。ここでは、年収アップに直結しやすい資格を8つ厳選しました。
| 資格名 | 受験料 | 合格率 | 期待年収 |
|---|---|---|---|
| 宅地建物取引士(宅建) | 8,200円 | 17% | 400〜600万円 |
| 行政書士 | 10,400円 | 10〜12% | 400〜800万円 |
| FP(2級) | 8,700円 | 40〜50% | 400〜600万円 |
| 登録販売者 | 12,000〜18,000円 | 40〜50% | 300〜400万円 |
| ITパスポート | 7,500円 | 50% | 300〜500万円 |
| 基本情報技術者 | 7,500円 | 25% | 400〜600万円 |
| 危険物取扱者 乙4 | 4,600円 | 30〜40% | 300〜500万円 |
| 介護福祉士 | 18,380円 | 70% | 300〜400万円 |
ポイント
この8つの資格はすべて学歴不問で受験できます(FP2級は3級合格が条件、介護福祉士は実務経験3年が条件)。受験料も1万円前後。「まず1つ取る」ところから人生は変わり始めます。
出典: 各試験実施団体の公式情報(不動産適正取引推進機構/行政書士試験研究センター/日本FP協会/IPA/消防試験研究センター/社会福祉振興・試験センター)/ 伊藤塾「宅建の難易度」/ アガルート「行政書士の年収」/ BrushUP学び「登録販売者の受験料」
2. 在学中から取れる資格
高校生のうちに取れる資格があります。就職活動の時点で「資格あり」と書けるのは大きなアドバンテージです。企業は「この子は自分から動ける子だ」と判断します。
危険物取扱者 乙種第4類
受験料
4,600円
合格率
30〜40%
受験資格
なし(誰でも可)
ガソリンや灯油など引火性液体を扱うための資格です。年齢制限がなく、高校1年生でも受験できます。工業高校では学校単位で団体受験を実施しているところも多いです。ガソリンスタンド、化学工場、物流倉庫など、活躍の場が幅広い資格です。
ITパスポート
受験料
7,500円
合格率
約50%
受験資格
なし(誰でも可)
ITの基礎知識を証明する国家資格です。「IT企業に行く人だけの資格」ではなく、どんな業界でも役立つ知識が詰まっています。CBT方式で全国の試験会場からいつでも受験可能。合格率50%と、国家資格の中では取りやすい部類です。
第二種電気工事士
受験料
9,300円
合格率
約60%
受験資格
なし(誰でも可)
住宅や小規模ビルの電気配線工事ができるようになる資格です。電気工事会社はもちろん、ビルメンテナンスや設備管理の仕事でも重宝されます。工業高校の電気科では在学中に取得を目指すカリキュラムが組まれていることが多いです。筆記試験と技能試験の2段階があります。
在学中に取るメリット
就職活動の履歴書に書ける資格があると、企業の見る目が変わります。「勉強する意欲がある」「目標に向かって行動できる」——それを証明するのが資格です。社会人になってからより、時間のある高校生のうちに取っておくのがベストです。
出典: 消防試験研究センター「危険物取扱者試験」/ IPA「ITパスポート試験」/ 電気技術者試験センター「第二種電気工事士試験」
3. 就職後に目指す資格
就職してからこそ取るべき資格があります。実務経験と組み合わせることで、年収が大きく跳ね上がる資格です。
宅地建物取引士(宅建)
不動産取引の際に必ず必要となる国家資格です。不動産会社では「5人に1人以上」の割合で宅建士を置くことが法律で義務付けられています。そのため、宅建を持っているだけで就職・転職に圧倒的に有利になります。
合格率は約17%と決して簡単ではありませんが、受験資格に学歴の制限はありません。高卒でも、働きながらでも挑戦できます。不動産業界では資格手当として月2〜3万円が上乗せされるのが一般的です。年間で24〜36万円の差になります。
期待年収: 400〜600万円 / 勉強期間の目安: 300〜400時間(6ヶ月〜)
行政書士
官公署に提出する書類の作成や許認可申請を代行する法律系の国家資格です。合格率は10〜12%と難関ですが、学歴要件はありません。独立開業できる資格なので、キャリアの選択肢が一気に広がります。
企業に勤務しながら行政書士の知識を活かす「企業内行政書士」という働き方もあります。建設業や不動産業では、許認可手続きの知識がある人材は重宝されます。
期待年収: 400〜800万円(独立開業の場合は上限なし) / 勉強期間の目安: 600〜1,000時間(1年〜)
施工管理技士(1級・2級)
建設現場の工程・品質・安全・原価を管理する専門家の資格です。2級は高卒(指定学科)で実務経験3年から受験可能。1級は実務経験8年が必要ですが、取得すれば監理技術者として大規模工事を担当でき、年収は大きく上がります。
建設業界では慢性的な人手不足のため、施工管理技士の資格を持っている人材は引く手あまたです。転職市場でも非常に高い評価を受けます。
期待年収: 500〜700万円(1級取得者) / 受験資格: 2級は実務経験3年〜、1級は実務経験8年〜(高卒・指定学科の場合)
「働きながら取る」がスタンダード
これらの資格は、働きながら取得する人がほとんどです。実務経験があるからこそ問題文の意味がわかる。教科書だけでは得られない「現場の感覚」が合格に直結します。
出典: 不動産適正取引推進機構「宅建試験」/ 行政書士試験研究センター「試験概要」/ 建設業振興基金「施工管理技術検定」/ 伊藤塾「宅建の合格率・難易度」/ アガルート「行政書士の年収」
4. 資格で年収はどう変わる?
「資格を取ったら本当に年収は上がるの?」これがいちばん気になるところだと思います。具体的なデータを見てみましょう。
施工管理(高卒)平均年収
595万円
建築求人.jp 独自調査
一人親方 平均年収
597万円
全建総連 2024年賃金調査報告書
高卒の初任給は約18万円前後(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)。年収にして約247万円です。ここから資格を取って専門職に就くと、年収400万円〜600万円のゾーンに入れます。つまり、資格1つで年収が100万円以上変わることは珍しくありません。
| ルート | 初任給(年収) | 資格取得後 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 高卒 → 宅建取得 → 不動産営業 | 約247万円 | 400〜600万円 | +150〜350万円 |
| 高卒 → 2級施工管理 → 現場監督 | 約247万円 | 500〜700万円 | +250〜450万円 |
| 高卒 → 基本情報 → IT企業 | 約247万円 | 400〜600万円 | +150〜350万円 |
| 高卒 → 行政書士 → 独立開業 | 約247万円 | 400〜800万円 | +150〜550万円 |
もちろん、資格を取っただけで自動的に年収が上がるわけではありません。大事なのは、資格を「使う場所」に自分を置くことです。宅建を取ったなら不動産業界へ。施工管理技士を取ったなら建設業界へ。資格が活きる環境で働くからこそ、年収は変わります。
資格手当という「確実な上乗せ」
宅建の資格手当は月2〜3万円が相場です。年間24〜36万円。FP2級は月5,000〜1万円。施工管理技士は月1〜3万円。基本給が同じでも、資格があるだけで毎月の手取りが変わります。
出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」/ 建築求人.jp「施工管理の学歴と年収」/ 全建総連東京都連合会「2024年賃金調査報告書」
5. 「資格×実務経験」が最強の組み合わせ
資格だけでもダメ。経験だけでもダメ。この2つが掛け合わさったとき、市場価値は一気に跳ね上がります。
宅建 × 不動産営業3年
不動産業界で3年の営業経験を積んだ宅建士は、転職市場で引く手あまたです。「資格+契約実績」があれば、年収500万円以上のオファーは十分に狙えます。
基本情報 × プログラミング実務2年
基本情報技術者を持っていて、実務で2年以上のプログラミング経験がある人は、高卒であってもIT企業からの評価は非常に高いです。応用情報技術者へのステップアップで、さらに年収アップが見込めます。
2級施工管理技士 × 現場経験5年
建設業で5年の現場経験と2級施工管理技士の資格があれば、現場監督として独り立ちできます。さらに1級を取れば、大規模プロジェクトの監理技術者への道が開けます。
FP2級 × 保険・金融業務3年
FP2級を持ちながら保険や金融の実務経験がある人は、お客様の信頼を得やすく、成約率も上がります。FP1級やCFPへのステップアップで独立も視野に入ります。
資格は「入口のチケット」、実務経験は「実力の証明」。
この2つが揃ったとき、学歴は関係なくなります。
企業が本当に求めているのは、「この人は何ができるのか」です。資格は「勉強して知識を身につけた証拠」。実務経験は「それを実際に使える証拠」。どちらか一方ではなく、両方を積み上げていくことが、高卒からのキャリアアップの王道です。
6. まとめ
資格は、学歴の代わりになる武器です。
「高卒だから」と諦める必要はありません。この記事で紹介した8つの資格はすべて、学歴に関係なく受験できます。受験料は1万円前後。参考書を買っても数千円。大学4年間の学費(約500万円)と比べたら、はるかに小さな投資です。
資格を1つ取る。そこで得た知識を仕事で使う。実績を積む。さらに上の資格に挑戦する。——このサイクルを回せる人は、学歴に関係なく評価されます。
まずは1つ。自分が興味を持てる分野の資格から始めてみてください。在学中なら危険物乙4やITパスポート。就職後なら宅建やFP2級。「1つ取れた」という成功体験が、次の挑戦への原動力になります。
この記事の要点
- ・ 高卒・在学中から受験できる国家資格は多数ある
- ・ 資格1つで年収が100万円以上変わることは珍しくない
- ・ 「資格×実務経験」の掛け合わせが市場価値を最大化する
- ・ まずは1つ。興味のある分野から始めよう
出典一覧
不動産適正取引推進機構「宅地建物取引士資格試験」
行政書士試験研究センター「行政書士試験」
日本FP協会「FP技能検定」
IPA 独立行政法人情報処理推進機構「ITパスポート試験」「基本情報技術者試験」
消防試験研究センター「危険物取扱者試験」
社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」
電気技術者試験センター「第二種電気工事士試験」
建設業振興基金「施工管理技術検定」
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
建築求人.jp「施工管理の学歴と年収」(独自アンケート調査)
全建総連東京都連合会「2024年賃金調査報告書」
伊藤塾「宅建の合格率・難易度」
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Written & Edited by
漆畑 智哉
株式会社ゆめスタ CCO / 教育コーディネーター
